2012年10月20日 (土) 掲載

◎函館市、女性管理職 初の10%越え

 函館市はこのほど、第2次男女共同参画基本計画(はこだて輝きプラン、2008〜17年度)の進捗状況をまとめた。それによると、市の管理職への女性登用率は10・3%で初めて10%を超え、重要な政策決定の場で女性の参加が進んでいることをうかがわせる一方、30%の数値目標を掲げている各種審議会委員への登用率は19・2%にとどまっている。

 同計画は市男女共同参画推進条例に基づいて策定。将来像を「男(ひと)と女(ひと) ともに輝く 豊かなまち」と定め、基本目標を「人権尊重と男女平等の意識づくり」「あらゆる分野への男女共同参画促進」「多様な生き方が選択できる環境づくり」としてさまざまな施策を進め、毎年度ごとに進捗状況をまとめている。

 女性管理職の割合は年々増加傾向にあり、2007年度7・8%、08年度8・9%、09年度9・0%、10年度9・1%。昨年度は管理職262人のうち27人が女性で、初めて10%を超えた。主査職(係長クラス)では20%に達している。

 また、小学校の校長職で44人中5人(11・4%)、中学校の教頭職で28人中5人(17・9%)と、過去5年間で最も高かった。

 一方で、各種審議会委員では88審議会、委員1167人のうち女性は224人(19・2%)と伸び悩み、過去5年間でも19〜20%台を行き来する状態が続く。町会や自治会の女性会長は182人中7人(3・7%)と低く、依然として男性中心の状況を示している。

 市は各民間団体に所属する女性の中で委員就任が可能な人材の調査を進めているほか、公募枠の拡大による登用率拡大を目指している。市民・男女共同参画課は「庁内の各種会議で推進状況を説明し、登用率アップに向けた投げかけを進めていきたい」と話している。(千葉卓陽)



◎函館市消防本部 恵山、椴法華出張所統合へ

 函館市消防本部は19日、東消防署恵山出張所(川上町)と椴法華出張所(新浜町)を、2015年度をめどに統合し、恵山地区の日ノ浜町に新庁舎を建設する計画を明らかにした。両出張所とも建物の老朽化が進んでいる上、道が示した津波浸水想定でともに浸水被害を受ける場所に該当することなどが理由。

 19日に市恵山支所で開かれた恵山地域審議会(東福洲二会長)で報告した。

 恵山、椴法華出張所はともに職員10人、当直3人体制で運用している。両出張所とも建設から30年以上経ち老朽化が進んでいるほか、津波浸水想定では恵山が2〜3b、椴法華が1bの浸水が予想されている。

 恵山では旧市内へ救急搬送する際に往復で約2時間かかるため、その間戸井地区から救急車を配備する体制を取っているが、地元在住の職員が減少しており、「この状況を維持するのは困難」と判断した。

 新庁舎は両地域の中間地点となる日ノ浜町に建設を予定。鉄筋コンクリート造2階建て、職員20人、当直6人体制で、消防車・救急車各2台を配備。救急車1台は高規格救急車とする。

 市消防本部は2004〜14年を期間とする再編計画に沿って北消防署弥生・青柳出張所の統合や東消防署南茅部支所の移転を進めており、今回で適正配置を終える考え。来年度に用地購入や実施設計を行い14年度に建設、15年4月の開所を目指す。同本部は「来年度予算で要求したい」と話している。(千葉卓陽)



◎身体障害者手帳 道南72人誤認定

 道は19日、「身体障害者手帳発行システム」で手帳を交付した道内752人について、JRなどの運賃割引の障害種別認定が誤っていたと発表した。このうち道南の誤認定者は渡島管内(函館市を除く)50人、桧山管内22人。渡島総合振興局と桧山振興局は該当者の自宅を訪ね、謝罪した上で誤記部分を書き換える。

 高橋はるみ知事が同日の定例会見で、職員の人為的ミスが原因と認め、陳謝した。

 道によると、9月中旬に交付を受けた人から指摘を受け、調査した結果、本来は「第1種」(重度)とすべきなのに、誤って「第2種」(それ以外)と記載したまま手帳を交付していたことが分かった。

 2種の中でも複数の部位に障害がある人は1種に格上げされる。発行システムはあらかじめ1種とプログラムされているものを除き、自動的に2種と記載してしまうため、1種に該当する場合は入力時に職員が手作業で修正する必要があった。しかし、修正作業の必要性について「組織的に徹底されておらず、機械から出てくるものが正しいという認識になってしまった」と渡島総合振興局。新システムを導入した2005年9月以降、誤認定に気づかなかったという。

 運賃割引では、JRだと本人は1種、2種とも100`超の場合、普通運賃が半額、1種は介助者も半額となる。道は利用証明があれば、運賃の損害補償をする方針。

 函館市は独自に身障者手帳を交付している。(山崎大和)


◎安心野菜届けます 21日に初のAP北海道収穫祭

 北海道中小企業家同友会函館支部は21日午前10時から、津軽海峡フェリー函館ターミナル(港町3)で「AP北海道収穫祭in同友会食べマルシェ」を初めて開く。道南各地の農家が農法にこだわって作った農産物や加工品を販売する。

 AP(アグリポット)北海道は同支部加盟の農家でつくる部会組織。メンバーは無農薬農法にこだわって生産しており、安心、安全な農産物を直接、消費者に届けようと初めてイベントを企画した。

 参加するのは、函館、北斗市、七飯、森、厚沢部町の農家23軒。カボチャやネギ、ホウレンソウなどの新鮮野菜が並ぶほか、コメの食べ比べも行う。加工品はジュースなどを販売する。

 会場にはフードコーナーもあり、各農家の食材を利用した料理を味わうことができる。野菜をふんだんに使った豚汁や新米のおにぎり、野菜とイカのソース焼きそばなどのメニューを提供する。

 イモの詰め放題は100円で、午後1時と同2時半の2回。もちつきは正午と同2時に行う。同支部では「農家のこだわりや取り組みの成果を知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。イベントは同3時まで。(松宮一郎)