2012年10月24日 (水) 掲載

◎函館観光 健康増進に一役…ヘルスツーリズム 初のモニターツアー

 旅行を楽しみながら健康増進を目指す観光スタイル「ヘルスツーリズム」を定着させようと、函館市が招いたモニターツアーの一行が23日に来函した。市内・近郊の観光と健康診断をセットにした取り組みで、新たな観光需要掘り起こしへの試金石となりそうだ。

 市は健康意識の高まりや、内臓脂肪型肥満(メタボリック症候群)の特定健診の受診率が低迷する現状を受け、市内・近郊に医療機関が点在し、豊富な観光資源を持つ“強み”を生かそうとヘルスツーリズムに着目。商品化を見据えたモニターツアーを初めて企画した。

 昨年視察に訪れた健康保険組合連合会(東京)の城南地区方面会に呼び掛け、日本航空の健保組合に加盟している59〜74歳の12人が参加した。既存の観光ツアーに健診メニューを追加しており、最終日の25日には市内の共愛会病院でメタボ健診を受ける。

 初日は午前中に空路で函館入りし、ボランティアガイドとともに西部地区の教会群や坂道を散策して秋の函館を満喫した。横浜市から参加した小島有三さん(65)は「函館は初めて来たが、落ち着いた雰囲気で楽しい。健診を受けるきっかけにもなる」と笑顔で話していた。

 同健保の田口創一郎事務局長(53)は「今年は退職者中心に声をかけており、次回は土・日曜を挟んで現役世代も参加してもらえれば」と手ごたえを示す。

 現状では健保組合と医療機関とが個別に健診契約を結ぶ必要があり、受け入れ先の確保が課題となっている。市観光コンベンション部は「アンケートを取って利用者のニーズを把握し、来年度以降も続けていきたい」と話している。(千葉卓陽)



◎道南自慢の味覚 大手百貨店でPR…来月、阪急うめだで

 道南産品が今秋、東西を代表する大手百貨店での北海道物産展に相次いで登場し、ファンから注目を集めている。阪急うめだ本店(大阪)の物産展(11月14〜20日)では、初めて「道南特集」を組んで「王様しいたけ」を目玉に据える。東武百貨店池袋店(東京)での道南野菜特集も、好評のうちに終了。北海道新幹線開業に向け、大都市からの観光客誘致につなげる起爆剤となりそうだ。

 西の横綱″繼}うめだ本店の道南特集では、王様しいたけを中心に、食材に使ったシューマイや握りずし、メンチカツなども販売する。リニューアルする同店のグランドオープン(11月21日)を記念した企画で、膨大な入り込み客数が予想される。

 一方、全国一の北海道物産展売り上げを誇る東武池袋の野菜特集(9月20日〜10月2日)には、道南の有機栽培カボチャ「くりりん」、新ジャガ「メークイン」、超大粒大豆「タマフクラ」の枝豆、王様しいたけが出展。桁外れの味が首都圏の消費者を魅了し、道産品の良さを際立たせた。

 これらの産品は、渡島総合振興局などが函館市で開いている「道南食と観光ブランドフェア」(今年は22日に開催済み)に訪れたバイヤーの目に止まったのが共通点。単なる道物産展ではなく、地域特集や一次産品への特化などの仕掛けにより、お客を飽きさせないことを目指す百貨店側の思惑とも合致している。

 同振興局は「道南に来て食べてもらうためのきっかけづくり。百貨店はアピール効果が大きく、手応えは十分」(食と観光振興室)としている。(山崎大和)



◎コンブだし文化の重要性語る…雁屋哲さん講演

 函館市南茅部地区の漁業の未来を考えようと、南茅部沿岸漁業大学(田名部洋学長)主催の特別講演会が23日、南茅部公民館で開かれた。「昆布の価値」と題してグルメ漫画「美味しんぼ」の原作者、雁屋哲さんが講演した。

 約150人が参加。南茅部産を扱う大阪の老舗コンブ店「こんぶ土居」(土居純一社長)の3代目店主土居成吉さんが提案、今回の講演が実現した。

 雁屋さんは、日本独特のコンブだし文化の重要性を説明。海外ではコンブを「シー・ウィーズ」(海の雑草)と呼んで食べないが、うま味という概念が認められ、最近はだし文化が世界へ広まっていると紹介した。日本が世界一の長寿国となった理由について「海藻を食べることが、日本人の健康に非常に良いのでは」と述べた。「コンブとかつお節の価値を知らない人がいる」と訴え、化学調味料を乱用する食生活を見直すよう提言した。

 同漫画の特色として、しょうゆ、牛乳、フォアグラ、ウイスキーなど食の問題にメスを入れてきたことに触れ、「本物の味」の大切さを強調した。(山崎大和)


◎予想以上 トータルデザイン公募に応募12件

 函館市がJR函館駅前・大門地区の歩道や広場、電停・バス停などの一体的なデザインを民間に提案してもらう「中心市街地トータルデザイン」の公募参加申し込みが19日で締め切られ、計12件の申し込みがあった。市経済部は「予想以上の反響で、今後の提案内容を精査したい」としている。

 国からまちづくりへの重点的な補助を受けるための「市中心市街地活性化基本計画」(13〜17年度)の一環。提案内容は駅前通やはこだてグリーンプラザ、電停・バス停の再整備などで、3日から提案公募の応募登録を受け付けていた。

 企業名は非公表。同部によると、市内や札幌をはじめ、大手を含む首都圏の建築やデザイン、コンサルティング会社などから申し込みがあり、単独企業のほか、2〜4社が共同で組む「コンソーシアム」による応募が目立ったという。

 同部の入江洋之中心市街地等再生担当参事は「予想の2倍以上の申し込み数で関心が高かった。自治体による街のデザイン公募という新しいジャンルで実績を上げたい民間企業が多いのでは」と分析している。

 今後は応募者に11月9日までに具体的な提案書を出してもらい、書類審査を経て、11月中旬に市内外の有識者らでつくる審査委員会が最優秀と次点を決める。年度内に業務委託契約し、来年度以降に順次着工する。(森健太郎)


◎「大門横丁」が26、27日に7周年イベント

 函館市松風町の屋台村「大門横丁」7周年イベントが、26、27の両日に開かれる。入居する全26店舗が、お得なイベント限定のセットメニューを提供するほか、スタンプラリーなど多彩なイベントが用意されている。

 26日は午後4時50分ごろから来場者に酒が振る舞われるほか、各店が秋野菜を使ったメニューを300円で提供し、人気投票を行う「ベジワングランプリ」を行う。

 27日は午後5時から「お刺身2品盛り」や「秋サケのカルパッチョ」などの各店自慢のフードとドリンクのセットメニューを700円で販売する。

 両日とも、市内人気ホテルの宿泊券や液晶テレビ、食事券などが当たるスタンプラリーを実施する。

 主催するはこだてティーエムオーは「お酒の振る舞いや、幅広い世代の方が楽しんでいただけるイベントを多数用意しています。ぜひお越しください」と話している。(金子真人)