2012年10月26日 (金) 掲載

◎太い! リーキ収穫

 【北斗】道内の農業試験場で唯一、リーキ(西洋ネギ)の栽培技術の開発について研究している道総研道南農試(北斗市本町)で25日、収穫が始まった。ずんぐりと太いリーキを、職員らが手作業で掘り起こしている。

 新規作物導入に向け2011年度から3カ年計画で、栽培法の確立や機能性についても研究。研究主任の富沢ゆい子さん、植野玲一郎さんが中心となり、今年は試験圃場(ほじょう)約4eで栽培。収穫作業は11月初旬まで続く。

 食用とする根元の白い部分が15〜20センチ、直径が4aほどあり、出荷基準に合う品物に仕上がった。富沢さんは「病気に弱く栽培が難しい面もある。そこがクリアできれば海外産に負けないものができる」と話す。

 欧米では煮込み料理に使われる。加熱すると甘みが増すのが特徴。国内流通するリーキのほとんどが輸入品。洋食文化が根付く函館の料理人からは国産への引き合いが見込まれるため、特産化を目指す。(山崎大和)



◎きょうで無休営業6666日 大衆食堂「たつみ」

 店主の明るい人柄と安くてボリューム満点のメニューで多くの地元市民や観光客に親しまれている函館市東川町の大衆食堂「たつみ」が26日、無休営業6666日を迎える。店主の山田正勝さん(71)は「一生懸命支えてくれている従業員たちのおかげ」と感謝の言葉を口にしている。

 山田さんは30歳の時、自分の店を持つため東京のそば店で修業し、1973年にラーメン店「たつみ」を開いた。開店後は試行錯誤を重ねながら、唐揚げや生姜(しょうが)焼きなどの定食メニューも増やしていき、山田さんの元気な接客もあって多くの常連客に愛された。

 しかし、94年に山田さんが腰を痛めて入院し、店は5カ月間の休業を余儀なくされた。退院後はその間に離れてしまった客を取り戻そうと「安くてボリュームがあり、お客さんがいつ来ても開いている店」として再開。それから18年以上、従業員たちに支えられながら、1日も店を休まず営業を続けている。

 山田さんは「お客さんとの会話が元気の源。無理なく自然体で続けることができた」と振り返り、「安くてボリュームがあっても味が良くなければお客さんはよろこばない。ここでしか食べられない味をこれからも提供していきたい」と話している。(金子真人)



◎函館市予算編成 来年度も「緊縮型」に  

 函館市の来年度予算編成に向けた作業が、徐々に本格化している。財政難で市財務部は、一般経常費や政策的経費の予算要求基準を本年度から3割縮減するよう要求しており、編成作業は本年度同様、「緊縮型」で進む模様。職員の給与カットや外部・内部の事業仕分け判定結果などを活用した内部努力で財源不足を乗り切る考えだ。

 予算編成作業は11月中旬から12月にかけて各部局が財務部に要求。同部の査定と来年1月末の市長査定を経て、2月上旬から中旬にかけて確定する流れ。

 市は昨年度から各部局に対し、備品購入費や旅費、政策費などの予算要求基準を前年度計上額から3割減らすよう要求しており、来年度に向けてもこの方針を継続。今月上旬に各部局に説明したが、「これでは予算が組めない」(ある市職員)と、現場では苦悩もにじむ。

 縮減の背景にあるのは、改善の兆しが見えない財政状況。本年度当初予算では22億円の財源不足が生じ、退職手当債を発行せずに基金(財政調整基金、減債基金)の取り崩しのみで補う計画を立てた。この段階で基金残高は約7000万円まで減る計算だ。

 赤字予算は1997年度から続いており、11年度は新たな歳出削減策として職員の給与カットにも踏み切った。しかし、少子高齢化や景気回復の遅れに伴って社会保障関係経費の伸びが続いていることで、行財政改革の効果を相殺する状況が続く。市財政課は「できる限り内部努力で経費を圧縮し、市民サービスへの影響を避けたい」と話す。 (千葉卓陽)


◎鍵谷投手は日ハム 七飯中卒、ドラフト3位指名 

 【東京】プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が25日、東京都内のホテルで開かれ、七飯中卒の鍵谷陽平投手(22)=中央大4年=が北海道日本ハムファイターズに3位で指名された。道南関係の選手でドラフト指名されたのは、函館亀田中卒の又野知弥選手(東京ヤクルトスワローズ)以来2年ぶり。

 同中卒後は札幌・北海高に進学。2008年夏、エースとして9年ぶりに同高を甲子園へ導いた。中央大では2年の春に初登板し、4年生の今年は主戦として東都学生春季リーグに登板。1勝4敗ながら防御率1・94と結果を残した。

 身長180a、体重80`。球速MAX152`で、常時140`台の直球を投げ、パームなどブレーキの利いた変化球で緩急をつける本格派右腕。高校時代からプロ球団に注目され続け、幼少からの夢を見事にかなえた。

 本紙の取材に対し鍵谷投手は「地元北海道の球団に指名されてうれしい。できるだけ早く札幌ドームでプレーする姿を見せたい。これからも真摯(しんし)に取り組んでいきたい」と心を落ち着かせて飛躍を誓った。

 自宅でテレビで指名を見守った父・幸一さん(54)は「指名いただけることは本人の努力もあるが、これまで支えてくれた多くの方々に感謝したい」と感慨深げに語った。 (小林省悟)


◎開通控え仕上げ作業 大沼公園−森IC

 【森】ネクスコ東日本北海道支社は25日、11月10日開通の道央自動車道の大沼公園インターチェンジ(IC、森町赤井川)|森IC(森川町)間9・7キロの工事現場を報道陣に公開した。全国初採用の「ワイヤーロープ式防護柵」の設置も終わり、開通に向け、仕上げの作業が進められている。

 新型防護柵は、ババ沼川橋と尾白内川橋の間の分離2車線区間の1・6キロに渡り設置。支柱間に張った5本のワイヤで、事故車両の衝撃を緩和し、反対車線への飛び出しを防止する。ワイヤや支柱の取り外しが容易で、早期の復旧作業が実現できる。

 同社は、八雲IC構内で防護柵の取り外し訓練を行うなど、運用に向け準備中。同社は「冬期間の維持管理など課題はあるが、良好な結果が出れば全国に広まっていくのでは」とする。 このほか、大沼公園IC出口に設置された逆走車防止対策や、アスファルト舗装材に混ぜたホタテの貝殻粉末の使用状況などを公開した。函館工事事務所の渡辺将之所長は「昨年の森ICの開通に続き、道央と道南がより近くなる。地域間交流が盛んになり、北海道の発展にお役に立てれば」と話していた。

 大沼公園ICは、11月10日午後3時に開通。開通に先立ち、グリーンピア大沼で開通式や祝賀会、本線上でのパレードが行われる。 (今井正一)