2012年10月3日 (水) 掲載

◎道新幹線建設促進期成会が工事現場見学

 【北斗、七飯】北斗市北海道新幹線建設促進期成会(福原昭一会長)の工事現場見学会が2日、開かれた。鉄道・運輸機構北斗鉄道建設所によると、高架橋などの土木工事の進捗(しんちょく)状況は約8割となり、終盤を迎えている。約30人の会員が橋りょう工事現場など数カ所を訪れ、間近に迫る新幹線開業を肌で感じた。

 見学場所は、戸切地川橋りょう、飯田高架橋、函館総合車両基地、新函館駅(仮称)周辺の4カ所。軌道工事が始まれば、高架橋に一般市民が立ち入ることは難しくなり、見学会も本年度限りとなる可能性がある。

 同建設所の山崎貴之所長は「来年はレール敷設や電気工事など、設備工事が中心になる。土木工事は雪が降るまでにと、急ピッチで進めている」と話した。

 このうち、戸切地川橋りょう工区は全長2229bの区間に高架橋が並び、戸切地川をまたぐ橋など、全体の約89%が完成済み。参加者は、高架橋の上から函館山を眺め、新幹線車上からの景色に想像を膨らませた。続いて、七飯町内の飯田高架橋では新函館駅に向かうカーブの様子や防音壁の様子を見学した。

 市内本町の京野アサさん(66)は「大野町時代から誘致運動を頑張ってきた自負がある。新幹線開業は家族を迎え入れるような気持ち。一番列車にぜひ乗って東京に行きたいですね」と話していた。(今井正一)



◎大妻高生が稲刈りに挑戦

大妻高校(池田延己校長)の食物健康科の1年生40人が2日、北斗市東前の大野稲作振興会・山本隆治会長の田んぼで稲刈りに挑戦した。黄金色の稲穂を刈り、秋晴れの空の下、田んぼで汗を流した。

 同科では食育の一環として田植えから収穫、脱穀までの一連の作業を学んでいる。

 この日、収穫したのは5月下旬に生徒が植えた道南産米「ふっくりんこ」。生徒は山下さんから収穫方法の説明を受けた後、鎌で稲を根元から刈り取り、3、4株の束にしてまとめた。

 最初は鎌の使い方に戸惑う生徒もいたが、徐々にコツをつかむと、収穫作業に夢中の様子。友人と連携しながら束を次々作り、収穫の秋を楽しんだ。

 作業を終えて和泉麗菜さん(15)は「自分たちの植えた稲が想像以上に大きくなっていてびっくりした。収穫した米を調理実習で使うのが楽しみ」と話していた。(平尾美陽子)

 



◎市独自の節電期間終了、13.2%削減で目標達成へ

 今夏の電力不足に備え、函館市が独自に定めた「市節電行動計画」(7月2日〜)が9月28日で終了した。対象252施設の使用電力量は8月末時点で、2010年同期比13・2%減となり、目標値の約1・7倍と大幅に上回った。9月は残暑の影響でやや伸び悩むが、期間全体で10%以上の削減は確実な情勢だ。

 政府と北電は、節電期間(7月23日〜9月14日の午前9時〜午後8時)に10年比で7%以上の削減を要請。市は期間を拡大して対応し、対象252施設で7・9%減、市立函館病院や浄配水場など政府の節電対象外の28施設で2・8%減の節電目標を掲げた。

 全対象施設では7月が13.1%減、8月が13.2%減。使用量の多い日乃出清掃工場は7月10.1%減、8月10.6%減で、市役所本庁舎も7月15.1%減、8月14.6%減だった。一部を夜間運転に切り替えたし尿処理場は7月32.7%減、8月35.7%減と削減幅が大きかった。

 市環境部によると、児童館などで削減率が50%以上の施設もあったが、「10年に節電してなかった可能性もあり、削減幅だけでは一概に判断できない」(市環境総務課)。一方、戸井地区のウニ種苗センターでは生産量の増加や猛暑の影響で7、8月とも10年同月の使用量を上回った。

 一方、対象外施設は全体で7月が6・4%減、8月が3・6%減。市立函病では7月4.3%減、8月1.9%減、市電の運行を含む市交通部駒場車庫では7月8.8%減、8月5.2%減だった。

 各施設の目標達成について、同課は「事務室の照明の間引きなど小さな取り組みの積み重ねに尽きる」と分析。料金ベースでは期間中に概算で1000万円以上の削減効果があったとみられ、「財政上の貢献度も大きく、職員の我慢と市民の理解のおかげ」と話す。

 9月については、28日現在、252施設のうち74施設から回答があり、速報値で10.5%減。例年より残暑が厳しく、7、8月に比べて削減率はやや鈍る見通しだが、「最終的に10%前後の削減となり、目標達成は確実」(同課)とみる。

 今後、夏場より電力需要が増す冬場に向けた節電対策も必至で、同課は「まだ正式な要請はないが、今から対策を練らなければ」と10月中にも対応策をまとめる方針。市は照明の間引きなどはできるだけ継続し、さらに消費電力の少ないLED(発光ダイオード)化の推進も検討している。(森健太郎)


◎「受信環境クリーン図案コン」で杉之原さんが道内最高賞

 函館桐花中学校(中村吉秀校長)の杉之原萌衣さん(1年)が、全国の中学生を対象とした「第45回受信環境クリーン図案コンクール」で、道内最高賞の北海道受信環境クリーン協議会会長賞を受賞した。杉之原さんは「こんな大きな賞は初めてなので、とってもうれしい」と喜んでいる。

 杉之原さんの作品は、テレビ画面を眺める高齢者が電波障害で悩み困っている場面を表現。北海道の方言「〜だべさ」を用いた親しみやすい言葉で、電波妨害防止を訴えている。

 ポスターは7月にあった美術部の合宿で作成。緑の色合いを工夫し、山を中心に全体の構図を考えたといい、「電波障害で困っている人がいるということを知ってほしい」と杉之原さん。今回の受賞を励みに「いろんなコンクールに応募してみたい。これからもがんばっていきたい」と意気込んでいる。

 指導を担当した齋藤悦子教諭は「最後まで根気よく丁寧に作品を仕上げたがんばりが受賞につながったと思います」とねぎらいの言葉をかけていた。

 同コンクールは、受信環境クリーン中央協議会と各地方受信環境クリーン協議会が、テレビやラジオの受信障害防止策について理解を深めてもらおうと、毎年実施。今回は全国から330校2978点、道内では15校から108点の応募があった。(平尾美陽子)


◎大間建設再開で訴訟の会、市に集会開催など要請

 電源開発(東京)が大間原子力発電所(青森県大間町)の建設を再開したことを受け、大間原発訴訟の会(竹田とし子代表)など5団体は2日、函館市役所を訪れ、建設反対集会の開催などを求める要望を行った。工藤寿樹市長は「市民の安心安全を守り、人間としての尊厳をかけて闘う」と述べ、事業者との対決姿勢を明確に示した。

 約10人が出席。同会は国、電源開発に対する説明会や市主催での反対集会の開催、市役所での大間原発凍結の垂れ幕掲示、凍結に向けた専門チームの創設など5点を求めた。

 市長は1日に行われた、同社の渡部肇史常務とのやりとりを報告。津軽海峡が国際海峡のため、領海が3カイリ(約5・6`)と狭い点を挙げ「大間特有の問題がある」と説明した。

 その上で、検討を進めている建設差し止め訴訟の提起について「手続きや手順に瑕疵(かし)があることも含め、どうすれば勝てるかを弁護団に考えてもらう」と、現段階でのイメージを明かした。

 国の原子力規制委員会が防災対策の重点区域を原発から半径30`に拡大し、周辺自治体の地域防災計画作成を稼働条件に挙げていることに関し、同市長は改めて作成を拒否するとし、「原発ができたとしても稼働はさせない。全国から賛同を集めたい」と述べた。(千葉卓陽)