2012年10月31日 (水) 掲載

◎函館バスの運行情報、スマホから簡単確認 アプリを開発

 函館バス(函館市高盛町)は、スマートフォン(多機能携帯電話)で停留所の検索や時刻表を確認することができるアプリケーションを開発し、今月からサービスを開始した。これまでもあったバス到着までの時間をリアルタイムで確認できる「バスロケーションシステム」機能付きで、同社は「冬場は到着時間を目安にすれば、バス停の前で寒い思いをしなくても済む」と話している。

 アプリ名は「はこだてバスガイド」。米グーグルの基本ソフト「Android(アンドロイド)」にのみ対応。無料でダウンロードすることができる。従来の携帯電話やパソコン上でも停留所検索などはできたが、スマホの急速的な普及に対応するため、サービス導入を決めた。

 スマホならではの簡単な操作が特徴。利用者が地図上で乗車するバス停を選択すると、時刻表を確認できるほか、目的地のバス停も選択した場合、到着までの時間が一覧で表示される。

 また、観光客など函館の地理に詳しくない人のために「エリア検索」機能も搭載。函館駅前や五稜郭、湯の川温泉、ベイエリアなど大まかなエリアを選べば周辺のバス停も分かる。

 アプリ配信開始から学生や社会人を中心に徐々に浸透。同社では「便利なサービスなので、通学や通勤の際にぜひ利用してほしい」と話している。アプリ販売サイト「グーグル・プレイ」からダウンロードできる。(松宮一郎)



◎ふっくりんこ脱穀 大妻高1年生が初体験

 【北斗】函館大妻高校(池田延己校長、生徒426人)の食物健康科1年生39人が30日、渡島農業改良普及センターで、自ら田植えと稲刈りをしてきた道南産米「ふっくりんこ」の脱穀を体験した。

 農家の苦労や食について学ぶ1年生恒例の活動。生徒たちは北斗市大野地区の農家の田んぼで6月に田植え、10月上旬に収穫を実施。この日まではさかけで自然乾燥させていた。

 脱穀から精米までを学ぶ今回は全て機械を使用。協力するJA新はこだて職員のアドバイスを受け、慎重な手付きで稲束を入れると「ザー」と勢いよくもみがはき出された。次第にこつをつかみ、慣れた様子で作業していた。もみはさらにごみを取り除き、最後に精米機にかけた。

 脱穀初体験という坂野みさきさん(16)は「体験できる機会はなかなかないから面白かった。早く料理して食べたいですね」とほほ笑んだ。  米は12月に同校で行う「創作料理」の時間に使われる。(長内 健)



◎ガゴメ商品 本州のコンビニに登場 おにぎりなど3品

 函館特産のガゴメコンブを使ったおにぎりなど3品が31日から、本州のコンビニエンスストア店頭に登場する。函館がごめ連合(布村重樹代表、40社)が公認するコンビニ商品で、道外での認知度向上に期待が膨らんでいる。

 ココストア(本社名古屋)が同日から11月20日まで、東北から沖縄まで全国764店舗で展開する「北海道フェア」で、おにぎり、サラダ、うどんを販売する。

 おにぎり「ガゴメマンのねばねばガゴメ昆布ばくだん(温玉入り)」(11月7日発売、230円)は、ガゴメをしょうゆベースの特製だれで味付け、温泉玉子と一緒に味ご飯で包んだ。コクと甘みがご飯と絡んで絶品という。連合キャラクター「ガゴメマン」もパッケージに使用。サラダとうどんはガゴメを具材の一つとして味わう。

 同社は「北海道ならではの食材を探す中でガゴメを見つけた。非常に粘りがあり、フコイダンなどの健康成分も豊富なことから、今後注目される食材」と話す。

 メニュー開発に向け、担当者3人がガゴメ博士≠ニして知られる北大大学院水産科学研究院の安井肇教授の研究室を訪れ、生態や食べ方なども学んだ。

 連合アンテナショップ「がごめ昆布ねばねば本舗」(若松町)の石原健店長は「連合のPRが功を奏し、採用されたのでは。ガゴメの普及に弾みが付く」と喜んでいる。(山崎大和)


◎はこだて観光圏 見直しに着手 国が方針転換の意向

 道南18市町が滞在型の観光地づくりを目指して取り組む「はこだて観光圏」をはじめとする、全国49地域の観光圏の認定が本年度で終了することになり、関係者が見直し作業に着手している。観光庁は13年度から開始する次期観光圏制度の準備を進めており、函館市など関係団体は「他地域との差別化を図れるブランドづくりが必要」とし、再認定に向けた準備を始めている。

 「はこだて観光圏」は道南の豊かな食をキーワードに、道南全体を6つのエリアに分けて観光客に豊かな食を楽しんでもらい、滞在型の周遊観光地となることを目指した取り組み。2010〜14年度までの5年間で観光入り込み客数を08年度比20%増、平均宿泊日数で同25%増を目標に掲げた。

 計画期間中は各事業ごとに上限40%の補助が受けられる制度だったが、観光庁は来年度から制度を改め、補助対象を絞り込む方針とみられている。

 函館市によると、観光庁は来年度から、他地域と差別化されたブランド商品に対して補助し、日本を代表するブランド地域を造り上げることで外国人観光客の誘致を目指す方針に転換する考えを示し、今月中旬に各地域に対して説明した。

 認定以降は官民一体となって着地型・滞在型の旅行商品の開発を進めてきたが、他地域よりもエリアが広い点などから、事務局の市観光コンベンション部は「一体感の醸成や広域連携に課題があった」と分析。「18市町共通のコンセプトを作り上げるには時間がかかる。ハードルが高い中で枠組みを作っていきたい」とし、再認定に意欲を示している。(千葉卓陽)


◎ふっくりんこの塩麹好評

 JA新はこだて(畠山良一組合長)が、発酵調味料「ふっくりんこ塩麹(こうじ)」を今月から販売して好評だ。道南ブランド米「函館育ちふっくりんこ」の米こうじを使っており、コメの品種、産地を限定した塩こうじは珍しい。

 塩こうじブームに火が付き、新商品が相次ぎ誕生した点に着目。道南産の野菜や魚、肉、きのこ類をよりおいしく味わってもらおうと、相性抜群の調味料を開発した。

 同JAが田中酒造(小樽)に製造委託している、ふっくりんこを使った純米吟醸酒「飲ん米(のんべぇい)」の製造過程で造られる米こうじを利用する。

 販売は、同JAファーマーズマーケット「あぐりへい屋」(北斗市東前、工藤寛生店長)のみで「料理に使うとうま味やコクが増し、どんな食材にも合う。お客にどの野菜に合うのか提案もしていきたい」と同JA。

 第1弾は200袋で、飲ん米を仕込む際に製造し継続的な販売を目指す。1袋200c入り530円。問い合わせは同JA米穀課TEL0138-84-8737へ。(山崎大和)