2012年10月4日 (木) 掲載

◎函館舞台のドラマ撮影へ 「神様の赤ん坊」

 12月23日午後10時からNHK・BSプレミアムで放送される、北海道発プレミアムドラマ「神様の赤ん坊」の制作発表が3日、ホテルリソル函館(若松町)で開かれ、出演する吉田栄作さん、奥貫薫さん、南沢奈央さん、渡辺大地さんと、脚本の橋口幸絵さんが顔をそろえ、番組をPRした。

 北海道発プレミアムドラマは、今年2月にばんえい競馬を題材に放送された「大地のファンファーレ」に次いで3作目。函館を舞台に、一人の赤ん坊を通じ、クリスマスイブの夜に2組の男女に起きた小さな奇跡の物語。市電の運転手・岩館修一役を吉田さん、岩館の妻・瑞恵役を奥貫さん。21歳の大学生で出産する渡辺早智役を南沢さん、渡辺の子の父で、ミュージシャン志望の大学生・島崎拓海役を渡辺さんが務める。橋口さんは「函館は心が開放される街だが、坂道があり、その上り、下りは人生を感じる。多くの人に意見をもらった分、大勢の人に共感してもらえる作品になる」と話した。

 函館は初めてという吉田さんは「美しい函館の街でドラマが出来ていくのが楽しみで、函館を知ってもらえると思う」、奥貫さんは「作品を赤ん坊のようにデリケートに育てたい」、南沢さんは「自分が母親になった時の糧になるよう全身全霊で臨みたい」、渡辺さんは「函館はシャイな街という印象。街の人たちと会話がしてみたい」と話していた。

 撮影は10月下旬から函館を中心に、小樽や札幌でも行われる。(山崎純一)



◎大間再開に建設凍結訴え「市長頑張れ」全国から応援のメール続々

 電源開発(東京)が大間原発(青森県大間町)の建設工事を再開した問題で、建設凍結を訴える函館市の姿勢に賛同するメールが市役所に相次いでいる。9月以降に全国から58件(10月3日現在)が寄せられ、最短で23キロの自治体として徹底抗戦の構えをみせる工藤寿樹市長にとって大きな後ろ盾となりそうだ。

 電源開発が1日に大間原発の建設再開を表明後、市の代表メールアドレスに建設に反対する市民からのメールが続出。3日までの3日間だけで計49件に上り、市内のほか、東京や大阪など道外からも多く、福島からの自主避難者からもあった。

 内容は「福島の事故からわずか1年半で、何の反省もない」「2030年代原発ゼロに逆行する」と国や事業者の責任を問う声や、「日本中が応援している」「市長に頑張ってもらいたい」と対抗姿勢を打ち出す工藤市長を激励する意見も目立った。

 一方、「原発は必要なエネルギーで、大間の安全技術を海外に広めるべき」と建設賛成のメールは1件だった。このほか、市長が建設差し止め訴訟に言及した際に「全国から寄付金を募る」と発言したことで、「寄付金を送りたい」と協力を示す電話なども寄せられているという。

 総務課は「大間原発の存在は全国的にも注目を集める関心事。市民からの応援メールは市長の強力な後押しになる」と話す。市は今後、さらに件数が増えるとみて、市のホームページに大間原発に関する意見の専用アドレスを作成することも検討している。(森健太郎)



◎日本地震学会 函館で大会 16日から国内の研究者ら発表

 日本地震学会(会長・加藤照之東大地震研究所教授)の秋季大会が16〜19日、函館市で開かれる。函館では初開催といい、一般市民向けのセミナーや、東日本大震災が想定できなかった反省を踏まえての特別シンポジウムなどが予定されている。

 同学会は国内の地震学の研究者、技術者ら約2000人が在籍。大会では口頭発表、ポスター展示合わせて476件の発表が予定されており、約800人の参加を見込む。

 一般向けセミナー「北海道の将来の地震・津波に備えて〜東日本大震災の教訓に学ぶ」は、20日午後1時半から市民会館小ホールで開催。島崎邦彦東大名誉教授が「東日本大震災と今」、谷岡勇市郎北大教授が「函館市の地震・津波災害について」と題して講演するほか、パネルディスカッションでは地元町会会長や有識者を交え、市の防災対策などを話し合う。定員200人で入場無料。

 特別シンポは同会館で16日午後4時から。本格的な地震予知研究の開始から今年で50年を迎えることを機に、今後の研究の方向性を考える。研究発表は17〜19日に市民会館と市民体育館で開催。特別シンポと研究発表への参加は有料。

 今大会では17日に、国がまとめた南海トラフ巨大地震の被害想定に関する説明会などを計画している。加藤会長はセミナーへの多くの参加を呼び掛けるとともに「学術と社会、防災行政が連携するための仕組みを今大会で提案したい」と話している。(千葉卓陽)


◎五輪報告会 佐々木選手に市民栄誉賞

 【北斗】ロンドン五輪バドミントン男子シングルスで日本人初の5位入賞を果たした北斗市出身でトナミ運輸(富山)に所属する佐々木翔選手(30)の報告会(後援会主催)が3日、北斗市総合文化センターで開かれた。会では、佐々木選手の五輪出場を讃え、市民栄誉賞が贈られた。

 贈呈は後援会会長の高谷寿峰市長が行った。高谷市長は「(五輪で)準々決勝の林丹(リンダン)(中国)戦は惜敗したが、世界ナンバー1に向かう姿は市民に勇気、希望、感動を与え、北斗市の誇りとしなければならない」と栄誉賞について語った。「これを機会に、ぜひ4年後のリオ五輪出場も考えてほしい」と激励した。

 佐々木選手は「メダルをお見せできなかったのは残念だが、目標としていた林丹戦ではいろんな人のパワーや気持ちが乗り移り、戦えた。市民栄誉賞に身が引きしまり、もっと大きな器になって、また北斗に帰ってきたい」と礼を述べた。

 報告会には後援会会員や市民約260人が参加。佐々木選手は「ご苦労さま」「感動ありがとう」とねぎらいの言葉を受けていた。また、道南の小中学生を中心に対象とした佐々木翔杯バドミントン大会実施に向け、後援会から同市バドミントン協会に運営資金が贈られた。(山崎純一)