2012年10月9日 (火) 掲載

◎「五稜星の夢」中止、冬の電力不足を考慮

 冬の函館観光の目玉の一つで、国の特別史跡・五稜郭跡の星形を光で浮き上がらせる「五稜星の夢(ほしのゆめ)」の本年度開催が中止となることが8日、分かった。今冬の電力不足の懸念から市民ボランティアでつくる実行委員会(宮下俊雄委員長)が判断した。

 例年、堀の内周約1・8キロに約2000個の電球を飾り付け、3カ月間(12月1日〜2月末)にわたって午後5時〜同10時まで点灯させている。今冬は電力需給の逼迫(ひっぱく)が予想され、節電要請が高まることなどを考慮して、6日に開いた函館市を含む緊急会議で中止を決定した。

 イベントは1989年から始まった。過去中止したのは、資金不足に見舞われた第5回(93年)のみで、本年度の開催で24回目となるはずだった。

 宮下実行委員長は「地元観光への影響も考えながら議論を交わしたが、原発再稼働の問題もあるため道民の生活を第一にした。苦渋の選択だったが、来年度は開催する方向で検討していきたい」としている。

 イルミネーションは高さ90メートルある五稜郭タワーからの眺望が観光客らに人気。雪の積もる地面や凍結した堀に反射する明かりが幻想的な雰囲気を醸し出し、はこだてクリスマスファンタジーなどと並ぶ冬の函館を代表するイベントとなっている。電気代などの運営費用はすべて市民からの募金でまかなわれている。(後藤 真)



◎南かやべ漁協、「昆布屋さんのそふと」人気

 函館市南茅部地区の南かやべ漁協直販加工センター(川汲町、成田寿センター長)が、ソフトクリームにマコンブをトッピングした「昆布屋さんのそふと」を販売して好評だ。ソフトの甘みとコンブの塩味が絶妙に合うと人気を呼び、夏を過ぎた今もリピーターを呼んでいる。

 同センターは今年7月中旬から、店内でソフト販売を始めた。バニラとクリームチーズの2種類あり、コンブを自由にトッピングできる。無添加「焙煎(ばいせん)こんぶ」を使い、トッピング用に粉末、カット、米粒状の3種類がそろう。濃厚なクリームチーズの方がコンブに合うと評判だ。

 粉末はきな粉や抹茶を降り掛けたような感じで、カットと米粒状は食感が楽しめる。2日連続で買いに来た女性客もいるという。

 成田センター長は「最初はコンブソフトをやりたかったが、機械がうまくいかず、この形になった。一風変わった組み合わせを楽しんで」と話す。

 通年販売し、価格は250円。ワッフル、コーン、カップのいずれかを選ぶ。ポイントカードも発行、10個貯まると1個サービス。ソフト販売は午前9時半〜午後4時(木曜のみ同3時)。12月までは第2日曜が休み。問い合わせは同センター電話0138・25・5574へ。(山崎大和)



◎輝く未来へ発表の場、佐竹さんが「ダンスワークス・リュミエール」創設

 函館、北斗にあるバレエスタジオで学ぶ生徒らが出演する「チャイコフスキーへのオマージュ」が2013年1月20日、七飯町文化センターで開かれる。各スタジオ出身で、東京や札幌で活躍する人や海外からもゲストを招き、クラシックバレエやコンテンポラリーダンスを披露する。主宰する佐竹道子さんは「発表する機会を作ることで、後身への道筋ができれば」と話している。

 佐竹さんは、道南の文化芸術の発展と地域の活性化、そしてバレエ、ダンスに関わる人の物理的、社会的、経済的向上に努めたいと思い、「ダンスワークス・リュミエール」を立ち上げた。リュミエールはフランス語で「光」を意味し、将来プロを目指す子供たちが明るく希望に進んでほしいという願いを込めている。

 スタジオの合同発表会ではなく、道南ゆかりの人を交えてレベルの高い舞台を作ることで、子供たちが先輩たちを目指してくれることを願っている。今回の公演は、函館バレエアカデミー、岡島緑バレエスタジオ、バレエスクール北斗の3スタジオから6人が出演する。「白鳥の湖」第2幕から、佐竹さんと岡島緑さんの演出、振り付けで創作した作品を演じる。7日は6人が配役を決めるオーディションに臨んだ。

 このほか、新国立劇場バレエ団などで活躍した芳賀望さんなど、東京や札幌などで活躍する11人がチャイコフスキーのパ・ド・ドゥなどを演じるほか、函館出身の平田昌子さんが率いるバンコク・シティ・バレエ(タイ)から3人が来日し、コンテンポラリーを披露する。

 会場には聴覚に障害のある人も招待し、舞踊を楽しんでもらう予定という。佐竹さんは「最初の公演が成功し、ジャンルを広げた舞台活動が展開できれば」と話している。(山崎純一)


◎鹿部でサケ釣り本格化

 【鹿部】鹿部町の常呂川河口付近でサケ釣りが本格化している。大物を狙う太公望たちが夜明けから竿を並べ、強い引きを楽しんだ。

 8日早朝、同河口両岸には防寒着を着た釣り人約40人が入釣。ウキルアー釣りで「ビュッビュッ」と遠投を繰り返し、サケの反応を探っていた。今シーズン初めて同河口を訪れた函館の奥屋健司さん(50)は待望の2匹を釣り上げ「天気も良く上々の結果だ。また来るぞ」と納得の表情。

 釣り人らによると、渡島地方のサケ釣りは今夏の異常気象が影響し、例年に比べ2週間ほど遅れて9月末に開幕。今月中旬にピークを迎える。(長内 健)