2012年11月17日 (土) 掲載

◎市電系統板に100周年ロゴ 市民周知へ 28台に導入

 函館市交通部は16日、市電運行100周年を記念したロゴマーク入りの系統板を導入した。超低床電車「らっくる号」2台を除く営業車28台に導入。来年6月29日の記念日に向けて、市民や観光客の機運を高める。

 漢数字の「百」をあしらった記念ロゴマークは、公立はこだて未来大の学生らがデザイン。系統板は2系統は赤、5系統は青のロゴマークを入れた。系統板を使用しない「らっくる号」は10月から車体に大きくラッピングして掲示している。

 駒場車庫では、職員が現役車両で最も古く、今年で60歳≠ノなった「530号」の系統板を入れ替え、同日から順次、新しい表示の電車が市内を走った。同部事業課は「100周年の記念に向けて、市民に広く周知を図りたい」とし、来年1月以降にはロゴマークを採用した行き先を表示する方向幕を取り付ける。

 同部は、記念事業の一環として「路面電車開業100周年記念キャッチコピー」の募集を12月20日まで受け付けている。来年1月の採用作品決定後、ロゴマークと合わせて使用する予定で、市民をはじめ、全国の路面電車ファンに応募を呼び掛けている。

 函館市電の魅力を発信できる開業100周年にちなんだ未発表のオリジナルの作品。文字に制限はなく、1人何点でも応募可能。

 企業局職員による投票で5作品に絞り込んだ後、インターネット上で12月27日から来年1月16日まで投票を呼び掛け、最優秀作品を決定する。

 応募先は「〒042|0935 函館市駒場町15|1 函館市企業局交通部キャッチコピー係」まで。インターネットやファクス(0138・32・1734)でも受け付ける。問い合わせは事業課電話0138・32・1730。  (今井正一)



◎明治の音≠ノうっとり 大妻高メモリアルピアノコンサート

 函館大妻高校(池田延己校長、生徒426人)で16日、同校が所有する日本最古とされる国産ピアノを使った演奏会「大妻メモリアルピアノコンサート」が開かれた。市民ら60人が来場。一流音楽家によるピアノとバイオリンの澄んだ音色に聴き入った。

 このピアノは国内のピアノ製造元祖、西川虎吉が明治10年代ごろ造ったとされる「西川ピアノ」。2007年に同校で見つかり、修復を終えた09年から毎年コンサートを開催。昨年から希望者を公募している。

 出演したのは札幌交響楽団バイオリン奏者、石原ゆかりさん=函館出身=と、函館のピアニスト高実希子さん。石原さんはエルガーの「愛のあいさつ」を軽やかに奏でると、フォーレの「シチリアーノ」「エレジー」では哀愁ある調べを響かせた。高さんも、石原さんの熱演を引き立てる繊細な伴奏を披露。来場者は奥深い明治の音≠ノ耳を澄ませていた。 (長内 健)



◎正月の食卓彩るソフトサーモン

 【森】高級珍味・薫製の製造を手掛ける「ダイカスモーク」(森町東森町、大塚悦郎社長)で、年末年始に需要が高いソフトサーモンの加工作業が盛んだ。色鮮やかなサーモンを手作業で1枚ずつ並べている。

 サケの生臭さを消す調味料を使い、味付けは塩のみ。手作業にこだわり、うま味と香りを凝縮した同町の特産品だ。独自製法でスモークしたサーモンは、機械で薄くスライスし1袋500c(約40枚入り)ごとにパック詰め。真空包装後、化粧箱に入れて関東、関西方面に出荷。贈答用として人気があるという。

 16日は加工場で、パートも含め4人で作業。常務の照子さん(74)は「刺し身でもマリネにしてもおいしく食べられます。お正月に家族みんなで食べてもらえれば」と話す。  同社はスモークサーモンやサケチップス、フレークなどサケ加工品が主力。原料サケは国産、輸入合わせて年間約300dを使う。 (山崎大和)


◎道南経済 「観光」好調も据え置き

 函館財務事務所(武本雅臣所長)は15日、7〜9月の経済概況「道南経済レポート」を発表した。好調な観光客の入り込みを受け、「観光」の判断を上方修正したものの、残暑の長期化の影響で「個人消費」が低調だったことから、総括判断は「依然として一部に厳しい状況がうかがわれるものの、緩やかに持ち直しの動きが続いている」と据え置いた。

 個別の項目で「個人消費」だけ判断を引き下げた一方、「観光」は2期連続で上方修正。「住宅建設」など6項目は判断を据え置いた。

 個人消費の判断は、乗用車販売で需要に落ち着きがみられることから、「引き続き力強さに欠ける」とした。例年にない暑さが続いたことで、管内の主要大型小売店(7社)の売上高は前年同期比1・7%減。秋物の衣料品の動きが鈍かったことが響いた格好。

 その一方で、食料品スーパー(4社)の飲料と氷菓、ホームセンター(3社)のレジャー用品や扇風機が好調。ただ、全体では前年を下回る結果となった。

 観光は、前期の判断の「総じて持ち直しているから」から「持ち直している」に。海外からの観光客の回復が顕著だったことに加え、8月に大型コンベンションが開催されたことで、宿泊者と観光施設利用者はいずれも前年を上回った。

 先行きについて同事務所では「海外経済の減速を受けて国内経済が低迷すれば、好調な道南観光も厳しい状況になる」と見ている。 (松宮一郎)