2012年11月20日 (火) 掲載

◎七飯産リンゴ「ななみつき」初競り3万円

 七飯産の高級リンゴ「ななみつき」の初競りが19日、函館市青果物地方卸売市場(西桔梗町)であり、桐(きり)化粧箱入り8玉に3万円の値が付いた。早速、贈答用として市内の百貨店などの店頭に並んだ。

 今年産から、JA新はこだて(畠山良一組合長)に出荷し、厳選した果実だけを「ななみつき」として販売、高級ブランド化を狙う。午前7時半から始まった競りには25ケースが上場、期待を込めてご祝儀相場が付いた。

 同9玉2万5000円、段ボール化粧箱入り7玉2万円、同8玉6000円、同9玉5500円、同10玉5000円、同11玉4500円で競り落とされた。

 東一函館青果(木戸浦静男社長)では、今年200ケースを扱う予定で「これまで道南で冬ギフト対応の果実商品はなかったと思う。厳選してもらっており、自信を持って販売できる」(果実部)とする。

 ななみつきは、黄色に赤みが差した実に蜜が入り、甘味が濃いのが特徴。七飯町果樹組合ななみつき部会(宮田宏之部会長、15戸)を今年立ち上げ、今月14日に同JA施設で共同選別した。(山崎大和)



◎三澤さんに若手農林水産研究者表彰

 農林水産業に関する研究開発で優れた成果をあげた研究者(40歳未満)に贈られる本年度「若手農林水産研究者表彰」に、道総研道南農試(北斗市本町)の研究主任、三澤知央(ともお)さん(39)が選ばれた。道内からは過去に1人、今回三澤さんを含め2人が同時受賞しており、道総研からは初めて。野菜の多様な病害の発生原因を突き止め、有効な対策を打ち立てた成果が認められた。

 農水省と農林水産技術会議が主催。全国から23件の応募があり、5人が受賞した。受賞者決定に際して特に重視されるのが、学術的成果(論文)や、研究成果による社会への貢献だ。

 三澤さんは、同農試での勤務8年間で800点に上る野菜の生育異常を診断し、発生原因を解明。道内で発生記録のない50の新病害を発見した。また、イチゴ疫病、ネギ葉枯病、ニラ白斑葉枯病、サヤエンドウうどんこ病の4病害について防除法を開発。これらをインターネットのホームページ上で公開、写真を載せるなどして農家の病害診断に役立てている。

 論文は英文4本、和文35本の計39本を発表している。

 三澤さんは「自分の研究が認められたこと、そして植物病理学が農林水産分野の中で高い評価を受けたことがうれしい」と笑顔。「今後は病原菌の生態を明らかにすることで、より効率の良い防除ができるようにしたい」と抱負を話す。

 三澤さんは札幌市出身。北大農学部を卒業後、道病害虫防除所(空知管内長沼町)を経て2004年から現職。専門は植物病理で、ネギ葉枯病をテーマにした論文で博士(農学)を取得した。日本植物病理学会の本年度「学術奨励賞」も受賞しており、1年間で2度の快挙に同農試も喜びに沸いている。(山崎大和)



◎衆院選に向け、各自治体 準備急ピッチ

 衆院選(12月4日公示、16日投開票)に向け、各自治体は急ピッチで準備作業を進めている。まずは投票所と開票所の確保だが、函館市選管では開票所の市民体育館で当日予定している行事の時間短縮を、関係団体に要請した。各選管は立会人や開票業務従事者の確保、会場設営の諸準備、啓発などを進めていく。

 函館市では、開票所の市民体育館で16日、市スポーツ少年団が主催する体力テストが予定されている。市選管は団体側と話し合い、開票の会場設営に時間がかかるため、終了時間を早めてもらうよう要請し、午後3時半までに会場を引き渡してもらうことで調整がついた。

 同少年団によると、テストには600人以上の少年団員が参加予定で、当初は午後4時までの終了を予定していた。市スポーツ少年団の白木荘太本部長は「時間変更を周知した。昼休みを交代で取るなどし、午後3時までに終了したい」と話した。

 また、投票所は115カ所設ける予定で、旧市内は主に学校、旧4町村は地域会館を活用する。市選管は「現段階ですべて承諾には至っていないが、確保できる見通し」としている。

 北斗市は開票作業を行う市総合文化センター、市内31カ所ある投票所とも変更せずに確保できた。ただ、次世代の啓発を目的に行っていた、高校生による投票所の事務作業手伝いは募集を見送り、市選管は「今回のように急きょ決まると、協力要請や段取りが難しい。事務の遅れが出ないよう準備していきたい」とする。

 七飯町の開票所となる町スポーツセンターは、もともと16日に大会予定などが入っておらず、投票所確保でも混乱はない。町は「準備期間が短いため、立会人の確保や選挙事務、当日の寒さ対策などやるべきことは多いが、集中して準備に臨む」と話している。(衆院選取材班)


◎イルミナシオン映画祭「シナリオ大賞」静岡の斉藤さんグランプリ

 函館港イルミナシオン映画祭実行委は19日、「第16回シナリオ大賞」のグランプリ(函館市長賞)を発表した。今年は全国から94作品の応募があり、静岡県在住の斉藤清貴さん(46)の「嘘つき兄さん」が選ばれた。

 同大賞は函館の街から新しい映画や人材を全国に発信しようと1996年度から開催。これまでに長編、短編を合わせて10本のシナリオが映像化されている。

 同実行委が選考した10作品を今月12日、荒俣宏さん(作家)、加藤正人さん(脚本家)、河井信哉さん(映画プロデューサー)の3人が最終審査した。

 斉藤さんは2006年の審査員奨励賞受賞を含めて3度、最終選考に残っていたが、グランプリ受賞は初めて。「結果を聞いたときは信じられず、しばらく放心状態でした。失敗を隠したり、自分を大きく見せるために嘘をついていた少年時代の自分を思いながら書いた作品です」と話した。

 授賞式は30日、金森ホール(函館市末広町14)で行われる。(金子真人)