2012年11月22日 (木) 掲載

◎市電8000形のプラモ発売へ

 函館市時任町のプラモデルメーカー「グレイスモデル」(増井慎吾代表)は12月10日から、同社初の製品として函館市電8000形のプラモデルを販売する。台車や制御器類、座席など150分の1スケールで再現し、製品化まで約1年を要した自信作。函館市企業局交通部の公認商品として扱われる。増井代表(47)は「模型ファンのニーズを押さえて作り込んだ。製品をきっかけに函館市電に乗りたいという人が増えてくれれば」と話している。

 増井代表は大手私鉄に約20年勤務した経験を持つ一方で、模型雑誌のライターとしても活動。昨年10月に古里で道内初のプラモデルメーカーとして起業した。オリジナル製品として同部に企画を持ち込み、全面協力を得た。同部事業課は「整備担当の職員も納得の完成度。来年の路面電車開業100周年に向けて、グッズが増えてうれしい」とする。

 函館市電8000形は現在、9両が走行する主力車両。「直線的で平面が多く、図面化しやすかった」と増井代表。特に台車のモーターやブレーキシリンダー、パンタグラフの形状などを正確に再現することを心掛けたほか、ライトの形状が異なる8001〜08号までと、09号用のフロントパーツを分ける徹底ぶり。

 また、鉄道模型「Nゲージ」と同じ縮尺にすることで、改造を楽しむ模型ファンの視点も取り入れた。増井さんは「既に全国から問い合わせをもらっている。市電ファンの一人として第2弾以降の商品化も考えている」と話している。

 価格は2200円。当面は駒場車庫でのみ販売。問い合わせは同部電話0138・32・1730。同社への問い合わせはファクス0138・83・1643、電子メールinfo@gracemodel.jpへ。(今井正一)



◎えさん漁協山背泊支所、2400万円盗難

 21日午前6時15分ごろ、函館市古武井町のえさん漁協山背泊支所で、事務室の窓ガラスが割られて金庫室から約2400万円が盗まれたと、出勤してきた支所長(49)が警察に通報した。現金以外に盗まれたものはなく、函館中央署では多額盗難事件として捜査している。

 同署などによると、犯人は事務室に隣接する金庫室のドアをこじ開け、キャビネットの引き出しや手提げ金庫に入っていた現金を盗んだとみられる。金庫室には、組合員に支払う清算金や支所店舗の売上金などが保管されていたという。

 このほか、事務室内の職員の机の中にあった数百円の小銭も盗まれていた。

 2階事務室の窓ガラス1枚に約30×40センチの穴が開けられていたほか、無施錠の1階トイレの格子が外されるなど、数カ所から侵入を試みた形跡があった。

 20日は休漁日で、職員8人のうち、同支所で勤務する7人は午後6時15分ごろまでに全員帰宅しており、その後、支店長が翌朝出勤するまで支所内は無人だった。建物に防犯装置はなかった。



◎津波避難所、旧4町村に9カ所追加

 函館市は、道が示した太平洋沿岸の津波浸水予測を踏まえて策定作業を進めている「市津波避難計画」に対する考え方を公表した。道の予測で浸水区域や津波の高さが大幅に拡大していることから、旧4町村地区で津波避難所を新たに9カ所追加するほか、一時的に退避できる適地の確保を進めていく。市は年内をめどに原案を示す考え。

 道が6月にまとめた浸水予測での最大水位予測値は、椴法華地区の元村町で10・0メートル、南茅部地区の尾札部町、椴法華地区の富浦町、恵山地区の日浦町で9・8メートル。旧市内でも栄町で6・6メートル、大手町で4・3メートルとなっており、浸水区域も広がっている。

 計画ではこれを踏まえ、沿岸部の102町を「避難対象地域」、避難距離が700メートル以上あり、対象地域の外への避難が難しい52町を「避難困難地域」と設定。市総務部によると、約8万人が避難対象となる。

 津波避難所は現在の14カ所に加え、通常の避難所53カ所を追加するとともに民間施設の活用を図る考え。恵山地区で6カ所、椴法華地区で1カ所、南茅部地区で2カ所を新たに指定し、計76カ所とする。

 また、避難困難地域外の高台や通路などを一時津波避難所などとして、計23カ所確保する考え。地域内で3階以上の建物を指定する津波避難ビルは現在民間、公共施設を合わせて25カ所あり、条件に合うホテルやマンションなどを今後も追加していく。

 28日の市議会総務常任委員会に諮った上で、年内に原案をまとめ、来年3月までの成案化を目指す。市総務部は「避難が困難な区域で、いかに避難ビルを押さえるかが焦点。考え方をまず整理して策定作業を進めたい」と話している。(千葉卓陽)


◎一足早く聖夜ムード、遺愛中高でツリー点灯式

 函館市杉並町23の遺愛女子中学高校(福島基輝校長、生徒728人)前庭で21日、クリスマスツリーの点灯式が行われた。生徒約100人がきらびやかな電飾に歓声を上げ、一足早い聖夜のムードを楽しんだ。

 高さ15メートルほどのヒマラヤスギに3550個の電球を飾った。点灯式では賛美歌の斉唱と聖書の朗読に続いてカウントダウンを実施。オレンジ色の電球が一斉にともると拍手が起こり、生徒たちは記念写真を撮るなどして楽しんでいた。

 中学1年の金丸菜月さん(13)と庄子舞さん(12)は「クリスマスの雰囲気を盛り上げてくれるから楽しみにしていた。電球がきれいに見える夜にしっかり見たい」と話していた。

 ツリーは12月25日まで毎日午後3時半〜9時半に点灯する。(長内 健)