2012年11月23日 (金) 掲載

◎商業施設に期日前投票所…市選管「道内初」

 函館市選管は低迷する投票率に歯止めを掛けようと、12月4日公示、同16日投開票の総選挙で、市内商業施設への期日前投票所開設や、投票所入場券はがきに地図を印刷するなどの新たな試みを展開する。

 国政選挙の市内投票率は、1992年の参議院選挙から2009年の衆議院選挙まで12回連続「道内市ワースト1」を記録。10年7月の参院選では汚名は返上したが、帯広市に次ぐワースト2位だった。

 衆院選での期日前投票者は、05年が1万8190人、09年が2万6613人。各種選挙でも利用者割合が増加傾向で、今回は全体で約2万9300人を見込んでいる。

 商業施設の期日前投票所に関して、市選管では「道内では初」と自負する。新たに開設するのは、港町の「ポールスターショッピングセンター(SC)」で、4900人程度の投票者を想定。同SC周辺を含む北部地区は、市役所や各支所からも遠いため、これまで期日前投票の割合が低く、結果として、他の市内5地区と比べて投票率全体も低い傾向にあった。有権者の利便性が向上するほか、同時に買い物客への意識啓発にもつなげたい考えだ。

 また、投票所入場券はがきには各投票所の地図を入れ、「主な投票所となる学校は、転勤族などになじみが薄く、そうした人たちの投票行動につながれば」とする。従来の選挙と同様に、投開票事務従事者に学生を採用するなど、若年者への浸透も図ることにしている。(今井正一)



◎園児ら飾り付けに夢中…Xマスツリー発祥の地に2本設置

 今から154年前、国内で初めてクリスマスツリーが設置されたと伝えられる函館市大町の函館元町ホテル(遠藤浩司社長)前に22日、高さ約5メートルのディスプレーとトドマツ2本が設置された。「はこだてクリスマスファンタジー」の「市民ツリー」の一環として街並みを照らすとともに、来年夏まで、記念の地のシンボルとして飾られる。

 この場所は、初代駐日ロシア領事ゴシケビッチの日記などから、1858(安政5)年に、国内で初めてツリーが立てられたと推察される。函館の森林の再生と活用を考える会(木村マサ子代表)が昨年からツリーなどを設置している。

 今年は11月に七飯町の吉野山で間伐された約2bのトドマツ2本と、果樹園用の防鳥網を使ったツリー型の飾りを組み合わせたディスプレーを形づくった。

 設置作業には木村さんや遠藤さんのほか、駒止保育園(天野洋子園長)の年長14人も参加。子どもたちは願い事を書いた札や、タコ漁用の浮きを利用したアクセサリーなどを木に飾り付けていった。加我希和(ノア)ちゃん(6つ)は「かっこいいツリーができてうれしい。家族で見にきたい」と喜んでいた。 木村さんは「函館がクリスマスツリーの発祥の地であることをアピールできるよう、多くの人たちに見てもらいたい」と話していた。(小川俊之)



◎福島の石炭灰 太平洋セメント受け入れ再開

 福島県内の火力発電所3カ所で発生した石炭灰について、道は22日、太平洋セメント上磯工場(北斗市谷好)での受け入れを再開すると発表した。震災後、道の要請を受けて搬入を停止していたが、施設の再稼働後に継続していた放射能濃度測定結果では、いずれも放射性セシウムが「検出限界値未満」となり安全が確保されていると判断。搬入時期は未定としている。

 東京電力広野火力発電所(広野町)、常磐共同火力勿来発電所(いわき市)、相馬共同火力発電新地発電所(新地町)で、福島第一原発までの距離は21キロ、60キロ、60キロ。放射能汚染への不安が懸念されるとして、道内への搬入は停止していた。

 上磯工場では、1998年から3発電所の石炭灰を受け入れ、セメント原料に使用。搬入実績は09年度に広野から1万7583トン、相馬から4527トン、10年度に広野から2万4596トン、常磐から3007トン、相馬から2万2099トン、震災があった11年度はなかった。

 施設の運転再開後、各事業者が石炭灰について放射能濃度を測定した結果、半年以上にわたって検出限界値未満となった。震災後に輸入された石炭を燃やして発生した灰であり、サイロなどの屋内に保管されていたという。今後も道内搬入のたびに、道は放射能濃度の測定を求め、結果を基に安全かどうかを確認する。

 搬入時期については、船や荷役を手配する準備が必要のため未定という。

 北斗市には既に説明しており、その際、市側は「安全性の確保について十分配慮するよう道に要請していた」(渡島総合振興局)としている。(山崎大和)


◎鍵谷投手が日ハム入団会見

 【札幌】プロ野球・北海道日本ハムファイターズの2012年入団発表会見が22日、札幌市豊平区のルネッサンスサッポロホテルで開かれた。ドラフト3位で指名された七飯町出身の鍵谷陽平選手(22)=中央大4年、北海高出=が、この日までに入団が決まった6人とともにプロへの意気込みを語った。

 鍵谷選手はこの日、同ホテルで正式契約を交わし、背番号は「30」に決まった。会見では真新しいユニホーム姿で登場。栗山英樹監督(51)が「日本一のスカウト陣が獲得した新しい選手の力で、来年は日本一を奪還したい。投手は選手層が厚いので、皆で競争し、チームとして良い形を作ってくれると思う」と期待を寄せた。

 記念写真や報道陣の取材に応じた鍵谷選手は「自分の持ち味であるストレートで押せる投手になりたい。同じタイプの増井浩俊投手を目標に、春から一軍でプレーできるようにチーム内の競争に勝ちたい」と力強く語った。

 同席した、父・幸一さん(54)は「プロとしてスタートに立ってくれた。本人が夢見ていたユニホーム姿、しかも北海道の球団で、感無量の思い」と話していた。

 契約金は6000万円、年俸は900万円(金額はいずれも推定)。23日は札幌ドームで開かれる「ファン感謝デー」に参加し、大勢のファンの前に初登場する。(山崎純一)