2012年11月24日 (土) 掲載

◎でんけんコンサート、優雅な音色 聖堂に響く

 函館市西部地区の伝統的建造物を会場にした「2012でんけんコンサート」が23日、函館カトリック元町教会で開かれた。中高生、声楽家によるハンドベルや歌が披露され、来場者220人が荘厳な聖堂に響く優雅な音色を味わった。

 同コンサートは市伝統的建造物群保存会(小林敏夫会長)の会員でつくる実行委が主催。建造物の利活用と保存を目的に毎年開き、9回目。

 初出演した遺愛女子中ハンドベルクワイアは「ロンドン・ベルス」などを奏で、きらびやかな音を響かせた。同女子中高音楽部と函館商業高合唱部が合同出演したほか、函館の声楽家佐藤朋子さんも出演。フォーレ作曲「レクイエム」の「ピェ・イェズ」やオペラ・アリアを高らかに独唱し、来場者から割れんばかりの拍手を受けていた。(長内 健)



◎椴法華で感謝祭、海の幸に長い列

 函館市椴法華総合センターのリニューアルを記念した催し「椴法華地域感謝祭」(椴法華支所主催)が23日、同センターで開かれた。新鮮な海の幸が格安で並んだほか、ダンスや民謡ショーも行われ、買い物や舞台を楽しむ大勢の住民でにぎわった。

 同センターは今春、エレベーターや手すりを設けるなどバリアフリー化し、お年寄りや障害者らが利用しやすくなった。このPRに加え、数年間大きなイベントが開かれていなかったことから催しを実施。椴法華地区の漁協や学校、函館東商工会なども協力した。

 会場前にはこの日水揚げされたイナダ(100円)が100匹並び、開始5分で完売する人気ぶり。1回100円でマイカ3〜20匹が当たる「イカくじ」には長い列ができ、20匹の特賞当選者が出ると「いいね」「すごいぞ」などと歓声と拍手が沸き起こっていた。

 舞台では、椴法華の小中学校の子どもたちがバンド演奏や合唱を披露。函館ダンスアカデミー、えさん漁協椴法華支所女性部による踊りもあった。

 イカくじで特賞を当てた同地区の新谷敏彦さん(60)は「最高の気分。たくさん食べるぞ」と大喜び。上戸泰雄支所長は「にぎわって良かった。今後も利用者に愛される施設づくりを一層頑張りたい」と話していた。(長内 健)



◎スルメイカ不調

 道南スルメイカ漁が依然として低調だ。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での取扱量は過去10年で最低だった10月に続き、今月1〜20日も前年同期比73%減の183トンと低迷。夏枯れの長期化や、悪天候で出漁できなかったことが影響した。ただ、今月中旬以降、回復の兆しが見えてきたといい、函館市漁協(橘忠克組合長)は「生け簀(す)イカ直行便」の全国発送作業を22日に終了した。

 市農林水産部によると、今月1〜20日の取扱量は過去5年で最低。品薄感から1キロ当たり平均価格は355円と高めに推移。10月は375トン、同363円だった。

 市漁協は「しけで10月は半分しか漁に出られなかった。夏枯れも長引き、ダブルパンチ」という。「今月11日ごろから量が良いとは言えないが、イカが捕れ始めてきた。これから漁期後半のピークが来てほしい」と願う。

 9月17日に始まった全国発送(注文数1万2500個)は、例年だと10月中に終わるが、今年はいけすイカ確保に苦労し大幅にずれ込んだ。

 加工業者からは原料が逼迫(ひっぱく)し、年明け以降の操業を懸念する声が上がっている。

 道総研函館水試(湯川町)によると、夏枯れの影響で漁獲量の減少が9月下旬から始まり、長期化。今月5〜9日に行った道南太平洋の調査でも、分布密度は過去同時期に比べ低く、道東からの群れの南下が遅れていることが分かった。

 澤村正幸研究主任は「今後は南下群の来遊によって津軽海峡での漁獲が上向くと考えられる」とする一方、「来遊状況によっては道南海域での漁場形成が低調に終わり、トータルの漁獲量がそれほど伸びずに漁期が終了する可能性がある」と指摘する。(山崎大和)


◎函館八幡宮で新嘗祭

 函館市谷地頭町の函館八幡宮(中島敏幸宮司)で23日、収穫の喜びを神に感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」が開かれた。

 新嘗祭は天皇がその年に収穫された新穀や新酒を天地の神に備え農作物の恵みに感謝し、自らも食す儀式。現在は勤労感謝の日として国民の祝日とされている。

 函館八幡宮では一年でもっとも大きな祭儀とされるこの日、奉賛会や敬神婦人会の氏子ら約40人が参列。御神体がまつられている本殿奥の扉を開け、中島宮司が祝詞を奏上し、氏子らが幣帛(へいはく)をお供えした。

 石崎地主海神社雅楽会による神楽「豊栄の舞」も奉奏され、最後は参列者全員が玉串をささげた。(小川俊之)