2012年11月25日 (日) 掲載

◎吹奏楽連盟60周年記念演奏会

 【七飯】函館地区吹奏楽連盟(工藤一之理事長)の創立60周年記念演奏会が24日、七飯町文化センターで開かれた。加盟団体が合同バンドを編成、満員の観衆を前に迫力ある演奏を披露し、節目を祝った。

 演奏会では小、中、高校、大学と一般の約50団体が11の合同バンドを編成。工藤理事長は「きょうのために一生懸命準備してきた。合同演奏は交流の輪が広がり、いい催しになる」とあいさつした。

 オープニングでは函館・道南の13小学校による合同バンドが登場し、「アフリカンシンフォニー」など2曲を演奏。中学校は6つのバンドに分かれ、それぞれにさわやかなハーモニーをホールいっぱいに響かせた。

 客演には、日米を股にかけて活躍している作曲・編曲家の後藤洋さんが出演。同連盟のために作曲した「波を越えてはるかに」を自ら指揮、高校6校による記念バンドが見事に演奏し、観客から大きな拍手を浴びていた。(千葉卓陽)



◎箱館奉行所と旧函館区公会堂、3が日も営業

 函館市内の主要観光施設の箱館奉行所(五稜郭町44)と旧函館区公会堂(元町11)は、来年1月1〜3日に臨時開館する。昨年度試験的に臨時開館し、一定のニーズがあったことから本年度も実施する。

 所管する市教委によると、臨時開館した今年の元日に奉行所を訪れた観光客は315人、2日は294人、3日は216人。冬期間の平日の1日あたり入館者数は150〜200人で、市教委は「開館時間が通常の冬期間より2時間短かった中、300人を超えたのはニーズがある表れ」とみる。

 公会堂は元日に183人、2、3日はともに約100が来館した。こちらも「冬期間の通常の入館数より若干多い」(市教委)という。改行 昨年度は東日本大震災の影響があったため、本年度のデータも年始営業の検討材料にしたい考え。市教委は「年始は帰省客が多く見込めるが、総合的に判断していきたい」としている。

 臨時開館日は両施設とも1月1〜3日で、営業時間は午前9時から午後3時まで。4日から通常営業する。12月31日は休館。改行 市教委所管施設ではこのほか、市芸術ホール駐車場が12月31日、1月1〜3日に臨時開場する。(後藤 真)



◎留学生35人が道南観光の課題探るツアー

 東日本大震災の影響で減少した外国人観光客を再び道内に呼び込もうと、観光地の課題を探るツアーが23、24の両日、函館近郊で行われた。札幌の大学に通う6カ国35人の留学生が道南の魅力を体験した。

 北海道運輸局の主催。外国人観光客の受け入れ環境を整えるため、道内各観光地の魅力を知ってもらい、参加者には母国へ情報を発信するサポーターとしての役割を担ってもらう。10月から道内7コースで順次開催され、「はこだて観光圏」では「食づくり王国みなみ北海道≠フ魅力再発見ツアー」として実施。朝市でのイカ釣り体験など、さまざまなグルメを満喫した。

 23日に市内のホテルで開かれた意見交換会では、市観光振興課の小笠原聡課長が「函館は古くから世界に向けて港を開いた街。函館を楽しんで、皆さんの国に発信して」と述べ、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に紹介された実績や、婚前写真の撮影地としての魅力などの取り組みを紹介した。

 函館を訪れるのは3回目というポーランド出身の男性は「冬と夏にも来たが、季節によって変わる景色が魅力的。函館を訪れる観光客にはいろいろなチャンスがある」と話した。中国の男性は「路線バス内で、観光スポットやレストランの情報を外国語でアナウンスしてくれたら便利」などと話していた。(今井正一)


◎函館市、医学部誘致で年内にも勉強会設置

 函館市が同志社大学(京都市)に対して誘致を働きかけている医学部設置構想に関し、市は年内をめどに地元医師らを集めて内部の勉強会を立ち上げる方針だ。国が現段階で新設を認めていない上、同志社側も新設の意向を明言していないことから、市は医師の意見を聴きながら、実現の可能性や課題について理解を深める場とする考え。

 工藤寿樹市長は今年5月に、同志社大に医学部新設を打診していることを公表。学校法人同志社はプロジェクトチームを設置して情報収集を進めながら、国の動向を見極めるとしている。

 医学部新設は附属病院の設置が条件となるため、現段階では市が土地確保などで同志社大に協力しながら、市立函館病院や市内の大規模病院を「連携病院」としての活用を想定する。

 その上で、同市長は11月に行われた南北海道市町村連絡協議会の場で「発展途上国の医療に貢献する形の医学部にしたい」との構想を披露。既存医学部と同一の内容では認められないとの認識から、定数の半分程度を途上国から受け入れ、半分は地域医療を担う医師を目指す日本人を受け入れるとの考えを示している。

 これらを受けて立ち上げる勉強会は非公開とし、地元医師数人で構成する考え。市企画部は「医療面のことは事務的に検討できない。医師の意見を聴きながら議論を深め、可能性があるか感触を確かめたい」とする。

 また工藤市長は、腎臓移植の権威として知られる南カリフォルニア大(米国)の岩城裕一教授と高校時代の同級生で、現在も親交がある。「勉強会には岩城氏に限らず、知見のある医師にアドバイザーで来てもらうことも考えられる」(同部)としている。(千葉卓陽)