2012年11月29日 (木) 掲載

◎破魔矢やおみくじ 正月準備着々と…函館八幡宮

 函館市谷地頭町の函館八幡宮(中島敏幸宮司)で28日、正月用の破魔矢(はまや)やおみくじなどの縁起物づくりが始まった。函館八幡宮敬神婦人会(勝又チカ会長)の約50人が集まり、おみくじを丸めるなど、今年最後の奉仕に務めていた。

 破魔矢には、来年の干支(えと)の巳(み)が書かれた絵馬を取り付け、ビニールをかぶせた。予めテープなどを切って用意したりし、手際よく進めた。札は袋に入れ、整理しやすいように数をそろえ、箱に入れていった。

 勝又会長(76)は「この奉仕をさせていただくことが、私たちにとっての幸せと感じおり、縁起物を手にする参拝者が幸せになってほしいと願いを込め、作業している」と話していた。

 作業は29日も行い、破魔矢4000本、鏑矢(かぶらや)1000本、おみくじ2万5000本、札8000枚を準備する。おはらいを受け、初詣の参拝客の前に並べられる。(山崎純一)



◎1日クリスマスファンタジー開幕 メーンツリー会場に到着

 12月1日に開幕する「2012はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)のシンボルのメーンツリーが28日、イベントの中心会場となる函館ベイエリア赤レンガ倉庫群前に運ばれた。観光客らはさっそく海上に浮かぶ巨大なツリー前で写真撮影などを楽しんでいる。

 メーンツリーは、函館市の姉妹都市・カナダのハリファクス市から贈られた高さ約20メートルのモミの木で、今月5日に対岸の北ふ頭に陸揚げされ、枝切りや飾り付けなどを行ってきた。この日は早朝に台船に載せられ、タグボードでえい航作業を行い約3キロ離れた会場に無事到着した。

 夫婦と長女の3人で北海道旅行を楽しんでいた中国人家族は「早朝のベイエリアを散歩していたら、偶然ツリーを見ることができてよかった。今度はファンタジーの本番にも来てみたい」と話していた。

 ツリーは30日午後4時半から試験点灯を予定。開幕の1日には午後6時から点灯される。(小川俊之)



◎10月の道南雇用情勢 有効求人倍率上昇0・63倍

 函館公共職業安定所は28日、渡島、桧山管内の10月の雇用失業情勢を発表した。有効求人倍率は0・63倍で、前年同月より0・12ポイント上昇し、29カ月連続で前年を上回った。9月は0・60倍で1993年4月以来19年ぶりに0・6倍台に乗ったが、今回はそれをさらに上回った。同職安では「足元の景気が良くなっていることで、企業に人手不足感が強まっている」とみている。

 基調判断は「先行きは不透明な状況ではあるが、持ち直しの動きを続けている」と、7カ月連続で据え置いた。有効求人倍率が上昇した一方、求人の多くが資格を必要とする専門職で、就職につながっていないことが理由。

 新規求人数は、建設業や製造業など主要産業のほとんどで前年同月を上回った。全体では前年同月比38・7%増の2764人で2カ月ぶりの増加。過去20年で最高だった2005年3月の2831人に次ぐ多さだった。

 産業別では、建設業が新幹線関連工事の影響で同78・2%増の180人。観光客の増加を受け、宿泊業、飲食サービスは同53・7%増の518人。サービス業は同81・8%増の329人。そのうち半数は公共事業関連の交通誘導、警備員が占めた。医療・福祉でも大量の新規求人があり、同35・0%増の729人となった。

 有効求人数は同15・4%増の6036人。新規求職者数は同6・2%減の2267人で、12カ月連続で前年同月を下回った。

 同職安によると、11月の求人は比較的多く、求職者数は減少しているという。(松宮一郎)


◎集客効果を九州から学ぶ 北海道新幹線

 【八雲】2015年度に開業する北海道新幹線の普及啓発を図る「北海道新幹線フォーラム」が28日、八雲町本町のはぴあ八雲で開かれた。沿線自治体の職員ら約170人が有識者の講演を聞き、先行県の取り組みを学んだ。

 渡島総合振興局と道新幹線建設促進道南地方期成会が主催した。

 情報誌「観光会議きゅうしゅう」(リクルートライフスタイル事業創造部じゃらんリサーチセンター発行)の編集長、木村宏美さんが、昨年3月に鹿児島から福岡まで全線開通した九州新幹線の事例を紹介し、沿線自治体、周辺地域への開業効果について語った。

 沿線地域の開業1年前の取り組み例を示したほか、自社で行った宿泊旅行調査の結果から九州への来訪客が増加したこと、福岡—熊本間の高速バスも増便によって乗降客数が増えたなど、効果の事例を挙げた。

 一方で、対策を講じないと集客効果が表れないと伝え、「新幹線が通っても目的がないと客は降りない。降りてもらうプログラムを今から考えて」と強調。北海道新幹線の開業効果を生む方策として仙台方面への売り込みや新駅—函館間の2次交通の整備などを挙げ、「地域名を売り込み、そこで何ができるのか、どんな人に会えるのかなど分かりやすく情報発信を」とアドバイスした。

 このほか、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)北海道新幹線建設局の渡邉修計画次長が新幹線工事の進ちょく状況を報告した。(鈴木 潤)