2012年11月3日 (土) 掲載

◎大妻高校、道社会貢献賞をW受賞 池田校長と愛護部

 本年度の道社会貢献賞(道知事表彰)に函館大妻高校の池田延己校長が私学教育功績者として、同校愛護部(齋藤由真部長)が地域活動推進功労者として選ばれた。社会福祉の向上に尽力したことが評価され、ダブル受賞に関係者は喜びに沸いている。

 池田校長は同校教諭、教頭を務め、2009年から校長・函館大妻学園理事に就任。全国で2番目に設置された同校福祉科の立ち上げに携わり、介護福祉士国家試験合格率全国一の実績を果たすなど、地域の福祉分野での人材育成に力を入れていることが高く評価された。

 同部は1953年に設立。特別支援学校との交流活動、町会や福祉施設などのイベント活動の手伝いなど、地域社会づくりへの貢献が評価されての受賞となった。齋藤部長(3年)は「先輩の続けてきた活動が認められてうれしい」と喜ぶ。

 池田校長は「多くの人への感謝とともに責任も感じている」とし、ダブル受賞に「名誉ある賞を受賞することができ大変光栄に思います」と話していた。

 道社会貢献賞は地方自治の進展、社会福祉の増進などに貢献し、その功積が顕著な団体、個人を表彰するもので、道内から私学教育功績者は5、地域活動推進功労者は12の団体、個人が受賞した。(平尾美陽子)



◎小さな奉行所が登場! 館内に模型展示

 奉行所ってこんな形をしているんだ—。箱館奉行所(五稜郭町)内に復元工事の材料として製作した小型模型がこのほど展示され、子どもたちの興味を引いている。

 復元工事前に製作され、オープン後は市教委が管理する倉庫で保管。開館から2年たち、「話題作りのために」と倉庫から取り出した。

 サイズは本物の50分の1ほどで、高さ35a、横70a、奥行きは1b。木を削って作り、最上部の太鼓櫓(たいこやぐら)など細部にまでこだわった。足軽詰所に展示している。

 沼崎孝男館長は「本物と同じくらい精巧な作り。ぜひ見比べて」とPR。小学校の課外授業で来館した島倉実里さん(中の沢6年)は「太さの違う木がいっぱいある。すごく細かくてびっくりした」と興味津々だった



◎本場中国の味「翼餃子」がアークス港町店にオープン

 麺を削りながら鍋に放り込む刀削麺(とうしょうめん)とギョーザの店「翼餃子(ぎょうざ)」がこのほど、スーパーアークス港町店内(港町1)にオープンした。中国で技術を学んで開店した函館市在住の彫刻、陶芸家、大橋宏輝さんは「こねたり、削ったりする作業が陶芸と似ていて楽しい。中国の家庭の味を伝えたい」と話している。

 刀削麺は生地の塊を手に持ち、専用の包丁で沸騰した鍋に削り飛ばして作る。スープは鶏ガラをベースにあっさりした味わいが特徴で、ギョーザは化学調味料を使わないこだわりの味。

 大橋さんは函館出身、東京で育ち、武蔵野美術大学を卒業。1997年に函館に移住し、2009年から中国へ。広州で陶器工場の工場長として働く傍ら、休日を利用して調理師学校に通い、刀削麺やラーメンなどの技術を習得した。

 その後江西省の大学で日本語や美術の講師を務めたが、家庭の事情で今年7月、函館に戻った。戻る際に大学生と「お互いに日本と中国の友好を深める仕事をしよう」と約束を交わし、「日本人が持つ食の安全・安心などに対する中国への偏見をなくせたら」との思いで開店した。

 料理を提供する器も大橋さんの手作りで、刀削麺のほか、「水餃子」やゆでてから焼く「焼き餃子」も楽しめる。大橋さんは「休日に来る中国の留学生の案や購入者の意見も聞きながら日々進化させたい」と話している。

 平日午前11時〜午後8時まで(土日祝日は午前10時から)。不定休。問い合わせは大橋さTEL080-3265-6685。(平尾美陽子)


◎函館市議会「陳情」扱いどうする? 見直し議論1年以上…方向性決まらず

 行政に対する市民からの要望を議会が受け付ける「陳情」の扱いをめぐり、函館市議会での議論が1年以上続いている。現在は一部の例外を除くすべての陳情を受け付けて採決しており、議会運営委員会で昨年度から見直しに向けた議論を進めているが、一部会派は現状維持を強く主張しており、方向性の一致にはいまだ至っていない。

 陳情は議会事務局が受け付けた後、内容に応じて総務、経済建設、民生の各常任委員会と議会運営委員会に付託して審査・採決し、最終的に本会議で採決する流れ。

 しかし、「賛否を出せないような内容や、理不尽な内容が頻発し、数年前から見直し論がくすぶっていた」(市議会関係者)といい、昨年の改選後から議会運営委員会で見直しに着手した。

 今年6月には正副委員長が、@委員会に付託しない項目を追加するA各委員会の判断で審査するか否か判断するB本会議で受理したことのみ報告するC各議員に参考配布する—の4案を提示。各会派は持ち帰り、9月までに共産党を除く4会派が「各委員会の判断」とすることで一致し、共産党は回答を保留していた。

 この日の委員会では、共産党が見直し案に対し「現行以上に優れたものが見当たらない」として現状維持を主張したが、他会派は「今までの議論の先祖返りになる」「少なくとも1年以上時間をかけており、これ以上の熟慮は難しい」などと反発、意見はまとまらなかった。

 議会運営委の意思決定は「全会一致」が通例。金沢浩幸委員長は次回の会議で決定する考えを示したが、共産党の意向次第では採決に持ち込まれることも予想される。(千葉卓陽)


◎開園10周年祝う 市立はこだて幼稚園

 市立はこだて幼稚園(前原聡子園長、園児59人)は2日、開園10周年記念式典を同園で開いた。園児、職員、来賓ら80人が出席。地域に愛される園を目指し、さらなる発展を誓った。

 同園は、少子化や園舎老朽化のため、市立の函館幼稚園と函館松風幼稚園を統合して2003年春、現在地の千歳町に開園。市内全域から園児を募るとともに、地域住民、市民団体、子育て支援団体と連携しながら運営してきた。

 式典で前原園長は「開園以来、地域との関わりや遊びを通した教育を実践してきた。この10年間は関係者のお力があってこそ。今後ともご支援を」とあいさつ。山本真也市教育長、「父母と先生の会」の武内勝宏会長が祝辞を述べた。

 続いて、市中央図書館の平澤輝茂館長、千歳町会の村瀬幸雄会長、絵本読み聞かせ団体「マシュマロ」の弦木恵美子代表、函館家庭生活カウンセラークラブの伊藤繁子代表ら6人に感謝状が贈られた。「わくわくコンサート」では声楽家の石丸典子さん、ピアニストの後町久子さんが出演し、「さんぽ」など明るい曲を披露して園児を楽しませた。(長内 健)