2012年11月30日 (金) 掲載

◎道南農試、真冬の稲刈り

 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)は29日、水稲大型世代促進温室で稲刈りを行った。新品種開発のため稲を同温室で年に2回栽培。室内温度は約20度あり、職員たちが1メートル弱に育った稲をバインダーで手際よく刈り取った。

 品種開発のスピードを速める工夫の一つ。中央農試(岩見沢市)と上川農試(上川管内比布町)で交配して実った種子を、道南農試で4月に乾田直播(かんでんちょくはん)。7月に収穫、脱穀した後、この種子を8月に別の温室にまき、11月に収穫。取れた種子は中央、上川両農試にそれぞれ戻し、来春から選抜試験が始まる。

 10アールに96通りある組み合わせの稲を、総勢8人で刈り取り、束ねて干す作業をした。道南農試の宗形(むねかた)信也主査は「この中から優良品種が1品種出るか出ないかの確率。通常だと10〜11年かかるのを、この方法だと9〜10年で新品種ができる」と話していた。

 大規模な専用温室で、水稲の世代促進栽培に取り組むのは道内でも道南農試だけという。(山崎大和)



◎寺田時計店が「懐中時計」制作、文字盤に函館の名所

 函館市の老舗「寺田時計店」の寺田昭吉店主(71)が文字盤に函館の観光地の写真をはめ込んだ懐中時計を制作した。五稜郭タワーや函館山からの夜景など、四季折々の風景をはめこんだオリジナル。寺田店主は「函館の風景を楽しんでもらえれば」と話している。

 写真は寺田店主が仕事の合間をぬって撮影したもの。箱館奉行所や金森赤レンガ倉庫群の巨大クリスマスツリーなど、数パターン用意し、懐中時計はシルバータイプ。一つ一つ手作業で文字盤に写真を張り付けた。

 6年ほど前から本格的に写真を始め、天気がいい日はカメラを手に撮影スポットに足を運ぶという寺田店主。「函館を多くの人に知ってもらいたい」と、ポストカードやキーホルダーなどを作りはじめ、函館市交通局の依頼でハイカラ號の写真を使った時計を制作したことも。

 今回はここ1年ほどで撮影した作品の中から、特に自信のある写真をピックアップ。寺田店主は「天候や時刻に左右され、絶好の写真日和は少ないが、函館は絵になる風景が多くある」とし、「函館の魅力を多くの人に発信できれば」と笑顔で話す。

 懐中時計は専用ケース付きで3000円。同店で販売している。



◎グリーンプラザを市民活動拠点に、函館駅前・大門の統一デザインで最適提案者発表

 函館市は、民間公募していたJR函館駅前・大門地区の「中心市街地トータルデザイン」の最適提案者を発表した。テーマは「ハコマチ・ドック・プロジェクト」。市民活動の拠点としてグリーンプラザにフリースペースの「倉庫」を設置し新たなにぎわいを創出する内容。旧函館ドック跡地をイメージした「ゴライアスクレーン」型の門を設置するなど、独創的アイデアが盛り込まれた。

 「市中心市街地活性化基本計画」(2013〜17年度)の一環。駅前通とグリーンプラザ周辺の総合的な再整備案を市が公募。28日に開かれた有識者らによる審査委員会(委員長・遠藤新工学院大学准教授、委員6人)で選定した。

 提案者は「ワークヴィジョンズ」(東京都)と「パシフィックコンサルタンツ北海道支社」(札幌市)の2社。来年3月までに、事業者と委員を交えながら、提案内容をより具体的に磨き上げて実現につなげる。

 提案の核は「マチの倉庫」。市民団体の自発的活動を促す空間として活用してもらうほか、屋外での活動舞台「ヤタイ」の収納場所としても使用。この倉庫を拠点として、グリーンプラザの通年利用が実現可能としている。駅前通との交差点には、象徴的存在として「門型クレーン」を配置し、市民や観光客が集う場所として再生させる。

 また、電停のデザインには、白を基調とした壁面にガラスのスリットを入れるなどし、グリーンプラザ前に電停とバス停を集約して回遊性を高める提案も盛り込んだ。

 市経済部の入江洋之中心市街地等再生担当参事は「グリーンプラザを通年利用が可能な場所として活用する案が評価された。議論が必要な点はあるが、この提案を出発点として、実現性や予算面などを含めて磨きをかけていきたい」としている。(今井正一)


◎クリファン号運行へ

 函館バス(高盛町)は、12月1日に開幕する「2012はこだてクリスマスファンタジー」に合わせ、今年も会場までのシャトルバス「クリスマスファンタジー号」を運行する。市内5地点から会場の明治館へ行くことができ、帰りは会場から函館駅前間を15分間隔で結ぶ。

 運行するのは1日〜25日の金、土曜とイベントのメーンとなる23〜25日。行きは4系統(昭和ターミナル発)と6—2系統(上陣川発)、5系統(日吉営業所前発)、1系統(昭和営業所前)、湯の川温泉線の5路線。

 帰り便は午後6時半から同7時15分まで15分間隔で運行。利用客からの要望を受けて今年初めて実施する。運賃は行きが大人200円、帰りは100円。子供は半額。また、帰り便の乗客全員に同社のツアーの割引券をプレゼントする。

 ファンタジー号は函館浪漫號とレトロ調バスを利用。車内は華やかな飾り付けでクリスマスムードを高める。同社では「バスを使って会場に行き、イベントを満喫してほしい」と話している。改行 (松宮一郎)