2012年11月4日 (日) 掲載

◎函館市民オペラ 120人が感動の喜劇熱演

 函館市民オペラの会の第20回記念公演「ファルスタッフ」(同会など主催、函館新聞社など後援)が3日、市民会館大ホールで開かれた。出演者約120人が人間味あふれる感動の喜劇を披露、来場者約800人は約3時間の熱演に「ブラボー」などと盛大な拍手を送った。

 「ファルスタッフ」は、イタリアの作曲家ベルディが最後に書いた全3幕のオペラ。好色で酒飲みの老騎士が金持ちの夫人2人に恋文を送るが、あきれた夫人や従者から懲らしめられるあらすじ。キャスト10人は3月から稽古を開始。札幌交響楽団ビオラ奏者の遠藤幸男さんを客演指揮者に招いた。

 ファルスタッフ役の井上治さんは、従者を前に夫人への愛情を言葉巧みに表現、その真剣さが目を引いていた。夫人役の次藤正代さん、堀川智美さんら女性キャスト4人が一計を案じるシーンは、美声を駆使して難しい重唱を見事に披露した。

 約50人のオーケストラもキャストの喜怒哀楽を力強く、時に繊細な音で表現。終盤にかけ盛り上がりも増し、「世の中全て冗談さ」の一言で締めくくられるラストシーンも、壮大なハーモニーを奏でていた。

 来場した函館の70代女性は「歌もオーケストラも素晴らしかった。また見たい」と興奮した様子で話していた。

 同会は1991年からキャスト、オーケストラ、舞台装置制作など、全てアマチュアが担い人気オペラを上演。今年は2年ぶりの本公演だった。(長内 健)



◎大物サケ ゲット! 北斗でイベント

 【北斗】「第31回北斗市茂辺地さけまつり」(同実行委主催)が3日、茂辺地川下流特設会場で開かれた。恒例のサケのつかみ取りや同市のご当地アイドル「北斗夢学院・桜組」のライズステージなどに大勢の市民が詰め掛けた。

 時折雨がちらつくあいにくの天候だったが、メーンのサケのつかみ取りには多くの家族連れらが参加した。勢いよく泳ぎ回るたくさんのサケが特設プールに放たれ、子どもも大人も水しぶきを気にせず入り込み、魚体をしならせて暴れるサケを手でつかまえると歓声を上げて大喜びしていた。

 特設ステージでは北斗夢学院・桜組がオリジナル曲「北斗へGO!」などを熱唱し会場を盛り上げた。このほか、来場者には1000食分のサケ鍋が無料で振る舞われ、寒さをしのいだり、特産品を買い求める客でにぎわっていた。

 娘家族と一緒に来たという函館市内の主婦(62)は「5歳の孫が取ったサケを使って今夜は料理を作りたい」と張り切っていた。(小杉貴洋)



◎函館市 今夏節電12・5% 大幅に目標上回る

 函館市は今夏の電力不足に備え、市独自で取り組んだ「市節電行動計画」(7月2日〜9月28日)の実績をまとめた。対象252施設の使用電力量は2010年同期比12・5%減で、目標の7・9%減を大幅に上回った。市環境部は「残暑が厳しかった中、高い意識で取り組んだ結果」としている。

 月別では7月が13・14%減、8月は13・16%減。9月は記録的な残暑で冷房使用が増え、11・17%減とやや下がった。

 252施設のうち、使用量の最も多い日乃出清掃工場は9・41%の削減に成功。市役所本庁舎は14・27%減、函館競輪場は空調調整が奏功して16・7%減となった。日中の一部で運転を取りやめたし尿処理場は32・26%の削減につながった。

 しかし、42施設は使用電力量が10年同期よりも増えた。戸井、恵山地区のウニ種苗センターは生産量の増加が影響したほか、数校の学校でも夜間開放の回数が多くなったことなどから使用量が増した。

 政府の節電対象外となった28施設では、期間全体で同比3・6%減となり、目標値の2・8%減を超えた。全施設で最も電力量の多い市立函館病院は1・4%減、7月23日〜9月7日に実施した市電の間引き運転では7%以上の削減効果が生まれた。

 期間内での節電実績は、料金ベースに表すと概算で1000万円以上の節約となり、同部は「財政面でも効果があった」と話している。

 2日には政府が、今冬の道内について同比7%以上とする節電要請を決定。12月10日からを期間とするため、今月中にも対応策を決める方針だ。同課は「暖房を止めることは難しいため、照明の間引きや事務機器の電源管理の徹底などが主となる」としている。(後藤 真)


◎1400人が建設阻止訴え 函館で大間原発反対全道集会

 大間原発(青森県大間町)の建設阻止を訴える「やめるべ、大間原発11・3北海道集会」(道南地域平和運動フォーラムなど主催)が3日、函館市千代台運動公園で開かれた。渡島、桧山管内の労組中心に1400人(主催者発表)が参加し、直ちに建設中止を求める集会アピールを採択した。

 同原発に特化した函館での全道集会は昨年10月に続いて2回目。この日の函館の最高気温が8・5度と肌寒い天候の中、参加者はプラカードやのぼりを掲げ、事業者の電源開発(東京)の暴挙を非難した。

 「泊原発の廃炉をめざす会」の小野有五共同代表(北大名誉教授)が「世界が3・11をきっかけに変わったのに、日本だけは変わっていない。函館から日本の歴史を変えよう」とあいさつ。道平和運動フォーラムの中村誠吾代表や道南フォーラムの相澤弘司代表が建設阻止に向けた連帯行動を呼び掛けた。来賓の逢坂誠二衆院議員(道8区)も「粘り強く取り組みを進めるべきだ」と脱原発社会の実現を訴えた。

 集会後、同公園から「大間原発ノー」「ふるさとを守れ!」などとシュプレヒコールを上げながら、市街地約2キロをデモ行進。市内東山の無職西堀滋樹さん(62)は「人間がコントロールできないものを次世代に残してはいけない。小さな声でも訴え続けることが大事」と話していた。(山崎大和)