2012年11月6日 (火) 掲載

◎「自然、人柄に感動」愛知の女子隊が報告会

 【厚沢部】町の事業で、インターネットなどで厚沢部の情報を発信する「魅力発掘女子隊!『あっさ部』」の報告会が5日、役場で行われた。雄大な自然や町民らとの触れ合いで感じた思いを全国へ積極的にPRしていくことを誓った。

 メンバーは愛知県の学生や写真家ら5人で、10月31日に来町し、1週間の滞在で魅力探しに奔走。主婦から郷土料理を学び、農作業の手伝い、森林散策、青年との情報交換など、都会在住者の視点で厚沢部の“財産”に触れた。

 写真を振り返りながら、「水道水がおいしい。丁寧に接してくれる町民の人柄に感動した」。農協と商工会青年部との情報交換会では「仕事への真摯(しんし)な姿勢に心打たれた。町民文化祭で、野菜を展示していることに生産農家の自信と誇りを感じた」などとした。

 町の雰囲気では「町長と町民がこんなに身近に付き合える様子がうらやましい」という声もあった。

 滞在中の様子は、インターネットの交流サイト「フェイスブック」で随時伝えられ、今後も更新する。12月には特製パンフレットをつくり、名古屋や町内で配るという。

 関係者によると、「あっさ部」フェイスブックページの閲覧は5日午後5時現在2267人、評価する「いいね」ボタンは116人で関連情報の提供は最大1万人になるという。

 「あっさ部」のフェイスブックページはhttp://www.facebook.com/assabusuteki(田中陽介)



◎ダイコンも冬支度

 土の栄養分を吸収し、甘みをつける越冬ダイコンの準備が、函館市内の畑で本格化している。寒さが増す中、農家は収穫したばかりのダイコンにビニール、土を手際よくかぶせている。

 この作業は、降雪による品質の劣化防止にと初雪前の晩秋に行われる。雪の下に保存することで収穫時よりみずみずしい味わいになる。

 鶴野町に2・7fの畑を持つ農家、西浦克彦さん(49)方では、アルバイト10人を雇い4日に開始。手作業で抜き取った数千本のダイコンを3本ずつ重ね、ビニールで覆い、トラクターで土をかぶせた。

 「今年のダイコンは出来がいい。雪が降る前にしっかり作業したい」と西浦さん。12月上旬から始まる掘り出し作業は来年2月にピークを迎え、札幌方面に出荷される。(長内 健)



◎大間原発差し止め、訴訟準備経費を予算化へ

 函館市の工藤寿樹市長は5日、工事を再開した大間原発(青森県大間町)の工事差し止めを求める訴訟の準備経費を、12月3日開会予定の第4回市議会定例会で本年度補正予算として計上する意向を市議会各会派に伝え、理解を求めた。出席者によると準備費は現時点で2500万円程度と見込まれており、市は10人程度で弁護団を組織する考えを示したとしている。

 工藤市長はこの日午前、正副議長と5会派の代表者を集めた会議を非公開で開催。10月の建設再開を受けて事業者の電源開発(東京)に行った質問とその回答内容などを報告するとともに、補正予算案に準備費を盛り込む考えを示し、16日までの回答を求めた。各会派から同意が得られれば、市議会の議決を経て訴訟手続きに入る構え。

 会議終了後、工藤市長は報道陣の取材に対し「国会を注視しているが、最悪の場合は訴訟に向かわざるを得ない」とした上で、「準備経費を組むとすれば予算化が必要で、提起するには議決が必要。私の一存ではできないので、議会と共同歩調を合わせていかないといけない」と語った。

 これに対し、能登谷公市議会議長は同市長から相談があったことを認め「各会派にわたって相談していかなくては。はっきりした返事はしていない」と述べるにとどめた。  同市長は9月下旬、大間原発差し止め訴訟の河合弘之弁護士(東京)ら原告側弁護団と初会談し、訴訟に持ち込むための方策について協議している。

 出席者によると、工藤市長は提訴する場合、河合弁護士を通じて10人程度の弁護団を組織して東京地裁に訴えを起こす考えを示したといい、準備経費は弁護団への報酬や交通費などに充てられる見通しだ。(千葉卓陽)


◎医学誘致構想で市長「途上国の医療に貢献」

 函館市が同志社大学(京都)に打診している医学部誘致構想について、函館市の工藤寿樹市長は5日、「国際医学部的なものを検討している。発展途上国の医療に貢献する形の医学部にしたい」と述べ、具体的なビジョンを明らかにした。

 同日開かれた南北海道市町村連絡協議会の席上で表明した。医学部の性格に関し、同市長が具体的に言及したのは初めて。

 同市長は、国が現段階で医学部の新設を認めていない状況から、既存の医学部と同じ内容では認められないとの認識を示したうえで、「定数の半分くらいは発展途上国から受け入れ、半分は地域医療を担う医師を目指す日本人を受け入れたい」と、現段階での構想を披露。

 さらに、「日本の医療システムや医療器械、医薬品の拡大にも役立つ。突破口ができれば外務省を巻き込んで、海外教育にかかわる予算をつぎ込めれば」と述べた。同志社大側への説明はこれからとしたが、「創設者の新島襄は米国に渡って勉強し、帰国後同志社を開いている。同志社の精神にも合致するのでは」と自信を見せた。

 併せて附属病院の設置は困難とし、市立函館など市内の病院を連携病院とする構想を示し、「近く勉強会が立ち上がるので検討しながら進めたい」と述べた。

 市は今年5月に、同志社大に医学部新設を打診していることを公表。学校法人同志社(京都市)はプロジェクトチームを設置して情報収集を進めながら、国の動向を見極める考えを示している。(千葉卓陽)

 


◎肉牛の販売戦略探る、森で道研究会大会

 【森】道内の肉牛生産者らが集う「第17回北海道肉牛研究会大会」が5日、森町赤井川のグリーンピア大沼で開かれた。講演や討論を通じ、道産牛肉の今後の販売戦略などを探った。

 渡島管内での開催は2007年以来5年ぶり。約110人が参加した。新名正勝会長があいさつで、枝肉相場の低迷や飼料価格の高騰、輸入牛肉の規制緩和を指摘し「知恵と工夫を絞って生き残ることが必要。良い情報を得て、大切な人とのつながりをつくってほしい」と呼び掛けた。

 グループ全体で1万1200頭を飼育する小澤牧場(七飯町)の小澤嘉徳社長が「はこだて大沼牛」のブランド化について報告。3つの商標の取得や、計410fに上る粗飼料生産、定時・定量・安定した質、消費者との顔の見える交流を重視していることを強調した。「生産者と消費者の絆を大切に育ててきたからこそ、今の規模になった」と話した。

 渡島農業改良普及センター(北斗市)の長尾安浩主査が、木古内町内の4戸が肥育する「はこだて和牛」について説明。あか毛和種の特徴として黒毛和種に比べ「低コストで省力的」とし、「サシ(脂肪交雑)は少なめだが、柔らかい。量がたくさん食べられるおいしい肉」と紹介した。

 大会では、肉牛振興に貢献した道南ファーム(鹿部町)の黒田明社長に本年度研究会表彰が贈られた。

 6日は、北里大八雲牧場などの肉牛生産を視察する。(山崎大和)