2012年12月14日 (金) 掲載

◎8010号納入、市電が新型で復活

 空飛ぶ電車導入!?|。函館市企業局交通部がアルナ車両(大阪府摂津市)に発注していた「8010号車」の車体が13日、駒場車庫に到着した。大型トレーラーから慎重に積み下ろす作業が行われ、真っ白な車体が冬空に浮かんだ。調整を経て、来年1月からの営業運行を予定している。

 老朽化した「811号車」(1965年製)の台車を転用する車体更新車。「8000形」車両は10台目で、4月に運行を開始した「8009号車」に続いての導入となった。経費は約8500万円と新車の半額以下に抑えた。

 当初、10日に市電ファンを集めた納入イベントを企画したが悪天候の影響で中止となっていた。広告入りのカラー電車として利用する予定で、広告主を募集している。

 今回の車体更新で昭和40年代以降、主力車両として活躍した「800形」車両は「812号車」を残すのみとなった。事業課の石村義明課長は「個人的には800形の車両が少なくなることに寂しさはあるが、新しい車両を多くの市民や観光客に利用してもらいたい」と話している。(今井正一)



◎石積み防波堤の修復工事本格化

 建設から100年以上が経過し、産業遺産、歴史文化財しての価値の高い函館漁港(入舟町)石積み防波堤の復元工事が本格化している。老朽化で防波堤先端部が崩落する危険が出てきたため函館開建が昨年度から修復工事に着手。劣化の激しい石を取り換え、新たな石を積み直す作業をしている。年度内の完成を目指す。

 同防波堤は、北海道で最初の近代港湾施設として1899(明治32)年に完成。2004年に土木学会の「選奨土木遺産」、06年には水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財100選」などに選定されている。学術的な貴重な財産とともに現役の港湾施設として機能している。

 修復工事は近代土木遺産として技術や意匠の価値低下を招かないよう、さらに漁港としての安全性も配慮。北側防波堤(105b)、南側防波堤(11b)の石垣約1700個をいったん取り外し、再生可能な石を選別した後、劣化の激しい500個を新しい石に取り換えることにした。10月から積み直す作業をしている。

 新旧の石が見た目で分からないよう新しい石も既存の石と同じような風合いを出すよう工夫をしている。

 函館港湾事務所は「整備によって旧港内の静穏度を確保する防波堤としての機能を十分果たす。さらに灯台などの復元で漁港のシンボル的な存在、ランドマークとして機能することも期待したい」としている。(鈴木 潤)



◎市民ツリーに願い事を、今年も設置

 はこだてクリスマスファンタジー会場の近く、函館市豊川町のレストラン「みなとの森」横に、今年も「市民ツリー」が設置されている。用意されたカードに願い事やメッセージを書いて、高さ約2bのスギに付けることができ、観光客などから好評だ。

 このツリ—は「函館の森林の再生と活用を考える会」(木村マサ子代表)が、道南で手入れが行き届いていない森林の利用を考え、2003年から行っている。関係機関の許可を得て、マツやスギの古損木(こそんぼく)を使っている。

 今年は子供にも多くメッセージを書いてもらおうと、低い位置にネットを張っている。木村さんは「今週に入りカードの利用者が増えている。特にアジアからの旅行者が喜んでいるようだ」と話している。

 設置は25日まで。木村さんは「クリスマスにさまざまな思いをツリ—に残して」と呼び掛けている。(山崎純一)


◎スケート場、準備急ピッチ

 函館スケート場(15日午前10時)のオープンに向けて、函館市文化・スポーツ振興財団職員や作業員らが急ピッチで準備を進めている。

 11月からリンク造りがスタート。順調に進んでいたが、6、7日の暴風雪の影響で作業が大幅に遅れた。職員ら総出で、サブリンクの組み立てや氷を作るとための水まきなどを大忙しだ。

 氷はひび割れないように強度にするため、約60度の温水をまいて表面を融かし、なじませながら平らに結氷させている。13日現在で1周250bのスピードリンクの氷の厚さは約4a。オープンまでに厚さを6・5〜7aにしなければならなず、本来は夜に行う水まきを日中も数回に分けて実施しながら、夜通しでの作業が続いている。

 リンク造りの委託業者・OSKの木下明さん(59)は「暴風や降雪で大きく予定が狂ったが、15日には間に合わせたい。急ぎながらも質の良い氷にしたい」と話していた。

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 ▽開設期間=12月15日〜2月17日▽休場日=12月31日、1月1日▽営業時間=土、日、祝日と小中学校の冬休み期間(12月22日〜1月15日)は午前10時から午後7時まで。以外の平日は正午から午後7時まで▽料金(1回券)=一般600円、高校生300円、中学生200円、小学生150円。午後4時以降の入場者は半額▽貸靴料=300円▽スタンプカード=1回の有料入場につきスタンプ1個がもらえ、5個で1回無料。なお、平日の正午から午後4時まではスタンプは2個▽教室=初心者フィギュア、ジュニアフィギュア、実技講習会、伊藤みどりin函館フィギュアスケート教室など▽イベント=1月2日に「初すべり」、同27日に「イベントデー」を開催▽無料シャトルバス=今季の運行はない。

 バスの詳細は同スケート場のホームページで。http://www.zaidan−hakodate.com/okugai/skate/  (山崎純一、小林省悟)