2012年12月16日 (日) 掲載

◎政権かけ最後の訴え 衆院選きょう投開票

 第46回衆院選は16日、投開票される。民主党政権の継続か、自民・公明党の政権奪回か、第三極が伸長を果たせるかが大きな焦点となる。道8区(渡島・桧山)では大間原発の建設再開問題やTPP(環太平洋連携協定)への対応、地域経済対策などを争点に民主党前職の逢坂誠二氏(53)、日本未来の党新人の北出美翔氏(26)、自民党新人の前田一男氏(46)、共産党新人の高橋佳大氏(53)=届け出順=が声をからして支持を訴え、12日間の戦いを終えた。

 政権交代からの3年余りの成果が問われる選挙。8区では、候補を一本化した自民党が小選挙区初の議席獲得を果たせるかが焦点となる。候補者4人は大間原発建設中止やTPP交渉参加反対などで主張が一致し、違いが見えづらい選挙戦となった。

 逢坂氏は地方交付税の増額や農業・漁業対策など3年間の実績を訴えた。「人と地域を大切にする政治を続けるか、以前の古い政治に戻すのか」と強調。党幹部が頻繁に函館入りした。

 北出氏は小沢一郎代議士の私設秘書から地元に戻り出馬。「守る道南、守る約束」を掲げ、卒原発や反消費増税、反TPPを訴え、新党大地の推薦を得て無党派層への浸透を目指した。

 前田氏は2003年に続く出馬。地元出身を強調し、「道南の衰退は政治不在が原因」と民主党を批判。自民の小選挙区初勝利を目指し、公明党の推薦も得て保守の大同団結を訴えた。

 高橋氏は1996年以来の挑戦で、即時原発ゼロやTPP参加反対などを強調。党と候補者の政策がぶれない点をアピールし、二大政党と第三極に対する批判票獲得を図った。

 投票は道南393カ所で行い、午前7時から午後8時まで(一部投票所は終了時間を繰り上げ)。即日開票され、早い町では午後9時に小選挙区の票が確定する。函館市は午後9時半から市民体育館で開票し、小選挙区は17日午前0時、比例区は同1時半の確定を見込んでいる。(衆院選取材班)



◎冬のスポーツお待たせ! スキー、スケート場オープン

 【函館、七飯】道南にウインタースポーツシーズン到来─。屋外スケート場の函館市民スケート場(金堀町10、函館競輪場内)と、函館七飯スノーパーク(七飯町東大沼666)が15日、オープンした。リンクやゲレンデには、この日を待ちわびた家族連れやグループが訪れ、歓声が響いた。

 函館市民スケート場では、地元のスケートクラブの子どもたちが開場を祝う幕を持ち、初滑りをリードした。外周250bのスピードリンクでは、銀盤の感触を確かめるように滑る姿が多く、サブリンクでは、友人に引っ張られ、ゆっくりと進む様子が見られた。

 長女の琴音ちゃん(5)と一緒に来場した函館市桔梗町の沢田美織さん(27)は「去年も2回一緒に来たが、娘もとても喜んでいる。安全に気をつけて楽しみたい」と話していた。

 同スケート場は来年2月17日まで(12月31日、1月1日は休場)。詳細はホームページ(HP)http://www.zaidan-hakodate.com/okugai/skate/

 道南のスキー場で一番早いオープンを迎えた函館七飯スノーパークでは、人工降雪機を使い積雪約30センチとなった約1キロの小沼コースのみが開放され、スキーやスノーボードの愛好者が思い思いのシュプールを描いていた。

 今年からスノーボードを始めたという、函館市日吉町の会社員今井明菜さん(19)は「思ったより難しい。ゲレンデが空いているうちに基礎を覚えて転ばないようにして、人が多くなった時に格好良く滑りたい」、同市本通の会社員斉藤明久さん(36)は「初日に滑るのは気持ち良い。早く全面滑走ができるように、雪が降ってほしい」と願っていた。

 ナイタ—の営業開始は、今月22日を予定。詳細はHP(http://hakodate-nanae.jp/)で確認できる。(山崎純一)



◎夜景サミットで宣言 函館が一番「伝えて」

 函館の夜景の魅力を分かち合い、全国に発信するイベント「日本一美しい函館100万ドルの夜景愛好会サミット」が15日夜、函館山山頂のクレモナホールで開かれた。市民有志でつくる「同愛好会」(王未来代表)の主催で、会員ら約150人が楽しい一夜を過ごした。

 開会式で王代表は、函館の発展の願いを込めて始めたサミットの目的や経過について説明。「函館の夜景は素晴らしい。ぜひみんなで、ブログ(日記風サイト)に書き込みしたり、ツイッター(短文投稿サイト)でつぶやいて発信して」と呼び掛け、函館夜景を日本一にする宣言文を読み上げた。

 ステージは背景に夜景が広がる演出で、最初に登場した函館白百合学園高校吹奏楽団は、フルート、クラリネットのアンサンブルや合唱を披露。クリスマスの曲を中心としたプログラムで楽しませた。

 マジックショーでは寺井慎一郎さん(函館自動車工業社長)が1000円札を空中に浮かせたり、5人が引いたトランプのカードをすべて当てるなどして客席から歓声が上がっていた。参加者は音楽ステージと夜景の共演を満喫した。(鈴木 潤)


◎恵山で500戸が停電 5時間後復旧

 15日午後2時10分ごろ、函館市恵山町などの最大543戸で停電が発生した。修理作業が長引き、恵山町と柏野町の336戸は約5時間後の同7時26分に復旧した。厳冬期の長時間停電だけに、市恵山支所は避難所開設を準備するなど対応に追われた。

 北海道電力函館支店によると、故障箇所は恵山町内の電柱にある開閉器(スイッチ)。電流の流れを制御する機器で、この故障により周辺への電力供給がストップした。故障の原因は不明。作業員が電柱に登って故障した開閉器を交換し、停電地域への通電を再開させた。同支店では「原因を突き止めることと、修理する場所が車両の入れない場所だったため時間を要した」と説明している。

 ○…恵山支所は停電から約1時間後、主査以上の職員を庁舎に集めて対応。恵山町内会に独居老人の安否確認を要請したほか、可搬式発電機の出動準備や市恵山コミュニティセンターでの避難所設置の準備も進めた。同支所は「もっと寒い時期だと大変だった。連絡体制も含めて、改めて万が一の際の対応を検討していきたい」と話している。

 ○…恵山町391のラーメン店「菜の花」では、午後4時から10人の予約が入っていたため、乾電池式のLEDライトとろうそくの明かりで営業した。寒さをしのぐために、業務用のガスコンロ2口を暖房の代わりにした。同店の長田孝子さんは「普通なら営業はしないが、常連のお客さんの予約だったので開いた。ポータブルの電灯を用意しなければならないと感じた」と話す。