2012年12月19日 (水) 掲載

◎「タマフクラ」カレーやスイーツ堪能…試食会

 道南が栽培適地の超大粒大豆「タマフクラ」を使った新商品・メニューの試食会(ノース技研主催)が18日、道立工業技術センターで開かれた。絶品カレーやスイーツが登場、北海道新幹線開業を見据え商品化の可能性を探った。

 生産者や渡島総合振興局、JA新はこだてなどから約30人が参加。カレーは函館市内9店舗が出品。かつお節とコンブのだしにタマフクラのほか、ダイコン、ニンジン、レンコン、ゴボウなどの野菜のみを使ってヘルシーに仕上げた「寿々半(すずはん)」(本町)のカレーなどに舌鼓を打った。新商品は、パウンドケーキや大福など4社6品を味わった。

 八雲町東野の生産者、倉知善一さん(50)は「食感はあるが、豆にカレーの味がもっと染み込めばおいしくなる。地元飲食店でタマフクラを使ってもらうのはうれしい」と話していた。

 商品改良を重ね、来年2月に札幌で開かれる「食クラ・フェスタ」(食クラスター連携協議体主催)への出展を目指す。道の本年度「食クラスター多角的連携促進事業」で、同振興局がノース技研(布村重樹社長)に委託。生産、製造、販売が連携して新たな商品開発を進め、豆の販路拡大やブランド化を図る考え。(山崎大和)



◎初春の夢 ぎっしり…棒二で福袋詰め込み作業

 棒二森屋(函館市若松町、岩岡正剛店長)は18日、同店内で、来年1月2日の初売りに引き渡す福袋に商品を詰め込む作業を始めた。3万1500円を20個、1万500円を80個用意し、どちらも3倍相当の商品が入り、新春の縁起物として人気がある。

中身は、今冬家庭や事業所で実施中の節電を意識しウオームビズ関連商品が中心。百貨店ならではの有名ブランド製の膝かけやあったかシーツなどがそろう。お楽しみ抽選券が付き、引き渡し時に商品券や爬虫(はちゅう)類ハンドバッグなども当たる。

この日は、女性従業員6人が法被を着て商品を丁寧に袋詰め。高橋健二部門長は「例年この時期から注文が殺到するので、予約は早めに」と話している。予約は代金を添え1日から受け付けており、どちらも半分が既に予約済み。引き渡しは午前9時〜午後3時。予約、問い合わせは同店рO138・26・1211へ。(山崎大和)



◎大間訴訟準備費を可決…函館市議会

 函館市議会第4回定例会は18日の本会議で、大間原発(青森県大間町)の建設差し止めに向けた訴訟準備経費約2300万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案など、議案35件を原案通り可決し、閉会した。

 一般会計は5億3822万円を追加し、総額を1273億5469万円とする。大間訴訟準備経費のほか、生活保護費の増額分2億7018万円、住宅用太陽光発電システム設置補助費の増額分840万円などを計上している。

 採決では退席した市民クラブの1人を除き、全会一致で可決した。市は今後、原発差し止め訴訟の提起に向けた本格的な準備を進め、弁護団10人と来年2月末に訴状を作成する見通し。

 工藤寿樹市長は、自民党の大間原発に対する考え方が判然としていないことから、閉会あいさつで「新政権に対し、改めて建設の無期限凍結を要請したい」と述べ、議会側にも協力を呼びかけた。

 本会議ではこのほか、「次代を担う若者世代の支援策を求める」など、意見書5件を可決した。(千葉卓陽)


◎秋サケ3年連続不漁

 渡島管内の今年の秋サケ漁がほぼ終了し、漁獲量は記録的不漁の昨年を下回って前年同期比5・8%減の78万匹(10日現在、速報値)と不調だ。漁獲金額は同21・1%減の11億2924万円。量、金額ともに過去5年(2007〜11年)で見ても最低。3年連続の不漁となる見通しだ。

 渡島海区漁業調整委員会によると、噴火湾(長万部—森町砂原)が同21・5%減の29万匹、道南(鹿部—松前・白神岬)が同7・0%増の49万匹など。過去5カ年平均(160万匹、20億円)を大きく下回る。

 同委員会は「河川での順調な親魚確保に安堵(あんど)しているが、漁獲量が伸びず大変厳しい結果」と受け止める。

 管内の秋サケ漁は9月5日に解禁。まだサケの来遊が見込めるため、上磯郡漁協など11漁協(154カ統)は今月20日までの操業期間を、5日間延長する措置が認められた。

 桧山海区漁業調整委員会によると、9月3日〜10月31日の速報値は過去10年で最低となる3万9818匹、5470万8000円。管内で水揚げされる全魚種に占めるサケの割合は金額ベースで10%弱(昨年)と少ないが、この時期の漁獲をサケに依存している漁業者もおり、「打撃は少なくない」と同委員会。「秋は平均すれば平年より2〜3度海水温が高い状態が続き、サケが沿岸に寄らず漁獲が落ち込んだ」とみている。(山崎大和)