2012年12月2日 (日) 掲載

◎クリスマスファンタジー開幕 冬の函館 幻想的に

 函館の冬を代表するイベント「2012はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)が1日、函館市西部地区の赤レンガ倉庫群を主会場に開幕した。オープニングセレモニーでは巨大ツリーをバックに100発の花火が盛大に打ち上げられ、来場者を魅了した。25日まで。

 今年で15回目を迎える同イベントは、函館市制施行90周年を記念し例年以上の多彩なイベントを用意。この日は午後5時半からセレモニーがスタート「JALベルスター2012」によるハンドベル演奏や「Che☆llow」によるゴスペルの後、工藤寿樹市長らが点灯式に臨み、参加者全員によるカウントダウンに合わせて午後6時にメーンツリーの電飾が点灯。同時に緑の島から花火が打ち上がり、目の前に広がる光と音のファンタジーに会場は歓声とため息に包まれた。

 続いてシンガーソングライターの「Rihwa(リファ)」さんのライブステージが行われ、パワフルで力強い歌声が広がった。

 毎年両親とオープニングセレモニーを見に来ている森町の井本響大君(7)は、「ツリーがとってもきれいでかっこよかった。家でも今日、ツリーを出したので、負けないように飾りつけたい」と笑顔を見せていた。

 期間中のツリーの点灯は午後4時半〜同5時45分、同6時〜午前零時(金・土曜は翌日午前2時まで)。毎日午後6時からカウントダウンによる点灯式が行われる。(小川俊之)



◎湯〜ったり いい気分 熱帯植物園のサル山プールに温泉

 函館市湯川町3の市熱帯植物園(坂井正治園長)で1日、サル山のプールに温泉がひかれ、ニホンザル98匹が湯に漬かった。厳しい寒さの中、目をつむったり毛繕いしたりする様子に入園者は歓声を上げた。

 毎年12月に開始。同園によると、サルは湯加減にうるさく、温度は「41度にしないと入らない」(坂井園長)という。

 初日からサルたちは身を寄せ合って入浴。ゆっくり入ったかと思えば大胆に飛び込むサルも。東京在住の山田和明さん(30)は「気持ちよさそう。自分も入りたい」と話していた。サルの温泉入浴は来年5月の大型連休まで。

 函館海洋気象台によると、この日の函館は午後5時現在で最低気温が氷点下4・8度と今季最低を観測。最高気温も同0・1度と平年より6度ほど低く、真冬日となった。2日も寒い一日になる見通し。(長内 健)



◎4陣営 政策熱く訴え

 4日の衆院選公示(16日投開票)前の最後の週末を迎えた1日、道8区(渡島・桧山管内)に出馬する4陣営は精力的に街頭宣伝を行ったり、集会を開くなどさまざまな方法で支持拡大に駆け回った。1983年以来29年ぶりとなる師走の一大決戦に向け、各候補予定者とも寒さをこらえながら力強く声を張り上げ、政策を熱く訴えた。(衆院選取材班)

 ●逢坂氏 民主党前職の逢坂誠二氏(53)は午前に野田佳彦首相と街頭演説し「この3年間、人の命、地域を大切にする政治を進めた」と医療や教育、経済分野での実績を強調し支持を訴えた。

 斉藤博選対本部長は多くの聴衆に手応えを感じたとし、「8区の議席は死守する。首相の応援をばねにして反転攻勢を掛ける」と述べた。2日は市内ホテルで総決起集会を開催し、本番に向けて足場を固める。

 ●前田氏 自民党新人の前田一男氏(46)は函館市内の企業、団体を回り、午後から七飯、森町方面に。そのまま八雲町で総決起集会を開いた。29日から30日にかけては奥尻町で支持を訴えたほか、30日夜には木古内町で後援会の会合に出席した。2日午後からは知内町で渡島西部4町地域の決起集会を開く予定だ。陣営幹部は「地方から決戦場の函館市内に向けて、支援の輪を広げていく」と意気込む。

 ●高橋氏 共産党新人の高橋佳大氏(53)は大門地区や富岡町など、函館市内で街頭演説や懇談会を行い、「即時原発ゼロ」を柱に反TPP(環太平洋連携協定)、反消費増税を訴えた。選対幹部は有権者の反応に感触を得ており、「順調に進んでいる。ここからが本番だ」と意気込み、さらなる浸透を図る構えだ。公示日の4日は、道比例区から出馬する畠山和也氏とともに第一声を行うことも決まった。

 ●北出氏 日本未来の党新人の北出美翔氏(26)は函館市内のほか七飯町や南茅部地区で街頭演説を展開。大間原発建設をはじめ、TPP交渉参加や消費税増税への反対姿勢を訴えながら、リーフレットを配って支援を呼びかけた。北出氏を推薦する新党大地函館支部は「唯一の女性候補者だけに、反応はいい」と手応え。選対のボランティアも増えており「少しずつ態勢が整ってきた」と話す。


◎「改革前進か後退か」 野田首相遊説 大間原発言及せず

 野田佳彦首相は1日、遊説のため函館入りした。首相は街頭演説で「元気な日本、地域の元気を取り戻さなくてはならない。改革を前に進めるか、後退するかが問われるのが今回の選挙だ」と政権継続を訴えたが、大間原発やTPP(環太平洋連携協定)への言及はなかった。

 同日午前9時すぎから函館朝市を視察した後、同所で演説し、本町交差点でも逢坂誠二氏とともにマイクを握った。

 野田首相は、社会保障改革や政治改革などを訴え、エネルギー政策を大きな争点とし、「2030年代原発稼働ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入する。自民党の考えは原発依存政策を続ける『続原発』、即時原発ゼロを言う政党も無責任だ」と、他党との違いを鮮明にした。

 また、自民党の経済対策を批判し、「ばらまきではなく、成長分野に種をまくべきだ」と訴えた。

 野田首相は約3時間で函館を離れ、札幌に向かった。市内中道の男性(68)は「テレビで聞いた話と同じ。函館まで来たのだから大間原発をどうするのか聞きたかったが、がっかりした」と話していた。(衆院選取材班)


◎親子でXマスケーキ作りに挑戦

 食育への関心を高めてもらおうと、函館短期大学付設調理製菓専門学校(下野茂校長)は1日、「リトルシェフ養成講座」を開いた。函館市内の児童と保護者12組が参加し、同校の学生らの指導を受けながらクリスマスケーキ作りに挑戦した。

 親子で協力して料理をしながら、食に関する知識や正しい食習慣を身に付けてもらおうと、毎年開いている。同校の製菓技術研究室長の小川一彦さんが講師を務めたほか、製菓衛生師科の学生も協力した。

 この日はスポンジケーキの生地づくりから体験。こんがりと焼き上げたケーキに生クリームを載せていった。小川さんは生地を焼く温度や生クリームの泡だて方をアドバイス。最後に生クリームとイチゴを載せ思い思いに飾り付け。おいしそうなケーキを完成させた。

 初めてケーキを作ったという駒場小4年の油川紗葵さんは「クリームを塗っていくところは難しかったけれど、楽しかった」とにっこり。母親の倫子さん(39)も「家でも一緒に作りたい」と話していた。(松宮一郎)