2012年12月22日 (土) 掲載

◎ユズ湯ぽかぽか 市内の温泉などで

 冬至の21日、函館市内や近郊の温泉・公衆浴場で恒例のユズを入れた入浴サービスが行われた。ユズの甘酸っぱい香りに包まれながら、利用客がゆっくりと体を温めていた。

 ユズには血行促進や鎮痛作用のある成分のほか、ビタミンCも豊富に含まれ、湯に浸かると風邪を引きにくいとされる。

 函館市営谷地頭温泉(谷地頭町)では、午前6時の営業開始とともに浴槽に鮮やかな黄色の果実が浮かんだ。市温泉課によると、高知県産50`(約400個)を用意し、朝、昼、夕の3回に分けて入れ替えた。  1日おきに同温泉に通う宝来町の飲食店経営、川上昌(まさし)さん(73)は「ユズを見ると、もう1年が来た、という感じ。いい香りで気分も最高です」と楽しんでいた。

 函館海洋気象台によると、函館の同日の最低気温は氷点下4・3度と平年並み。クリスマス寒波がやって来る23〜25日は道内の日本海側を中心に大雪となるが、道南はまとまった雪は降らない見通し。 (山崎大和)



◎門松もうすぐ出番

 正月の出番はもうすぐ−。函館市内の業者では門松づくりがピークを迎え、作業が着々と進められている。同市石川町243の「桔梗造園」(山本久明社長)は今年、15組を制作し、企業や商業施設などの新春を彩る。

 同社では、12月上旬から常連を中心に注文が入り、5人の職人らが高さの異なる1、3、4斗の3種類のたるで門松を制作。高さは1・2b〜1・9bで、孟宗竹とクロマツ、造花の梅の飾りをあしらっている。価格は1組約2万円〜7万円で、26日から函館市内近郊の企業などに引き渡されるという。

 同社工務課の早川大介さん(36)は「来年に向けて商売繁盛などを願って制作している。門松を立てて新年の雰囲気を盛り上げていい年を迎えてもらえれば」と話していた。 (柏渕祐二)



◎函館市職員の退職手当削減 「1月実施は困難」

 函館市の工藤寿樹市長は21日の定例会見で、来年1月1日からの実施を目指している市職員の退職手当削減について、「年内の条例改正案提出は困難」と明らかにした。市労働組合連合会との団体交渉が現在も続いているため。同市長は「(組合には)おおよそ理解いただいている」とし、早期の合意に自信を示したが、実施は来年度からにずれ込む可能性がある。

 市は昨年11月に市労連に対し、給与の一律10%削減と退職手当の初年度10%、2年目以降20%の削減を提案。給与は今年1月から平均5・5%削減で合意したが、退職手当の削減は組合の反発が強く、継続交渉としていた。  一方で、今年11月に国家公務員の退職手当を段階的に削減する改正法が国会で成立したことを受け、市は同月に退職手当の独自減額を取り下げ、国の水準に合わせる形で1年目6%、2年目12%、3年目17%の削減を組合に再提案し、年内の合意を目指していた。

 会見で同市長は、「妥結できる数字で煮詰まっているが、組合側が末端まで理解をもらうのに、多少時間を要している」と説明。「(他の提案との)トータルで、財政へのメリットがどういう形になるか考えたい」と述べ、一律10%を提案している給与削減などと一体で合意したい意向を示した。

 一方で、退職手当削減を2月や3月から実施した場合、退職間近の職員が満額を受け取るための“駆け込み退職”の増加も予想される。

 同市長はまた、1年間の市政運営を「大間原発問題が突出したが、まちづくりは停滞していない。病院船や医学部の誘致など、種をまけるところはまいてきた」と振り返った。来年は北海道新幹線開業まで3年を切ることから「さまざまなまちづくりを加速させ、市民の目に見える形で進めたい」と述べた。 (千葉卓陽)


◎「大間でもきちんと調査を」 東通原発の活断層指摘で工藤市長

 原子力規制委員会の専門家会合が東北電力東通原発(青森県)の敷地内に活断層の存在を指摘したことを受け、函館市の工藤寿樹市長は21日の定例記者会見で、「下北半島にはまだまだ危ない場所がある。東通だけではなく、六ケ所村や大間町でもきちんとした調査をしていただきたい」と述べた。

 規制委は、日本原子力発電敦賀原発(福井県)でも活断層の存在を指摘している。工藤市長は「結果的には活断層があるのを分かっていたはずで、ごまかし、いんちきをやってきたとしか思えない。規制委が活断層だと言っているのに『膨潤』などというのは、往生際が悪く、これが原子力村≠フ実態だ」と批判。その上で「その時々の政権の圧力で規制委の独立性が揺らぐことのないよう、国民全体が監視しなくてはならない」と述べた。

 大間原発の建設凍結を求める訴訟の提訴時期は、年明けに政府、与党への要請活動を行い、新政権の考えを見極めながら判断するとし、「いつでも訴訟に踏み切れるよう準備は進める。政権の判断がどうなるか、皆目見通しがないので様子をみたい」とした。 (今井正一)


◎北洋銀、青森銀と連携へ

 北洋銀行(札幌市)は21日、2015年度の北海道新幹線開業を見据え、青森銀行(青森市)と連携協定を締結すると発表した。両行が連携し、取引先企業を結び付けるなどして道南を中心とした北海道と青森両地域の経済、産業振興や地域活性化を目指す。

 青函圏の活性化を目的に金融機関が連携協定を結ぶのは初めて。協定には@取引先企業の交流促進A販路拡大支援B海外事業展開支援C北海道、青森における観光振興支援—などを盛り込んでいる。

 具体的には、交流会などを開き、企業にビジネスマッチングの機会を提供するほか、それぞれの地域に進出する企業に対して情報提供などを行う。また、海外進出支援にノウハウのある北洋銀が青森の企業からの相談を受けることなども想定している。

 観光振興支援では互いに観光PRで協力する。北洋銀では「青森に近い道南地域には14の支店があり、青函連携の重要な拠点となる」としている。販路拡大では東京での商談会を開くことなども計画しているという。

 北洋銀は「新幹線開業で北海道と青森は時間的な距離が短くなることから、企業間の交流は盛んになる。地域のトップバンク同士が連携することでその手伝いをしていきたい」と話している。

 調印式は26日に北洋銀の石井純二頭取と青森銀の浜谷哲頭取が出席し、青森銀本店で行う。 (松宮一郎)