2012年12月23日 (日) 掲載

◎広がる笑顔と歓声

 3連休初日となった22日、函館市内は断続的に雪が降り続くあいにくの天気となったが、各地からの観光客やクリスマスプレゼントを購入する市民らでベイエリアやデパートなどがにぎわいを見せた。また、小中学生は冬休み初日ということもあり、スケート場などのスポーツ施設では子どもたちの歓声が響いた。

 金森赤レンガ倉庫などが立ち並ぶベイエリアでは、午前中から家族連れやカップルらが数多く見られた。ぬいぐるみやお菓子などのクリスマスグッズを買い求めようと、店員と会話を楽しみながら品定めする姿などが目立った。

 初めて函館を訪れたという東京の会社員、成田正さん(34)は「思った以上に寒くて驚いた。クリスマスプレゼントを購入できたし、ゆっくり市内を回ってみたい」と笑顔。札幌の大学生、片山恵さん(22)は「クリスマスファンタジーのきれいな光景を目に焼き付けたいです」と話していた。

 東急ハンズトラックマーケット函館WAKO店(若松町、釜台木綿子店長)は、クリスマスプレゼントを買い求める人でにぎわった。同店によると、売れ筋は全60種あるクリスマスカード。富士山など日本の名勝、風物がデザインされたり、立体型や三角錐型に組み立てることのできるタイプが人気という。釜台店長は「23、24日が一番混雑しそう。お買い得の半額商品も用意しています」と紹介している。

 函館市民スケート場には、開場の午前10時から子どもたちが押し寄せ、貸しスケートコーナーでは行列ができるほど。リンク上では人を押しのけて滑らなければいけない状況で、あちらこちらで「どいて! ぶつかる!」などの悲鳴も聞こえる混雑ぶりだった。

 今シーズン2回目の来場という中田竣也君(函館湯川小6年)は、夏場は少年野球チームのピッチャーとして活躍。冬場のトレーニングの一環としてスケートに取り組んでいる。「昨シーズンは10回来たが、今年もできるだけたくさん滑りたい」と意気込んでいた。(小川俊之、長内健)



◎菜の花の優しい明かり キャンドルナイト

 市内で栽培した菜種油を使って明かりを灯す「2012はこだて菜の花灯明(キャンドル)ナイト」23日、箱館高田屋嘉兵衛資料館(末広町)で行われた。近くで開かれている「はこだてクリスマスファンタジー」に向かう観光客らが足を止め、ほんのりとした明かりを楽しんだ。

 はこだて菜の花プロジェクト(石塚大代表)主催。同プロジェクトは03年、「高田屋嘉兵衛の愛した菜の花を函館へ」をスローガンに発足。毎年、市内中野町の畑で菜の花を育てている。キャンドルナイトは8回目。今年5月に取った種から1キロを使い油を搾取。切った竹の中でキャンドルを灯した。

 石塚代表は「すぐ近くで大きなツリ—の明りがあり、訪れた人は光の対比が面白いと話してくれる。自然エネルギーの力を広めていければ」と話していた。(山崎純一)



◎新人形劇 反応上々 コンピューターと連動

 公立はこだて未来大の原田泰教授(情報アーキテクチャ学科)はこのほど、神山児童館(函館市神山)のクリスマス会で、コンピューターと人形劇を組み合わせた「ポペットくんとコンピュータ」を上演した。函館では初の試みで「今回の反応を分析して、より完成度の高いパフォーマンスに仕上げたい」と話している。

 小さいころから、セサミ・ストリートなどの人形劇(パペット)に親しんできた原田教授は数年前から、コンピューターと連動した新しい人形劇のスタイルにチャレンジ。これまで全国各地のイベントなどで、その成果を披露してきた。

 函館で来場者を集めて本格的な上演をするのは今回が初めて。この日は演劇仲間や同大大学生ら約10人とともに同館を訪れ、子どもたちや保護者ら約80人が見守る中、犬のキャラクター「ポペットくん」を主人公にした物語を繰り広げた。

 ポペットくんを操る原田教授は、コンピューター制御のモニター画面に映し出される画像や文字に合わせて、子どもたちとのやりとりを楽しみながら、ストーリーを展開。歌とギター、アコーディオンなどによる生演奏も加わり、会場を盛り上げた。初めて体験する人形劇に子どもたちは興味津々で、コミカルなポペットくんの動きに笑いや歓声が起こっていた。

 原田教授は「思った以上に子どもたちの反応がよくてうれしかった。まだ修正すべき点はたくさんあるが、様々な人たちに楽しんもらえるようなシステムを創り上げていきたい」と意欲を見せていた。(小川俊之)


◎「チョコ募金」で子どもに笑顔を

 イラクと福島の子どもたちを支援しようと、函館の市民団体「夢と声で未来を創るユメこえ。」(川村陽子代表)が、募金「あしたのチョコレート」(チョコ募金)を取り扱っている。

 1個500円のチョコのうち、290円がイラクの小児がんの子どもの医療支援に、50円が福島の子どもを放射能から守る活動に使われる。チョコには、イラクと福島の子どもたちが描いた絵を使ったカードが付くほか、缶のふたにも絵を採用し子どもたちが身近に感じられる。

 1缶(10枚入り)にビター、ミルク、モカを詰め合わせ、製造は六花亭製菓(帯広)。クリスマスやバレンタインデーの贈り物にぴったりだ。

 チョコ募金は、東京のNPO法人「日本イラク医療支援ネットワーク」(JIM—NET=ジムネット)が始めた募金キャンペーン。函館でも5、6年前から協力の呼び掛けに応える輪が広がりだし、ユメこえでは3年前から扱う。イラクでは、劣化ウラン弾の影響とみられる小児がんや白血病が増えているという。福島県第一原発事故を受け、昨冬からは福島支援も始まった。

 川村さん(37)は「福島、イラクの子どもたちが笑顔になれるチョコです」と話している。

 市青年センター(千代台町)2階相談室で開く「復興カフェ」で。年内は25日(午後1時半〜4時)が最後で、年明けは8日から、午前10時〜午後2時。問い合わせは川村さん電話0138・76・4873へ。(山崎大和)