2012年12月27日 (木) 掲載

◎スルメイカ好転 漁期後半ピーク入りか

 道南スルメイカ漁が、今月下旬に入って好転してきた。ようやく漁期後半(南下群の漁獲)のピークに入ったとみられ、漁業者は来年1月の漁期終了に向け短期勝負となりそうだ。ただ、今季トータルの漁獲は大きく伸びないとの見方が強い。

 函館市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場(豊川町)での今月1〜25日の取扱量は302トン。21日18トン、22日28トン、23日18トン、24日11トン、25日13トンと回復傾向だ。1キロ当たりの平均価格は371円(同日現在)と堅調。とはいえ12月単月で見ると、不振だった昨年の606トンを下回るのは確実で、2007年以降最も少なくなる可能性も。

 市漁協(橘忠克組合長)は「量はそんなに多くないが、出漁できれば採算ベースで捕れている。秋以降の不振をカバーしたいが、しけが多くて年内で挽回するのは厳しい」とする。

 はこだて自由市場(函館市新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」(富田貞雄社長)では26日、4匹1000円から販売。「肉厚で甘みがあっていいイカ。来月も大丈夫では」と期待を込める。

 道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「群れの本格的な来遊が見られている。ただ、水温が低下してきており、漁獲ピークは短いだろう。また、悪天候や年末年始の休漁も影響して漁獲は大きくは伸びないのではないか」と話している。(山崎大和)



◎熟練の技 手際良く 鏡もちづくりピーク

 正月を彩る鏡もちづくりが、函館市内のもち店でピークを迎えている。函館市松風町4の「弁慶力餅三晃堂」では、野路邦英社長をはじめ6人の職人らが作業に追われている。

 同店では2合から1斗までの鏡もちや棒もち、雑煮に入れるのしもちなど、正月用に約20種類を作っている。最近は小型のものが人気で、2合の鏡もちが売れている。店舗数が減った影響で、受注量も減ったが、常連の会社や福祉施設などからの注文が多いという。

 職人たちは、蒸したもち米を石臼でついた後、素早く取り出して計量。熟練の技術で一つ一つ丸めていた。正月用のもちづくりのピークは28〜31日、4日間で60〜70俵のもち米を使う予定という。

 野路社長は「柔らかすぎず、堅すぎない微妙な感触が重要。粘りやコシを味わってほしい」と話していた。(柏渕祐二)



◎大感謝セール始まる 自由市場あすまで

 函館市新川町のはこだて自由市場で26日、毎年恒例の歳末大感謝セール(同市場協同組合主催)が始まった。「安くておいしいぞ」などの声が響く中、刺し身など正月用の食材を求める市民でにぎわった。イベントは28日まで。

 2000円以上の買い物で先着1500人に「ふっくりんこ」1キロが進呈される。鮮魚店や八百屋など全店舗対象で、初日は午前中から行列が見られた。

 このうち、中梶鮮魚店(中梶裕司店長)では、みそ漬けした自家製の銀ダラ(1切れ400円)や刺し身の盛り合わせ(1000円)が大人気で、午後3時過ぎには店じまい。中梶店長(62)は「大みそかにかけてもっと忙しくなる。翌日の準備にも力が入る」と話していた。

 同市場は31日まで営業している。(長内 健)


◎通学路の除雪 今冬強化 函館市が計画

 函館市は今冬の除雪計画をまとめた。歩道除雪対象路線を拡大するなど、通学路対策を強化。民間借り上げの除排雪車両を16台増加し、機動力を高めて作業に当たる。さらに民間団体に貸し出す小型除雪機械の台数を増やすなど、市民協働の除雪体制構築も進めたい考えだ。

 昨冬は気温が上がらない日が続き、最大積雪深は91センチを記録。除雪経費(旧4町村を除く本庁管内)は8億4000万円を超えた。平年であれば2日程度で終わる幹線道路の除排雪作業に3倍の日数を要し、生活道路にまで手が回らずに苦情が殺到した。

 計画上の出動基準は、おおむね、幹線道路は降雪量が10センチ以上、生活道路は20センチ以上、わだちの深さが10センチを越えた場合。今冬も幹線道路が優先されるが、歩道除雪や、住宅と学校の距離がある場所などの通学路対策を強化。歩道の対象路線(本庁管内)は昨年の43路線から56路線に増やし、距離は27キロから55キロに延長した。

 委託業者の除排雪作業車の登録台数は16台増の計356台。業者に作業後の報告の徹底を義務付け、排雪運搬作業の委託料を作業時間ではなく運搬重量に応じて支払うことにし、迅速性、効率性を高める。

 また、市民協働の取り組みとして2008年度から導入した「スノーボランティアサポートプログラム」で使用する小型除雪機械を2台増の4台とした。除雪計画書を提出した企業や町会、PTAなど民間団体に除雪機や軽トラックなどを無料で貸し出す制度で、昨年は3団体から計画書が提出され、2団体が歩道の除雪作業を自主的に実施。

 市維持課の岡村信夫課長は「除雪機械の台数も増え、全体作業の機動力アップに期待している。小型除雪機械の貸し出し制度も積極的に利用してほしい」と話している。(今井正一)

 市民が利用できる雪捨て場は次の通り。

 ◇2トントラックまで▽新川公園三角グラウンド(上新川町18)▽西旭岡第4児童公園(西旭岡町3)

 ◇4トントラックまで▽古川町資材置き場内広場(古川町325)▽土木部維持課向かい広場(赤川1)

 ◇車両重量制限なし▽旧北高グラウンド(日吉町4)