2012年12月28日 (金) 掲載

◎「道南経済 持ちこたえる」…日銀12月動向

 日銀函館支店(中川忍支店長)は、11月の各指標に基づく道南地方の金融経済動向をまとめた。観光が持ち直しを続ける一方、個人消費が弱めの動きとなっていることから、景気の総括判断を6カ月連続で据え置いた。ただ、同支店では「輸出が落ち込み、全国の判断が引き下げられた中、内需中心の道南経済は持ちこたえている」とした。

 全国の判断が「弱含みとなっている」(11月)から「一段と弱含んでいる」(12月)に引き下げられた中、道南は7月から「一部に弱めの動きがみられるものの、全体として持ち直し傾向を維持している」のまま。輸出の依存度が低いことに加え、主力の観光や水産加工が地域経済を引っ張っており、内需中心の特徴が鮮明となった形だ。

 12月は全ての項目で判断を据え置いた。「観光」は持ち直しており、主要ホテル宿泊客数(24カ所)は9カ月連続で前年を上回った。

 また、函館空港乗降客数も国内便客が前年同月比6・7%増、国際便客は同67・2%増となるなど好調。函館山ロープウェイと五稜郭タワーもともに前年を上回った。

 「個人消費」は、主要小売店(10社)の売上高が同0・9%減で3カ月連続で前年を下回った。衣料品や食料品が振るわず、歳暮商戦も盛り上がらなかったことから、全体として力強さを欠いた。

 「生産」は、水産加工が震災の代替需要が減っているものの、高めの操業を維持している。「建設」は新幹線工事が下支えしている状況が続いている。中川支店長は「観光はこれまでのキャンペーンが功を奏しているが、1月から3月まで観光客をどう呼び込むかがカギを握っている」と指摘している。(松宮一郎)



◎「原発は未来奪う」…大間差し止め訴訟口頭弁論

 青森県大間町に建設中の電源開発大間原発をめぐり、函館の市民団体「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)が国と同社を相手取り、建設差し止めなどを求めた訴訟の第8回口頭弁論が27日、函館地裁(鈴木尚久裁判長)で開かれた。

 弁論で原告側は、北海道アイヌ協会函館支部長の加藤敬人さん(57)と横浜市在住の牧野美登里さん(64)の2人が意見陳述した。

 加藤さんは冒頭、アイヌ語で「何も心配することなく、私たちが暮らすために『化け物の火』を無くしましょう」とアイヌ民族としての思いを述べ、「人間は自然に守られて生きている。原発事故は生きるという考え方を全て否定するもの」と訴えた。

 牧野さんもチェルノブイリ原発事故の影響を受けたベラルーシの子どもたちの保養ステイを12年間続けてきた経験から、「低線量被ばくを受け続けてきた子どもたちは、免疫力が低く、骨がもろいなど、未来が奪われている。原発建設は経済活性化のためとも言われているが、安心、安全、不安のない生活があってこそ、国も豊かになる」と声を震わせた。

 その後、原告代理人は「福島原発事故では、大間原発の事故時に想定されているより1000倍から1万倍も多く放射性物質が放出されている」と指摘し、原発建設のための現行の安全指針類に重大な不備、欠陥があるとした。

 また、大間の北方には巨大な海底活断層があり、西方にも同様の活断層がある可能性も否定できないと指摘。「同社や国は活断層の存在を全く考慮していない。安全審査には過誤・欠落がある」と無効確認を求めた。

 次回の口頭弁論期日は来年3月15日。



◎道新幹線開業控えアンケート、アイデア提案へ…函商高

 函館商業高校(難波繁之校長)の商業研究部は27日、JR函館駅構内で観光客らに対し、函館の観光に関するアンケートを行った。2015年度の北海道新幹線開業を控え、観光客のニーズを把握し、観光振興や地域活性化に役立てることが狙い。来年度にはアンケート結果をもとにアイデアをまとめ、自治体や観光事業者らに提案する計画だ。

 今回の調査は、JR北海道の子会社、ジェイ・アールはこだて開発が新幹線時代のサービスのあり方を探ろうと、同校に協力を呼び掛け、共同で実施することになった。

 この日は1、2年生の部員7人が朝から回答用紙を手に調査を開始。観光客には、目的地の感想や交通手段などを次々に質問。市民には観光客に薦める場所や食べ物を聞いていった。また、同社は駅から宿泊施設に手荷物を配送するサービスの導入を計画していることから、そのニーズがあるかも探った。

 観光客や市民の生の声に触れた中村有里さん(1年)は「観光地として有名だと思っていた場所が、実は意外と知られていないことが分かった」と驚いた様子。同部の高橋七海部長(2年)は「函館にもっと観光客を呼び込んで地域に貢献したい。いいアイデアをまとめることができそう」と意気込んでいた。

 難波校長は「地元のことを学ぶことができるほか、企業と一緒に活動するのは生徒にとってもいい経験」と話していた。

 駅構内でのアンケートは28日も行うほか、来年も数回調査する予定。(松宮一郎)


◎函館山で新年迎えよう…31日に恒例のカウントダウン

 函館山ロープウェイは31日から1月1日にかけて、函館山山頂展望台で、恒例のカウントダウンイベントを行う。同社では「2013年の始まりを、大切な人と美しい夜景を見ながら迎えませんか」と呼び掛けている。

 ロープウェイは通常午前10時から午後9時まで運行しているが、この日は午後9時の休止後、同10時に再開し、1月1日午前1時まで臨時運行する。往復乗車券は大人1300円、小学生650円。山頂でのイベントと記念品が当たる抽選会に参加できる。

 同日は午後11時〜翌日午前零時半に「カウントダウン・プレミアパーティー」を展望台3階「レガート」で開催。夜景を眼下にオードブルと飲み物を楽しむことができる。料金は3500円(往復乗車券込み)。限定100人のため、チケットが売り切れしだい販売終了。  問い合わせは同ロープウェイ電話0138-23-3105。