2012年12月29日 (土) 掲載

◎ノロウイルス感染防げ 病院や施設、対策に躍起

 ノロウイルスなどが原因の感染性胃腸炎が、全国的に猛威を振るっている。感染すると激しい下痢や嘔吐(おうと)を繰り返し、重篤化して生命にかかわる恐れもある。そのため、函館市内の病院や各施設では、予防対策を徹底。各保健所も手洗いの励行などを呼び掛けている。(金子真人)

 国立病院機構函館病院では11月から、院内へのウイルス持ち込みを防ぐため、面会者にマスクの着用と手洗いの協力、飲食の持ち込み禁止を呼び掛けるポスターを玄関やエレベーターなどに張り出している。

 患者が病室や廊下などで嘔吐した場合に備えて、使い捨てのガウンやマスク、スプレー式の泡洗浄剤などを収納したキットを各病棟の詰所などに設置し、迅速に対応できる体制を整えている。

 同院の感染管理認定看護師の香取弘子さんは「面会の方が院内にウイルスを持ち込むケースが一番多い。特に食品の持ち込みは控えるようご協力をお願いしたい」と話す。改行 抵抗力の弱い高齢者や子どもがいる施設でも予防や集団感染の防止に力を入れている。

 新川町1の函館共愛会中央保育園(瀧明美園長)では、子どもたちに正しい手洗い方法の指導を行っているほか、園内を乾燥させないよう1時間ごとに窓を開けて換気するなど予防に努めている。

 また、保護者らに対しても園の広報誌にノロウイルスをはじめとする感染症の対策などを記し、予防を呼び掛けている。

 特別養護老人ホーム・シンフォニー(齋藤禎史施設長、中野町74)では、感染委員会を設置し、定期的に勉強会を開いて衛生管理や感染したと疑われる入所者が出た場合の対応を職員に広めている。

 市立函館保健所保健予防課は「手洗いをこまめに行うことが一番の予防となる。特に家族内で感染者が出たときは広がらないよう注意をしてほしい」と話している。



◎ササラ電車活躍

 連日の降雪で函館市企業局交通部の除雪車両「ササラ電車」が出動している。軌道上の雪をはねのけながら、黄色と茶色の車体を揺らして市内を走行。市電の安全運行確保に奮闘中だ。

 ササラ電車は1903〜04(明治36〜37)年ごろに製造され、東京で客車として活躍。34(昭和9)年の函館大火で焼失した車両を補充するため、東京市電気局から購入し、37年に6両を除雪車両に改造し、2両が現役で稼働している。

 ササラは長さ30aほどの細く割った竹のブラシで、車体の前後に取り付けた計900束を高速回転させて雪を払う仕組み。委託業者による除雪が主流だが、今期は今月8日を皮切りに既に数回出動している。(今井正一)



◎大沼で氷上ワカサギ釣り始まる

 【七飯】大沼国定公園の蓴菜(じゅんさい)沼で28日、冬期恒例の氷上ワカサギ穴釣りが始まった。

 漁場を管理する大沼漁協によると、ワカサギは8〜9aほどと大きく、「申し分ないほどの良型」(同漁協)という。

 初日に訪れた町内の男性(60)は、氷上に開けられた穴に竿を垂らすたびに次々にワカサギを釣り上げる入れ食い状態に。「まずまずだね」と満足そうにほほ笑んだ。同漁協は「家族連れで楽しめる冬の風物詩。暖かい格好でぜひ来場を」と話している。

 営業時間は午前8時〜午後4時。遊漁料は大人600円、小学生以下350円(維持管理費込み)で竿のレンタル(仕掛け、えさ付き)は500円。来月2日からは鍋やガス台などの「からあげセット」(30分1500円)のレンタルも始める。期間中は基本的に無休(31日、来月1日は休み。悪天候により休業の場合あり)。問い合わせは大沼漁協担当者TEL080-4041-4206まで。(森裕次郎)


◎函館の火災件数減少、防災意識向上や警報器普及で

 函館市内の今年の火災発生件数は、26日現在で前年より21件少ない72件となっている。市消防本部予防課は「住宅用火災警報器の普及と市民の防災意識の高まりが火災の減少につながっている」と話している。

 同課によると、建物火災が45件で前年同期比15件減、車両や船舶などのその他が27件で同6件減、自殺者を除く死者は2人で同2人減。平成に入ってから1年間の火災発生件数が最も少なかった2010年は71件で、今年はほぼ同じペース。建物火災だけで見ると、今年は最も少ない件数で推移しているという。

 火災減少の要因としては、81・2%という道内でも高い設置率の住宅用火災警報器の影響が大きい。鍋の空だきなどで警報音が鳴り、家人が火を消し止めるケースがあり、警報器による火事の未然防止が焼失面積や延焼の減少につながっているという。一方、警報音を聞いた付近住民が119番通報し、消防車が出動する警戒件数が前年より60件以上増えている。

 また、警戒出動先は65歳以上の高齢者が住む住宅がほとんどで、そのまま放置していたら火災になっていたと考えられる事案も多いという。放火(疑いも含む)やこんろ、たばこの不始末が主な原因となっている。

 同課は「消防出動情報などを電子メールで配信する『ANSINメール』サービスや啓発活動で市民に防火意識が定着してきている。ストーブや電磁調理器など、便利な設備が増えているが、気を抜かずに火の用心に努めてほしい」と話している。(柏渕祐二)