2012年12月3日 (月) 掲載

◎Xマスファンタジー号出発 冬のSL運転スタート

 JR北海道の「SLはこだてクリスマスファンタジー号」の運転が始まっている。25日までの間、土、日、祝日と25日に函館—大沼公園を1日2往復運転している。

 函館市西部地区で開催中の「はこだてクリスマスファンタジー」と提携して企画され、今年で3年目。小型タンク車C11型と4両の客車で冬の道南路を走行している。春と夏のSL運行は往復とも仁山回りだが、冬は往路は藤城回り、復路は仁山回りとなっている。

 車内は華やかなクリスマス装飾で飾られている。クリスマスに合わせた衣装を着た乗務員がオリジナルグッズを販売(カフェカーで)。クリスマスツリーも置かれ、記念写真を楽しめる。

 函館発は午前8時35分発と午後2時11分発。大人一人片道1330円(全席指定)。予約の問い合わせはJR北海道電話予約センター電話011-221-1489。(山崎純一)



◎JALベルスターが演奏会

 日本航空の客室乗務員によるミュージックベル隊「JALベルスター」が1、2両日に函館市内を訪れ、「はこだてクリスマスファンタジー」のオープニングセレモニーなど合わせて8会場で透明感あふれる演奏を繰り広げた。

 同隊は1995年に発足、各地のイベントなどで活躍している。クリスマスファンタジーには今年が13回目の登場となった。

 このほか、1日にはJR函館駅、2日には五稜郭タワーなどでも演奏。1日に訪れた函館市亀田中野町の児童養護施設「くるみ学園」(永井滋施設長)は、8度目の訪問。同隊の演奏に感動して、同学園では幼児と小学生による「ハンドベル部」も活動している。

 子どもたち約40人が見守る中、同隊メンバー9人が「ジングルベル」や「サンタが街にやってくる」など8曲を披露。同学園のハンドベル部の子どもたち16人も「きよしこの夜」や「アメイジンググレース」など3曲を演奏。最後は「あわてんぼうのサンタクロース」を合同演奏し、でにぎやかに締めくくった。

 同隊の榊原菜々さん(26)は「子どもたちの素晴らしい演奏にびっくり。自分たちのほうが元気をもらえた」と感激の様子だった。(小川俊之)



◎田本研造の足跡紹介 没後100年写真展

 幕末から明治期にかけて函館で活躍した写真師・田本研造(1832〜1912年)の没後100年を記念した写真展「時代ヲ旅スル写真館〜150年後の田本アルバム」が18日まで、函館市中央図書館で開かれている。かつて田本が撮影したのと同じ場所から撮影した現代の写真と比べて、田本の足跡をたどっている。

 田本が開設した田本研造写真場五稜郭店を継承し、市内に写真館を構える谷杉アキラさん(44)が企画した。田本は函館で写真を学び、土方歳三や榎本武揚らの肖像写真を数多く撮影したほか、箱館奉行所復元の決め手となった写真を撮影したとされる。

 田本は明治初期に開拓使の依頼で、札幌や室蘭、余市など各地を歩き、屯田兵が北海道を開拓していく様子を撮影した。写真展では谷杉さんが田本の足どりを訪ね、同じ場所から撮影した写真と比較し、150年間の移り変わりを伝えている。谷杉さんは「北海道の記録写真を家族で見て、時間旅行を楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。

 8日午後2時からは同図書館で、写真展にちなんだ谷杉さんの講演会「北海道写真の父・田本研造」が開かれる。(千葉卓陽)


◎Xマスムード満喫 観光客ら西部地区を散策

 12月最初の日曜日となった2日、「2012はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催、25日まで)の主会場・函館市西部地区の赤レンガ倉庫群には、午前中から多くの観光客が足を運び、クリスマスの華やかな装飾を眺めながら散策を楽しんでいた。

 同イベントは、ツリーがライトアップされる夕方以降に注目が集まるが、倉庫群には壁をよじ登るサンタクロースの人形などのディスプレーが設置され、クリスマスの雰囲気を盛り上げている。

 この日は前日に続いて厳しい冷え込みの中、早朝から海上に浮かぶ巨大ツリーをバックに記念撮影をする人たちの姿が多くみられた。東京から夫婦で観光に訪れた岩田隆史さん(67)は「昨夜は光輝くツリーを楽しんだが、今日は函館港の雄大な景色も見ることができて、得をした気分。機会があったらまた冬の函館を訪れたい」と話していた。 (小川俊之)