2012年12月8日 (土) 掲載

◎食肉惣菜創作発表全国大会、舘山さん日本一に

 函館短大付設調理製菓専門学校(下野茂校長)調理師科の舘山晴佳さん(18)が、1日に東京で開かれた「食肉惣菜創作発表会」全国大会で最高位の農林水産大臣賞に輝いた。「昆布と挽肉のパイ包み焼き」を創作し、普及性や独創性が評価された。舘山さんは「苦労したかいがあった。とてもうれしい」と喜んでいる。

 食肉販売業者らでつくる全国食肉事業協同組合連合会(東京)が、国産食肉の消費拡大を図ろうと開催。独創性や総菜としての普及性が求められる大会で、今年は46都府県の予選に計2022人が応募、通過した地区の代表36人が全国大会へ進んだ。

 9月上旬に出場を決め、函館・南茅部産の間引きコンブを生かそうと考えた舘山さん。吉田徹教頭の助言を受けながら、牛、豚のひき肉を使ったハンバーグを長さ約20aのコンブでまき、最後にパイで包むミートパイを考案した。

 苦労したのはコンブと肉の分量や、パイを崩さないよう生地を素早く伸ばす作業だ。納得の味に仕上げようと放課後に試行錯誤を重ね、コンブの風味、肉のうま味、パイの香ばしさが絡み合う三味一体≠フ味が生まれた。

 全国大会は1680円の予算で調達した食材を使い、1時間以内に創作する。当日朝に足首を捻挫するハプニングもあった舘山さんだが、会場では「普段通りやろう」と集中したという。

 舘山さんは「出場者はとても幅広いにもかかわらず、自分が選ばれるとは驚き」と振り返り「将来の夢はパティシエだけど、励みになる」とほほ笑む。吉田教頭は「何度も練習しなければあの味は出せない。日本一は快挙だ」とたたえる。

 舘山さんの作品は同連合会によりレシピ作成や商品化の可能性があるほか、来年2月9日に同校で開く卒業研究発表会「食彩感謝祭」で販売される予定だ。(長内 健)



◎フィンランドからサンタ来函、市内の病院など訪問

 フィンランド・ラップランド州公認のサンタクロースが7日、来函し、市内の病院や幼稚園など3カ所で、子どもたちにクリスマスプレゼントを届けた。

 金森赤レンガ倉庫内のテナント29社で構成する金森赤煉瓦会(松坂弘会長)が毎年招いていて、今年で17回目。この日は市立はこだて幼稚園(千歳町)と函館中央病院(本町)、高砂母子ホーム保育園(若松町)を訪れた。

 市立はこだて幼稚園では園児57人と交流。サンタクロースからプレゼントを受け取った園児は、お返しに「あわてんぼうのサンタクロース」などの歌を元気いっぱいに披露。園児からの質問タイムでは「何歳ですか」の問いに「いっぱいいっぱい歳を取って忘れちゃったよ」とちゃめっけたっぷりに答える場面も。最後は子どもたちがフィンランド語で「キートス(ありがとう)」とお礼の言葉を述べた。

 函館中央病院では小児科病棟を周り、15歳以下の34人の子どもたちと触れ合った。サンタクロースの訪問を事前に知らされてなかった子どもたちは、突然の登場にびっくり。それでもプレゼントをもらうと「ありがとう」と笑顔が広がった。

 サンタクロースは「函館はフィンランドと同じように雪が多くて親近感が湧いた。たくさんの子どもたちに会うことができてうれしかった」と話していた。(平尾美陽子、小川俊之)



◎ラムサール登録記念看板設置で除幕式

 【七飯】大沼周辺が7月にラムサール条約登録湿地になったことを受け、町は7日、条約登録をPRする看板を大沼公園広場などに設置し、除幕式を行った。

 大沼公園広場に設置された看板は縦1・2b、横1・8b。大沼国定公園の特色や歴史が記され、登録証の写しもデザインされている。このほか、白鳥台セバットや東大沼キャンプ場、東屋には「大沼・ラムサール条約湿地」と表記されたシンプルなタイプ、JR大沼公園駅のホームには約7bの横断幕が設置された。

 除幕式には町や大沼ラムサール協議会、渡島総合振興局などから関係者約20人が出席。中宮安一町長は「登録湿地になって以降、子どもたちがより一生懸命に環境学習に取り組んでいることがうれしい」とした上で、「看板設置によって町民が環境保全への認識を一層高めてくださると思う」とあいさつ。大沼ラムサール協議会の金澤晋一会長は「この素晴らしい看板を指針にして今後もさまざまな活動が進んでいく」と述べた。(森裕次郎)


◎函館市、津波避難ビルに新たに6カ所指定

 函館市は7日、大規模な津波が起きた場合の「津波避難ビル」に新たに6カ所を指定した。初めて共同住宅を指定したほか、ホテルは3カ所が新たに加わり、計18カ所に増えた。

 新たに指定されたのは、共同住宅のメゾン・プレジデント(豊川町16)、ハイツチャフル(万代町11)、シャトーム吉川町(吉川町7)、ホテルはコンフォートホテル函館(若松町16)、ヴィラコンコルディア(末広町3)、ホテル函館ロイヤル(大森町16)。

 いずれも3階より上部を避難場所として開放。津波、大津波警報の発表後に受け入れを開始する。

 6月に道が発表した予測で津波浸水区域の範囲が広がったため、市は今後も施設を増やす予定。市総務部は「浸水区域から避難することが困難な人にとって、避難ビルは欠かせない。施設の種別を問わず増やしていきたい」としている。(後藤 真)