2012年12月9日 (日) 掲載

◎厳寒の下 訴え熱く 公示後最初の週末 4陣営、演説や集会

 16日投開票の衆院選は、9日で前半を終える。道8区(渡島・桧山管内)に出馬している4陣営は、公示後最初の週末を迎えた22日、大票田の函館市内や近郊で街頭演説や集会などに力を入れた。一部陣営は悪天候の影響で航空機が飛ばず、応援弁士の来函が中止になったが、各陣営とも強風と厳しい冷え込みの中で政策を熱く訴えている。(衆院選取材班)

 民主党前職の逢坂誠二氏(53)は7日までに選挙区を一巡し、8日は函館市内を中心に遊説した。蓮舫参院議員の来函は飛行機の欠航で中止となったが、七飯町内や市内での個人演説会、本町交差点での街頭演説をこなした。

 逢坂氏は「(経済対策や原子力政策など)政策を順序立てて説明できる候補はいるのか。政策を本当に分かっているかどうかを含めて判断して」と訴えた。

 日本未来の党新人の北出美翔氏(26)は終日、函館市内や近郊で街頭演説。JR函館駅前を皮切りに、幹線道路を通りながら本町交差点や競馬場前、昭和タウンプラザ、ダイエー上磯店など隅々を回った。

 北出氏は「皆さんに政策を一つ一つ伝えるだけ。前に前に進みながら支持をいただきたい」と話し、悪天候を物ともせず卒原発や脱増税といった主要政策を買い物客らに伝えた。

 自民党新人の前田一男氏(46)は七飯町や北斗市を遊説し、午後から木古内町と函館市で個人演説会。夕方の函館市亀田農協での演説会には高橋はるみ知事が駆け付ける予定だったが、飛行機が欠航したため函館入りはならなかった。

 知事は電話越しに支持拡大を訴え、「TPP反対で道内の1次産業を守らなければ。道南復活のためにも前田氏への支持をお願いしたい」と求めた。

 共産党新人の高橋佳大氏(53)は7日までに乙部やせたななど桧山管内を回り終え、ある町では町職員が総出で演説に耳を傾けたり、農協関係者から激励を受けたりと、TPP断固阻止に好感触を得た。8日は八雲、森、鹿部町で精力的に街宣活動を行った。

 選対幹部は「党と候補者間で主張が食い違う人たちとの違いを鮮明にし、今後も『ぶれない党』を訴え抜いていく」と意気込む。



◎Xマスファンタジー 小さなサンタが歌披露

 函館市西部地区の赤レンガ倉庫群で開かれている「はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)は8日、フィンランド・ラップランド州公認のサンタクロースが来場し、子どもたちを喜ばせた。また、強風で破損したメーンツリーの修復作業が終了し、3日ぶりに点灯式が行われるなど、会場は再び輝きと熱気を取り戻した。

 この日、金森洋物館(末広町)に姿を現したのは、フィンランド・ラップランド州公認のサンタクロース。歓迎セレモニーで元町遺愛幼稚園の年長組24人が「赤鼻のトナカイ」などを元気に歌うと、サンタクロースは大きな体を揺らしながら「ありがとう」と笑顔。「どうしたらサンタさんになれるの」という子どもからの質問には「たくさんご飯を食べて、100歳以上まで長生きすればなれるよ」とちゃめっけたっぷりに答えていた。

 同イベントのシンボルであるメーンツリーの修復は、午前中からクレーンを使って本格化。午後から再び吹雪模様になり一時中断を余儀なくされたが、点灯式前には無事にすべての作業を終えた。

 この日の点灯式には、サプライズゲストとして、北京、ロンドンと五輪2大会で3つのメダルを獲得した競泳の松田丈志さんが登場。観客の大きな歓声を受けながら点灯スイッチを押すと、ツリーの電飾が美しく光輝き、拍手と歓声が起こった。松田さんは「無事に点灯してよかった。本当にきれい」とツリーを感慨深く見上げていた。(小川俊之)



◎高校生考案のケーキ販売開始 函商と五島軒が共同開発

 函館商業高校(難波繁之校長)と五島軒が共同開発したブランデーケーキ「Goryogaoka(五稜ヶ丘)」の販売が8日から函館市内で始まった。初日は同校生徒がJR函館駅構内で試食販売し、観光客や地元客に商品をPRした。

 同校の流通ビジネス科3年生16人が授業の一環で取り組み、五島軒、北洋銀行が協力。商品名やケーキのデザインなどを生徒が考案し、3カ月かけて完成した。

 この日は3年生3人が店頭に立ち、「五稜郭をイメージしました」「ふっくりんこを使用してます」など元気な声を出してPR。観光客らは足を止め、興味深げに生徒の説明を聞き、試食品を口にして、「おいしい」「がんばってね」など声を掛けていた。

 開発に携わった菊地果音さんは「みんなで意見を出し、協力して完成した商品を販売できてうれしい」と声を弾ませていた。

 商品は五島軒、JR函館駅構内などで販売。問い合わせは五島軒電話0138-49-8866。(平尾美陽子)


◎学生、就職へ情報収集真剣に 道内外60企業と面談

 函館大学(溝田春夫学長)が主催する「業界研究会」が8日、函館市若松町のロワジールホテル函館で開かれた。道内外60企業の人事担当者が参加し学生と個別に面談。学生は就職へ向けた情報収集に、真剣に取り組んでいた。

 企業と学生の出会いの場として毎年この時期に開催。同大に加え、函館短期大学の学生も参加。悪天候の影響で一部の企業が急きょ不参加となったが、学生は興味のある企業の担当者に積極的に質問を投げかけたり、自らをアピールしていた。

 同大3年の成田健人さん(21)は「企業の担当者と話すのは初めてだったので少し緊張したが、貴重な情報を聞くことができた。今後の本格的な就職活動に弾みを付けたい」と話していた。

 同大就職部長の永盛恒男教授は「単独の大学のためにこれだけ多くの企業が一度に集まってくれて大変ありがたい。この研究会を通じて就職に結びついたケースもあるので、学生は積極的にチャンスを生かしてほしい」と話していた。(小川俊之)