2012年1月10日 (火) 掲載

◎華やかに二十歳の門出

 成人の日の9日、第64回函館市成人祭(市、市教委、実行委主催)が同市湯川町の函館市民体育館などで盛大に開かれた。色鮮やかな着物やスーツを身にまとった新成人1530人が出席し、大人になったことへの自覚と責任感を胸にした。

 函館市の本年度の新成人該当者数は2360人(男1143、女1217)で、昨年より41人減少。出席率は昨年度比1.8%減の64.8%だった。北海道の該当者数は5万2045人、全国では約122万人。

 式典では工藤寿樹市長が「函館は人口減少が進み、全国的にも景気が下り坂となっているが、時代を変えることが若者の特権。大人になって時には悩んだり苦しむこともあると思うが、たくましい精神を身につけ夢を持って生きてほしい」と激励。

 新成人を代表し、山本大智さん(函館大学2年)と高橋朋代さん(道教育大学函館校2年)が誓いの言葉として「私たちは美しい自然と優れた文化を有する函館に育ち、晴れてこの日を迎えた。大人の責任を持ち、豊かな社会に尽くすため、先人が築き上げ培ってきた文化を守り創造し、函館の文化の発展に努めることを誓います」と述べた。

 その後、同体育館などで祝賀行事が行われた。懐かしの味を楽しむ給食コーナーではデザートとパン、牛乳が各500個用意され、市民会館前庭ではお汁粉450食が振る舞われた。

 恩師からのメッセージコーナーには中学時代の教諭30人から寄せられた祝いの言葉が掲示され、新成人が懐かしそうに見入っていた。このほか、選挙体験コーナー、旅行券などが当たる抽選会なども行われた。

 成人した気持ちをステージ上で発表する「ハタチの主張」では、個人やグループが壇上へ。道教育大学函館校2年の柏木美香さんは「特別支援学校の先生になって、将来は発達障害や知的障害の子どもの学校生活を支援できるような塾を作りたい」などと、将来の夢を語った。 (後藤 真)



◎鈴なりコーヒーの木 函館市熱帯植物園 

 函館市熱帯植物園(湯川町3)が2008年春から栽培している「コーヒーの木」16本が昨年、初めて鈴なりの実をつけ、同園スタッフを驚かせている。早ければ1〜4月にも赤い実に熟すといい、スタッフは「夢のような話。いつかイベントでコーヒーを提供したい」と収穫できる日を心待ちにしている。

 同園を運営するNPO法人函館エコロジークラブの坂井正治さん(73)によると、南米などが原産のコーヒーの木は亜熱帯性植物で、日本では沖縄が北限。暑過ぎたり寒過ぎたり、日が当たり過ぎてもよく育たないという。

 同クラブが市から業務を受託した03年当時、園内には3本のコーヒーの木があった。しかし手入れをしても何年間も開花することはなく、07年冬、温室の補強工事に伴う寒風の影響で枯死した。そこで坂井さんらが「何もないのは寂しい。一からでもいいからしっかり育てよう」と市民に寄贈を呼び掛けたところ、16本が寄せられた。

 以来、土を掘り返して腐葉土を入れたり、水やりも季節に合わせて回数を調整したりと工夫を重ねた。変化が起きたのは、植え替えから2年後の10年春。数本の木が初めて白い花を咲かせ、やがて緑色の実をつけた。

 しかし、実が赤く色づいた冬にはなくなっていた。「興味を持った入園者が失敬していったのかも」と坂井さん。だが昨春、今度は全ての木から開花し、6月には鈴なりの実がなった。

 風味の良い一般的なコーヒー豆は、赤い実から取り出した種(生豆)を専用の機械で焼くことでできる。同園で育つ実からは、少なくとも50〜100人が飲料できる量が確保できる見られ、収穫後は焼いた豆やいった粉を提供する予定だ。

 坂井さんは「コーヒーの木は西日にさらすと成長が遅れると言われていて、原産地では畑の西側に日よけの木々を育てる工夫を凝らしている。園ではたまたま西日の方向に巨大なバナナの木があったおかげですくすく育ったのでは」と振り返り、「せっかく実が育ったのだから、眺めて終わりではなく、その味も確かめなきゃ。秋の行事で提供できるようになれば」と夢を膨らませている。(長内 健)



◎バス、市電の利用を ポスターに〝萌えキャラ〟

 函館市交通部は、冬場の自転車利用の危険性を訴え、公共交通機関の利用を呼びかけるポスターを作成した。市電オリジナルの女性アニメキャラクター「松風かれん」を起用し、車内掲示だけでなく一般にも販売する珍しい試みだ。

 冬季間の自転車は転倒しやすく、歩行者にも危険を及ぼす恐れがあるため、毎年、函館バスと連名で市電やバスの利用を促すポスターを制作している。今年は若者の注目を集めようと、函館市電の運転士がモチーフの〝萌えキャラ〟を初めて活用した。

 ポスターは縦36.4センチ、横51.5センチのB3判で、計300枚作成。超低床市電「らっくる号」と函館バスの「ハイブリッドバス」の写真も使い、環境に優しい乗り物もアピールする。市電の全車両に掲示するほか、市内の高校や公共施設にも配る。

 一般向けには200枚限定で1枚630円(税込み、ケース付き)で販売。収益で制作費を賄う仕組みで、昨年末までに既に50枚以上が売れているという。市電駒場車庫の乗車券販売所のほか、同部ホームページで通信販売(送料200円)も受け付けている。

 問い合わせは同部TEL0138-32-1730。(森健太郎)


◎函館市の純資産は2002億円

 函館市はこのほど、2010年度の市の財政状況を報告する「財務書類」を公表した。普通会計ベースの純資産は2002億6400万円(市民一人あたり約71万3000円=今年3月末現在)と試算、前年度からは約2億円増加している。

 財務書類は06年に総務省が示した指針を受けて毎年まとめているもので、公会計に企業会計の考え方を導入。①普通会計ベースで市の保有資産と、それをどのような財源で賄ったかを示す「賃借対象表(バランスシート)」、②資産形成に結び付かない行政サービスにかかる経費と、直接対価として得られた財源とを比較させた「行政コスト計算書」、③純資産の対前年度との変動を示す「純資産変動計算書」、④年度当初と年度末の資金増減を示す「資金収支計算書」の4種類がある。

 普通会計ベースで基金や出資金などの金融資産、土地・建物など有形固定資産を含む市の総資産は3821億3300万円(同136万円)で、前年度から20億8200万円減った。将来の世代が負担する負債額は1818億6900万円(同64万7000円)で、約84%を地方債が占めている。

 資産のうち、市民の持ち分割合を示す純資産比率は52・4%で、前年度から0・9ポイント増加した。 これに企業会計や一部事務組合、広域連合、第3セクターなどを加えた連結ベースの総資産は6218億3000万円(同221万円)、純資産は3064億4400万円(同109万円)、負債額は3153億8600万円(同112万円)となる。市財務部は「病院事業会計に多額の負債があり、普通会計よりも負債の割合が大きくなっている」とする。

 また、行政コストは1083億7000万円で、前年度から14億円の減少。社会保障給付などの「移転支出コスト」が全体の約55%を占めており、生活保護をはじめとする扶助費の増加が、主要因とみられる。(千葉卓陽)


◎スプレッドイーグル全国制覇 全日本フットサルU−15

 【岐阜】フットサルの第17回全日本ユースU−15大会(日本サッカー協会主催)最終日は9日、岐阜県岐阜市のの岐阜メモリアルセンターで決勝トーナメントを行い、北海道第3代表として出場したスプレッドイーグルFC函館が決勝でFCアルマ大垣(岐阜)を9−5で下して4年ぶり2度目の優勝を飾った。阿部修士監督は「内容は反省ばかりだが、外の大会では勝てなかったので、その思いが結果になった。よく頑張った」と選手をねぎらった。  (小林省悟)