2012年1月12日 (木) 掲載

◎スケトウダラ寒干し作業

 函館市南茅部地区で、スケトウダラの寒干し作業が盛んに行われている。木直や川汲など各町内の国道沿いの軒先には、専用の竿にずらりとつるされたスケトウが、寒風を受けて「カラカラ」と軽やかな音を響かせている。

 魚の水分を抜かす寒干しは、風にさらすことでうま味を凝縮させ、身を柔らかくすることができる。その風景は、スケトウ漁が行われる厳冬期の風物詩だ。

 尾札部町の漁業の女性(61)は、別の漁師の漁を手伝いお裾分けしてもらった200匹ほどを昨年12月から並べた。体長は35〜50センチ。食べごろは2月といい、女性は「身をたたいて食べるとおいしいしお酒にも合う。贈り物としても重宝しますよ」と寒さも気にせず作業していた。(長内 健)



◎障がい児・者3学園、統合施設の建設着々

 4月に開設予定の函館市立障がい児・者の3学園統合施設「はこだて療育・自立支援センター」(湯川町2)の建設が着々と進んでいる。2月1日からは、知的障害者施設のあおば学園(同)が完成した建物の一部を使用して事業を始める予定。市福祉部は「移設後のあおば学園の旧施設解体や、駐車場整備などを行って3月末までに完成させたい」としている。

 同センターは一元化による3学園の機能の連携強化や、障がい児・者の福祉推進の中心的な役割を担う施設として昨年2月に着工した。

 総工費は15億3600万円。鉄筋コンクリート造り2階建てで、敷地面積4736平方メートル。定員は計126人となる。建物はL字形。

 3学園のうち、青柳学園(青柳町4)は肢体不自由児通園施設で、あおば学園とともえ学園(日吉町3)は知的障害者施設。ともえは1962年に建築されるなど、いずれの施設も建築から40年以上経過しており、老朽化が進んでいた。  センターでは児童デイサービスや生活介護、就労継続支援(B型)など、3学園の事業を継続して行う。

 このほか、保育所、幼稚園に療育技術の提供などをする「障害児等療育支援」、日中活動系の「自立訓練(生活訓練)」、専門員を配置させ療育相談や生活指導を充実させる「相談マネジメント」の新規事業にも着手。情報提供機能、地域交流機能、保護者支援機能も拡充する。

 同部は「医療や教育など関係機関とのさらなる連携を強化していきたい。4月1日にはオープニングイベントも開く予定」としている。(後藤 真)



◎前田氏が自民8区支部長応募へ

 【松前】松前町の前田一男町長(45)は11日、次期衆院選への出馬を目指し、自民党道8区支部長の公募に応じる意向を固め、後援会幹部に伝えた。後援会も了承したため、週明けにも手続きをする。函館新聞の取材に対し、前田氏は「道南の疲弊を食い止めなければならない。ふるさと道南をいい形にして、次世代にバトンタッチしたい」と語った。公募は20日が締め切りで、応募する意志を明らかにしたのは前田氏が初めて。

 前田氏は「道南に15年間保守政治家がいなかったことで、道内の他地域に比べ経済が弱くなってきており、立て直す必要がある」と決断の理由を述べ、「(衆院議員は)町長の仕事の連続、発展。道南の発展のため、同じ思いでやっていきたい」とした。

 松前町長については4月の任期満了まで務める意向。公募に受からなかった場合については、町長選出馬の可能性を否定せず、「手を上げる以上は選んでもらうつもりで応募する。公募に受かるように全力を尽くすだけ」とした。

 前田氏は同日夜、町内で開かれた後援会の役員会の席上、「支部長への公募に応募したい」と自身の意向を伝え、役員らと協議。役員らも前田氏の意向を了承し、応援することで一致した。役員からは「他薦よりも、自ら名乗りを上げ政治信条を表明した方がいいのでは」などの声が上がったという。

 前田氏は同町生まれ。北大工学部卒で元道職員。2003年の衆院選道8区から無所属で出馬し、落選。04年の松前町長選に出馬し初当選。現在2期目。

 次期衆院選の自民党公認候補となる8区支部長の公募では、経済団体で前田氏以外の人物を候補として他薦する動きがある。(松宮一郎)


◎ゴッコ漁盛ん

 函館市恵山沿岸で、ゴッコ(ホテイウオ)漁が盛んだ。でっぷりとした魚体が刺し網にかかり、「見た目はいまいちだが、味は一級品。うんとPRして」と漁師は浜仕事に励んでいる。

 ゴッコは深海魚で、この時期に産卵のため海辺に近づき、渡島東部海域に多く生息する。ゼラチン質の皮と身に食感のいい卵は鍋料理に、地元では生干し焼きと煮付けが主流で「ゴッコを食べて今年一年の精をつける」と恵山の主婦。

 11日早朝に出漁した佐藤茂さん(58)は、雌11匹、雄15匹を水揚げ。「この時期にしてはまずまずの漁。最盛期の2月になれば100匹以上とれるから」と話していた。

 JFえさん山背泊支所によると、ゴッコは年明け早々に高値を付けることが多く、11日現在の浜値は雌1キロ500円、雄同300円。この日は120キロの水揚げがあり「出漁が少なかったので若干水揚げも少ないが、不漁とまでは言えない。豊漁でもなく、ほぼ例年並み」という。

 2月12日午前11時から、道の駅なとわ・えさんの広場で「恵山ごっこまつり」が開かれ、ゴッコ汁などが振る舞われる予定。(田中陽介)


◎函館バス社長に森氏

 函館バス(函館市高盛町)は11日、同社で臨時の取締役会を開催し、新しい社長に同社専務取締役の森健二氏(51)を選任。子会社の函館バス商会(同市昭和3)も同日に臨時取締役会を行い、新社長に常務取締役だった伊東進氏(61)を選任した。どちらも前社長の寺坂伊佐夫氏が死去したことによる。

 人事はどちらも同日付。函館バスの森氏は江差町出身。1979年に江差高校を卒業し、80年に同社入社。バス事業部長や常務取締役などを経て、2011年6月から専務取締役を務めた。就任に当たり森氏は、さまざまな改革を行った前社長の功績を念頭に、「経営理念を引き継ぎ、地域の公共交通機関としての役割をきちんと果たしていきたい」と述べた。

 函館バス商会の伊東氏は、1969年に沼田高校(空知管内)を卒業。91年トーヨータイヤ函館販売(現函館バス商会)に入社し、2008年6月から常務取締役。09年6月から函館バス取締役を務める。(小泉まや)