2012年1月14日 (土) 掲載

◎寒さこらえ祈りの水ごり…みそぎ祭り開幕

 【木古内】木古内町の佐女川神社で13日、「寒中みそぎ祭り」が開幕した。雪が降り続く中、地域の繁栄を祈るため、行修者の若者4人が水ごりを繰り返し、心身を清めた。水ごりは最終日の15日まで昼夜を問わず続けられる。

 寒中みそぎは、同神社で180年以上続く伝統の神事。今年の行修者は、会社員の竹田俊輔さん(22)、専門学校生の久保田翔さん(19)、大学生の藤原哲朗さん(20)、消防士の宮下知哉さん(20)の4人。

 午後6時から始まった参籠(さんろう)報告祭で野村広章宮司が祝詞を読み上げ、行修者が鍛錬に入ることを神に報告。同50分に行修者は下帯姿で境内に現れ、「行くぞ」「おう」の掛け声と同時に冷水をかけ合った。気温はマイナス6度で、集まった町民らは、寒さをこらえ引き締まった表情を見せる若者らに大きな拍手を送っていた。

 行修者になって4年目の竹田さんは「最後の年なので後輩3人の手本となるようにしっかりと鍛錬したい」と話していた。14日は午後5時45分から「みそぎ行列」。15日昼に行修者がご神体を持って海に入る「海水沐浴」で祭りはクライマックスを迎える。(松宮一郎)



◎徴収7年連続1億円超え…渡島・桧山税滞納整理機構

 函館市を除く渡島・桧山管内1市16町の市町税の滞納整理を引き受ける「渡島・桧山地方税滞納整理機構」(渡島合同庁舎2階)の2011年度徴収額が昨年12月末現在で、1億391万円となり、7年連続で1億円を突破した。12月末での1億円超えは04年4月の機構設立以来初めて。徴収率も12月末としては過去最高の34・77%となった。

 徴収額1億391万円の内訳は、差し押さえが2797万円、納税誓約納付分が3023万円、任意(自主)納付が4571万円。徴収率は前年同期に比べ1・05ポイント上回った。前年度は11年1月末現在で1億210万円となったが、本年度は前年度より1カ月早く大台を達成した。

 1市16町から282人(法人を含む)、2億8324万円の処理困難な事案を引き受けた。同機構は「徹底した財産調査と早期滞納処分が、徴収額の確保に効果を上げている」とする。

 差し押さえは175人から456件(前年最終実績184人、475件)。内訳は預貯金267件、給与29件、生命保険117件、年金10件、不動産賃料14件、還付金5件、動産4件、不動産7件、その他3件。換価額は2797万円(同4282万円)。

 納税誓約は89件で、計5598万円。完了13件、誓約中70件、不履行6件となっている。

 自治体が滞納者に「今後は機構が徴収業務を行います。徹底した徴収が行われます」と通知した後に納税があった事前予告効果額は1億173万円。機構処理効果額(分割納付の残り分を含む)は1億2966万円で、効果額合計は2億3139万円。自治体の負担金(3934万円)に対する効果率は5・88倍。

 また、本年度は不動産の公売が初めて成立、不動産を売却し引受額に充当した。

 同機構は「財産が不明なもの、差し押さえ可能財産の少ないものが増えており、昨年の東日本大震災の影響や経済情勢の悪化などから、今後は一層の取り組み強化が必要」としている。(山崎大和)



◎船舶海難、前年同の13件…函館海保管内 昨年の事件・事故

 函館海上保安部は13日、昨年の事件・事故の発生状況をまとめた。船舶海難は前年と比べ増減はなかったが、3年ぶりに死者を伴う漁船転覆海難が発生。事件での送致件数は減少傾向にあるものの、一般人によるレジャー期の密漁が後を絶たず、同海保では「漁業者らが大切にしてきた水産資源を荒らす行為は絶対にやめてほしい」と話している。

 ●事件

 同海保では105件(前年比18件減)、54人(同6人減)を送検。逮捕を伴う強制事件はなかったが、全体の約8割が一般人によるウニやアワビ、ホッキ貝などを狙った密漁だった。

 ●船舶海難・人身事故

 船舶事故の件数は13件で前年と変らなかったが、1月下旬に函館市山背泊漁港沖で、ホテイウオ(ゴッコ)刺し網漁船が転覆し、夫婦2人が死亡する事故が3年ぶりに起きた。そのほか、同市恵山岬沖では、操業中のイカ釣り漁船から出火し、沈没した海難などもあった。乗組員2人は無事だった。

 乗船者の人身事故は4人と前年より12人減少。海浜事故も8月中旬に松前町の海岸で遊泳中の女性が死亡する事故などがあったが、前年比10人減の17人にとどまった。同海保では「啓発活動が一定の効果を生んだ。1件でも悲惨な事故をなくすため、救命胴衣着用の徹底などを強く呼び掛けていきたい」としている。(小杉貴洋)


◎サクラマス豊漁に期待…恵山

 函館市恵山地区で、高級魚のサクラマスが釣れ始めた。JFえさん山背泊支所では例年、1月下旬から2月の厳冬期にかけて最盛期を迎え、「今年も順調な出だし」と豊漁に期待がかかる。

 同支所では組合員の大半が一本釣りで銀りんを狙う。ピーク時は1日で1・5トンと魚さばき場がサクラマスであふれることも珍しくない。

 恵山では年明けから漁が本格化し、恵山と御崎の両地区沖合が好漁場だ。同支所によると、サクラマスの浜値は1キロ300円〜1300円とほぼ例年並み。

 連日、夜明け直後に出漁し、午後4時ごろに帰港するという細田英樹さん(76)は「大きなマスが釣れたときの針先の感触は最高。刺し身やフライのほか、肉の代わりにカレーライスに入れて食べてもおいしい」と話していた。

 漁は例年、5月の連休直前まで続く。(田中陽介)


◎親睦深め発展誓う…市町会連合会で新年交礼会

 函館市町会連合会(奥野秀雄会長)の2012年新年交礼会が13日夜、ベルクラシック函館(梁川町4)で開かれた。各町会の役員や来賓など271人が出席し、料理を楽しみながら親ぼくを深め、町会活動への意気込みを新たにした。

 開会の言葉に続き、市民憲章の唱和が行われた。奥野会長は「今年は辰年。昇り竜のように元気良く、そして目標を大きく持って大胆に町会活動に取り組んでほしい。今日は有意義な時間を過ごしてください」とあいさつ。来賓の工藤寿樹市長は「皆さんのように元気な高齢者が果たす役割が重要になってきています」と感謝を述べた。

 祝宴に移り、北海道出身で演歌歌手の杉尾聖二さんが持ち歌を披露。プロの歌唱力に会場は盛り上がった。

 その後、町会役員らのカラオケや「はこだて賛歌」の合唱を行い、料理や酒を味わいながら談笑し、出席者たちは交流を深めていた。(柏渕祐二)