2012年1月16日 (月) 掲載

◎大門キッズスタジアム 来場者10万人突破

 JR函館駅前の活性化や子育て支援を目的とした屋内施設「大門キッズスタジアム」(若松町、WAKOビル5階)への来場者が15日、10万人に達した。2010年7月のオープンから約1年半を経ての達成で、子育て世代からの高いニーズを裏付けている。

 10万人目となったのは、函館市大川町の藤野奈々子さん(36)と長女の愛純さん(7)、二女愛美ちゃん(2)、長男颯介ちゃん(6カ月)の親子。同施設の高松勇輝マネージャーから感謝状と、子どもの成長を記録する木製の身長計などの記念品が贈られた。午後1時過ぎに訪れた藤野さん親子は、突然の歓迎に驚きながらも喜び、奈々子さんは「3〜4カ月に一度のペースで来ている。子どもを室内で伸び伸びと遊ばせられるのがいい」と笑顔で話していた。

 同施設の運営費は国のふるさと雇用再生特別交付金で賄っており、市が同ビルを運営するNAアーバンデベロップメント(布村隆二社長)に事業を委託している。有料と無料の各区画に、子育て情報や休憩スペース、クライミングウォールやボールなど多彩な遊具を備えたプレイコーナーがある。

 国からの補助金は本年度で終了するものの、子育て世代からの支持が高いだけに、市経済部は「国の委託・支援制度を活用していきたい」とし、来年度以降も事業を継続していく方針。(千葉卓陽)



◎寒中みそぎ祭り最終日 厳寒の海で祈り

 【木古内】木古内町佐女川神社の「寒中みそぎ祭り」は最終日の15日、行修者4人が海に飛び込む「海水沐浴(もくよく)」が行われた。国道228号沿いのみそぎ浜には、約3500人の観客が集まり、海の中で祈りをささげる若者たちに大きな声援と拍手を送った。

 13日から水ごりを繰り返してきた行修者は、会社員の竹田俊輔さん(22)、専門学校生の久保田翔さん(19)、大学生の藤原哲朗さん(20)、消防士の宮下知哉さん(20)の4人。

 午前11時50分ごろ、4人はご神体を抱えみそぎ浜に現れ、海に向かって一斉に走り出した。正午ごろの気温はマイナス6度、水温は2度。沖まで泳いでご神体を清めるために水をかけ合い、豊漁や豊作、地域の繁栄を祈った。

 海からあがった行修者は大勢の観客の前で最後の水ごり。竹田さんは何度も冷水を浴び、4年間の大役を終えた。観客にも水をかけると、大きな歓声が沸き起こった。

 同町の観光大使を務める伊藤忠商事の高杉豪北海道支社長は「初めて見たが迫力があった。いろんな場所でPRしたい」と興奮気味。北斗市の会社員、横山紀子さん(57)も「行修者の姿に感動した。精神的な強さを感じた」と話していた。(松宮一郎)



◎タブレット端末で授業 附属中学校で3学期に試験導入

 道教育大学附属函館中学校(相田幸男校長、生徒355人)は3学期、NTTドコモ北海道支社函館支店の協力を得て、スマートフォン(多機能型携帯電話)タブレット端末を使った授業を展開する。同支店によると、こうした試みは道内で初めてといい、教育現場に情報通信機器を活用した新たな取り組みとして注目を集めそうだ。

 コンピューターなどのデジタル機器を含んだICT(情報通信技術)による教育は全国の学校に広がりつつある。同校でも、多種多様なスマートフォンタブレット端末を授業に生かせないかと考え、同支店に相談。協議を重ねて合意に至り、約3カ月間にわたって各教科で実践しながら活用法を研究する。

 実際に授業で使用するのはドコモタブレット「GALAXY Tab」。サイズ7インチと手軽に持ち運びのできる大きさで、インターネットサイトの閲覧や専用のアプリケーションをダウンロードした電子書籍、音楽などさまざまなアプリを楽しめ、45台が提供される。同支店の阿部智幸さんは「教育現場でどのような活用があるのか、そのニーズを把握したい」と話す。

 今回の取り組みで同支店は、情報機器を使うための無線LAN環境の構築などを考えたいとし、同校は総合的な学習や校外学習での活用(調べ学習、電話、GPS機能、プレゼンの作成など)を探るという。また、授業の復習などができるようにネットで授業の動画を配信する取り組みも視野に入れている。

 同校の奥崎敏之副校長は「企業や社会の変化のスピードは速いが、学校の時代に応じた実践や改革のスピードはなかなか上がらない状況にある」とし、「今回の取り組みが、学校を今という時代に追いつきつなげる大切な礎になれば」と期待を込める。

 また事前に教員を対象にした研修会や生徒を対象に使い方などを伝える講習も開く予定。同校は「スマートフォンタブレット端末を導入した新しい切り口から生徒に心の大切さを伝えていきたい」と話している。(平尾美陽子)


◎三世代300人ぺったん! もちつき楽しむ

 幼児から高齢者までがもちつきを通じて交流する「三世代交流もちつき交流会」が15日、函館市総合福祉センター(若松町)で開かれた。家族連れら約300人が楽しみ、つき上がったもちを雑煮やきな粉もちにして味わった。

 同センターを利用する老人福祉センター、中央母親クラブの共催で毎年この時期に開催している。各団体の職員、会員や近隣の町会関係者が運営委員会をつくり、準備や調理をした。

 最初に児童センターの大原哲弘館長が「昔ながらのもちつきをぜひ楽しんで」とあいさつ。運営委員が見本を見せた後、子どもたちが2グループに分かれてぺったん、ぺったん。臼に入ったもちを順番にきねで5〜10回ついた。きねの重さによろけたり、間違って臼の縁をたたいてしまう子どももいたが、皆楽しそうにきねを振り上げていた。

 つきあがったもちは早速、雑煮やきな粉をまぶして食べた。花巻香奈美さん(28)の長女双葉ちゃん(3)、次女若菜ちゃん(2)は「おもち大好き。おいしい」と笑顔を見せていた。千歳町会長で、運営委員長の村瀬幸雄さん(89)は「三世代がつながりを持って和気あいあいと楽しんでくれることが何より」と話していた。(鈴木 潤)


◎トレイン・オン・トレイン基地誘致で知内町長がJR北海道社長に要請

 【知内】知内町の大野幸孝町長は15日、貨物列車を新幹線に積み込んで運ぶ「トレイン・オン・トレイン」の基地誘致をめぐって、19日に札幌市を訪れJR北海道の小池明夫社長に要請することを明らかにした。また、その際に建設費の一部負担と用地の無償提供などの提案をする考えを示した。

 大野町長は15日から町内で始まったふれあい懇話会で基地誘致活動の取り組みについて説明。固定資産税の算入を念頭に、「相当な財政効果がある事業。まちづくりの新たな目玉であり、最重点課題。30億円の積立金の一部から応分の負担をして基地を誘致したい。(小池社長には)その準備はできている、ということを伝える」と述べ、建設費の一部を負担する意向を示した。

 また、基地を現在の知内駅周辺と想定し、町有地などを含む用地の無償提供、アクセス確保のための周辺の道路整備も提案する考えも明かした。

 トレイン・オン・トレインは、新幹線開業後の貨物輸送高速化、新幹線の減速を回避する手段として、JR北海道が研究開発を進めている。同社はこれまで、「札幌延伸決定後」としていたが、政府が年度内の延伸着工認可の方針を示したことや小池社長が導入に意欲を示していることなどから、町は誘致活動を強める機が熟したと判断した。

 19日の要請活動は大野町長をはじめ、松井盛泰町議会議長、基地整備促進期成会の斉藤仁会長らが、同社のほか、JR貨物、道新幹線対策室、道運輸局を訪れる予定。(松宮一郎)