2012年1月20日 (金) 掲載

◎「応用情報処理技術者試験」函商高の2人合格

 函館商業高校(難波繁之校長、生徒634人)情報処理科3年の松岡拓弥君(18)、木村愛香音さん(17)が国家試験「応用情報処理技術者試験」に合格した。同校から合格者が出るのは初めて。2人は「毎日の勉強が合格につながった。とてもうれしい」と喜んでいる。

 試験は独立行政法人・情報処理推進機構がIT分野の人材育成のために実施。応用情報処理技術者試験はシステムエンジニアやプログラマーを主対象にし、問題は情報関係の知識を試す内容。高校生での合格は難しいとされており、指導した岩上公作教諭は「高校生の合格者が出るのは県内で1人いるかいないくらい」と話す。

 試験は昨年10月にあり、12月に結果が届いた。全国の合格率は23.6%、北海道は17.5%。このうち道内の高校生の合格者は2人を含めわずか3人しかいない。

 2人は1年の2月から国家試験に向け、学習を始め、2年にITパスポート試験に合格。東日本大震災の影響で7月に伸びた基本情報技術者試験にもクリアした。その後も教員の勧めや3年間の学習の成果を出そうと、3カ月後の応用情報処理技術者試験の勉強に取り組んだ。放課後や夏休み期間を活用し、10月に北大水産学部で実施された試験に臨んだ。改行 同校では7人が受験し、うち松岡君と木村さんが見事に合格を果たした。2人は「当日は会場の雰囲気に緊張し、試験にあまり自信がなかった。通知が届いてやっと合格したという実感が湧いた」と話す。

 松岡君は「大学でさらに上を目指したい」、木村さんは「合格したことで自分の自信につながった」と話している。(平尾美陽子)



◎「バス」一転「鉄道維持」…江差線並行在来線対策協

 2015年度の北海道新幹線開業に伴い、JR北海道から経営分離される江差線五稜郭—木古内間(37.8キロ)の運行形態を協議する、第7回道南地域並行在来線対策協議会が19日、渡島総合振興局で開かれた。道は昨年10月の前回会合で示したバス転換から一転して鉄道維持を提案するとともに、JR北海道からの支援などを得て、30年間で約18億円の赤字圧縮が可能との見解を示した。一方で「1対1」に設定した負担割合の見直し案は示さず、道は2月に提示する方針を示した。

 協議会には道の高井修副知事と工藤寿樹函館市長、高谷寿峰北斗市長、大森伊佐緒木古内町長が出席。高井副知事は新幹線札幌延伸に関し、並行在来線の経営分離に同意した自治体への謝意を述べるとともに、江差線について「地域の足を考えるとバス転換は問題があるとの意見があった。鉄道方式で経費縮減がどの程度図れるのか検討してきた」とあいさつした。

 道はその上で、昨年12月に試算した収支の見直し案を公表。鉄道方式では当初、30年間の累積赤字額を69億5000万円と見込んでいたが、JRに対し鉄道資産や中古車両の譲渡などを要請し、同社から簿価による有償での譲渡や、第3セクター開業時の出向者派遣などの回答が得られたことを明らかにした。

 これら支援策を踏まえ、30年間の赤字額は約18億円圧縮され51億6000万円、開業から10年間では15億1000万円と推計。開業当初から赤字経営が見込まれるため、道は「開業後一定期間が経過した段階で、事業形態を再検討する」とした。

 3市町は鉄道維持方針を歓迎するとともに、負担割合の早期提示を求めた。高谷市長は「鉄道を検討していただけるので全く異存はない」と評価した一方で「まだ圧縮できる。並行在来線そのものの支援を手厚くしてもらうよう、国に求めてほしい」と要望。工藤市長も「鉄道方式は歓迎するが、函館—新函館の分離で難渋したのは、道の負担がはっきりしないから。道が主体的役割をしっかりと果たしてほしい」と注文した。

 また、大森町長は「負担割合『1対1』を見直す提案がなかったのは寂しい。決まらなければ、住民への説明ができない」と訴えた。

 道は今後、2月中旬をめどに協議会を開いて新たな負担割合を提示、3月に方向性を決定する方針。(千葉卓陽)



◎大間原発「無期限凍結を」…工藤市長 24日、国などに要望

 函館市の工藤寿樹市長は19日の定例記者会見で、青森県大間町で建設中の大間原発について、今月24日に東京の民主党本部や経済産業省、事業者の電源開発を訪れ、建設再開の無期限凍結や函館を含む関係自治体の同意を求めることを明らかにした。北斗市、七飯町の首長らも参加し、正式な文書とともに要望する。

 同様の要望活動は昨年6月に続いて2回目。前回は高橋はるみ知事と工藤市長の連名で、国や事業者に情報提供を求めることが主眼だったが、今回は建設の無期限凍結や建設再開時の関係自治体の同意の必要性を口頭ではなく「文書ではっきり申し合わせる」(工藤市長)という。

 国や民主党に対する要望書では①福島第一原発の事故原因を徹底的に解明し、その結果を国民に説明する②国のエネルギー政策について原子力からの脱却も含めて抜本的な見直しを図る③大間のような建設中または計画中の原発は無期限で凍結する④半径30㌔の範囲内の自治体の同意がなければ、大間原発の建設再開をさせないよう国が関与する—の4点を求めている。

 この時期に要望活動を行う背景には、前回時から首相が交代したことに加え、11月に青森県の検証委員会が大間原発の安全対策を妥当と報告し、大間町長も経産省に建設再開を要請したことなどもあるとみられる。今回の要望には道が名を連ねず、工藤市長は「泊(原発)を抱える中で道として凍結とまでは打ち出し難いのでは」と述べた。

 今回の要望活動には工藤市長のほか、能登谷公函館市議会議長、北斗市、七飯町の両首長、議長の計6人が参加。訪問先の対応者は調整中という。(森健太郎) 


◎道南の再試験対象64人…センター試験問題配布ミス

 大学入試センター試験の「地歴・公民」で問題冊子の配布ミスがあった問題で、道内では北大会場などでトラブルがあったことが18日、発覚した。道南では北大水産学部試験場が含まれており、同会場の再試験対象者は64人。同大の小泉信隆学務部長は「センターの指示の下、最善の策を取っていた。ミスをしたという認識はなかった。受験生に不安を与えてしまい、謝罪して済む問題ではない」と戸惑いを隠せない。

 今回から試験方式の変更により「地歴・公民」の2科目受験者には、試験開始前に地歴と公民それぞれの問題を同時に配布。解答順は受験生自身がそれぞれ当日に決めることになっていた。

 同大で地理歴史、公民の2科目を受けたのは札幌2会場(受験者140人)、函館・水産学部の1会場(同64人)。このうち札幌の1会場と函館水産学部の会場では、1科目の終了後、「2科目分の問題冊子を配っていないのでは」と受験生の指摘を受け、間違いがわかった。同大によると函館・水産学部の会場では、「地理歴史」だけを選択する受験生も混在しており、1人にだけに配布ミスがあった。  一方、札幌の別の1教室では試験監督者が2科目分の問題冊子を配っていないことに気が付いた。  同大では、大学入試センターと協議の上、試験終了後にトラブルのあった受験生のうち、希望者に救済措置を取っており、今回の事態を受け小泉学務部長は「何が原因だったのかきちんと分析していきたい」とする。

 現在は同センターの指示のもと、再試験対象者204人に再試験の希望確認を取り、203人に確認済み。21日に行われる再試験には函館からは5人が希望している。  また、道南ではほか、道教育大函館校、公立はこだて未来大が試験会場となっていたが、問題配布ミスなどのトラブルは起きていない。(平尾美陽子)


◎韓流楽しんで…函館山ロープウェイ、来月イベント

 函館山ロープウェイ(函館市元町)は2月、「ランチdeムービー 韓流スペシャル」を初開催する。ロープウエー往復乗車券とランチ、韓国映画観賞がセットになった安価なチケットを販売。昨年12月に定期便の運航を再開した大韓航空の利用を促進する狙いがあり、同社は「少しでも追い風にしたい」と話している。

 大韓航空の函館—ソウル(仁川)間の定期便は東日本大震災のため昨年12月まで運休していた。現在は震災前と同じ週3往復が飛んでいるが、この利用を促進して安定した運航につなげようと今回のチケットを企画した。

 映画の上映日は2月の毎週火曜日(7、14、21、28日)4日間で、いずれも午前11時からクレモナホールで。作品はすべて異なり、初回から順に「四月の雪」(2005年、ぺ・ヨンジュン主演)、「大統領の理髪師」(04年、ソン・ガンホ主演)、「私の頭の中の消しゴム」(同、チョン・ウソン、ソン・イェジン主演)、「トンマッコルへようこそ」(05年、チョン・ジェヨン主演)とした。

 同社ではこれまでも往復乗車券とランチをセットにしたチケットを販売している。今回の企画ではランチは1種類となるが、同じ金額1500円で、さらに映画を観賞できる。またランチのないチケット(1160円)も用意し、それぞれ各日先着50人に窓口で販売する。予約は不可。また利用者には抽選で、ソウル観光ガイドやプリペイドカードなどをプレゼント。利用後に大韓航空を利用した旅行をJTB窓口で申し込んだ先着10人に韓国で使えるプリペイドカードを贈る。

 販売時間は午前9時50分から。同10時50分までに乗車すると映画上映に間に合う。問い合わせは同社TEL0138-23-3105。(小泉まや)