2012年1月21日 (土) 掲載

◎「団結して上を目指す」北斗市産トマト10億円突破で記念式典

 【北斗】北斗市産のトマトの販売額が昨年初めて10億円を突破したのを記念した式典と祝賀会が20日、函館市湯川町1のホテル「湯元啄木亭」で開かれた。生産者、市場関係者、行政関係者ら約150人が出席。新函館農協の畠山良一代表理事組合長は「生産者の努力、関係者の協力のたまもの。さらに11億円、12億円を目指して頑張っていきたい」と述べた。

 北斗市中野通の共同選別施設は上磯、大野地区産のトマトの規格を統一し、産地ブランド確立を目指して2009年に完成。施設に持ち込む際に厳しい着色基準を設け、形状や糖度を機械で自動選別した上で箱詰めし、出荷している。稼働初年度の同年は約8億2000万円、10年は約9億1500万円を販売。順調に取り扱い実績を伸ばし、昨年は2868㌧、販売額10億2841万円となった。

 式典で、高谷寿峰市長は「共選施設によりロングラン出荷が可能となり、市場からも高い評価を受け、快挙を成し遂げた。生産者の高い技術力のたまもの」とあいさつ。中川義雄前参院議員、長尾信秀道議、池田達雄市議会議長が祝辞を述べた。

 新函館農協の青山敏郎大野上磯地区運営委員長は「栽培技術の研さんを積み、今後も上を目指して団結して取り組んでいく」と述べ、北斗市野菜生産出荷組合トマト部会の渡辺登部会長は「良質なトマトを作ることをモットーに相互で助け合い、道内を代表するトマト産地としてまい進する」と決意を新たにした。

 続く祝賀会では、関係者が「10億円」「達成」と書かれたたる酒の鏡開きを行い、祝杯を挙げた。  (今井正一)



◎公立高 願書受け付け開始

 道内の公立高校2012年度入試の願書受け付けが20日、各校で始まった。函館市内・近郊の10校は、函館中部高校での一括受領方式のため、同校には午前9時半から各中学校の担当者が訪れ、手続きを済ませていた。

 道教委によると、2012年度の募集定員は渡島管内全日制2520人、定時制240人、桧山管内は全日制のみ320人。

 函館近郊の一括受領は、中学校の利便性などを配慮したもので、中部高のほか、市函高、西高、商業高、工業高、水産高、稜北高、大野農高、上磯高、七飯高の合わせて10校が利用している。

 中部高には市内・近郊から約40校が訪れ、受験生一覧表や願書などを提出し、事務手続きを行った。受け取った担当者は資料をチェックし、記載漏れなどがないか1人ひとり丁寧に目を通していた。24人分の願書を提出した函館宇賀の浦中学校の高神典子教諭は「全員の合格を祈りながら届けた」と話す。

 また、2012年度限りで募集停止が決まっている戸井高校でも午前9時から受け付けがスタート。同校は「受け付けが始まったばかりなのでどれだけ集まるか分からない。1人でも多くの人に来てほしい」と話していた。

 出願は25日正午まで。27日の出願状況発表後、出願変更期間を経て、2月14日に最終的な出願状況が判明する。(平尾美陽子)



◎自民8区 支部長公募締め切る 応募は前田松前町長のみ

 自民党道8区支部が次期衆院選に向けて行っていた支部長公募が、20日午後5時で締め切られた。応募したのは松前町長の前田一男氏(45)のみで、同支部は今後、候補者選考委員会を開いて検討に入るが、そのまま前田氏で決定する公算が高まっている。

 支部長ポストは次期衆院選で自民党公認候補者となる。8区支部は公募に際し、①25歳以上②自薦、他薦を問わず30人以上の推薦者名簿(うち10人は自民党員)を提出③選挙区にゆかりのある人—を応募条件に設定。前田氏は66人から推薦を集め、18日に自薦で応募している。公募をめぐっては道南地区農協組合長会が厚沢部町出身の荒木真一氏(45)=長谷川岳参院議員秘書=の推薦を目指したが、荒木氏は「保守一本化が必要」として辞退している。

 同支部の川尻秀之支部長代行は「慎重に検討していきたい。21、22日中に選考委員会の日程を決めたい」と話している。同支部は外部関係者による選考委員会と支部の役員会を経て、決定内容を党道連に上申する。(千葉卓陽)


◎道南マイカ漁過去5年で最少 

 函館近海での今季のスルメイカ(マイカ)漁がほぼ終了した。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)が昨年6〜12月に取り扱った生鮮スルメイカは4695トンとなり、過去5年(2006〜10年)で最も少なかった。金額も、過去5年で2番目に低い13億4243万6000円と伸び悩んだ。津軽海峡に来遊するスルメイカが年々減っているとの指摘もあり、道南のイカ釣り漁業は厳しい現実に直面している。

 道南のスルメイカ漁は6月に解禁され、漁期は1月末まで。今年1月の取扱量は28トン(19日現在)と少なく、月合計でも100トンを下回る見通し。函館市漁協(橘忠克組合長)は「2月からの刺し網漁の準備をする船も出てきた」とし、スルメイカ漁の終わりを告げる。

 同市農林水産部によると、同市場での取扱量は6月が125トンと低迷、7月が728トンと回復したが、8月が597トン、9月が528トンと振るわなかった。ピークの10月が1072トン、11月が1040㌧と2カ月続けて1000㌧を超えたものの、12月が606トンと再び伸び悩んだ。

 同漁協は「海水温が高めで、イカの活動に適した水温が津軽海峡には形成されなかった」とみる。例年だと低気圧や台風の通過により海水がかくはんされ、水温が下がるケースが多いが、今季はそれがなかったという。また、今季は11、12月にしけの日が多く、漁に出られなかったことも影響した。

 一方、昨年は道東、オホーツク海でスルメイカが大豊漁。本来なら太平洋を北上した群れが、秋以降に道東方面から津軽海峡へ南下してくるが、「今季は〝戻りイカ〟の津軽海峡への来遊が少なかった」と同漁協。イカの群れが道東、オホーツク海に達し、漁場が形成されたとみられる。

 同部によると、昨年6〜12月の1キロ当たりの平均価格は286円で、過去5年で3番目に高かった。同漁協は「漁業者にとっては厳しいシーズンながらも、単価高にカバーされた」としている。(山崎大和)


◎夢膨らむ新入学準備 学習机やランドセル…豊富なカラー人気

 函館市内・近郊の家具店などは、新入生の入学シーズンに合わせて、特設コーナーを設置した。春に入学を控え、胸躍らせる子どもたちや、成長を期待する両親らでにぎわいを見せている。

 家具の菱乃実(函館市石川町2)では昨年11月から新作学習机フェアを開催している。大人になっても使うことができる、机と書棚が分かれる分離型が主流という。引き出しや椅子のカラーが15色の中から選べるものが一番人気。そのほか、高級家具メーカーが作った、天然木使用の高級感あふれる頑丈な机が注目されている。

 祖父母が購入し、誕生日プレゼントとして渡すケースが多い。価格は3万9800円からで、売れ筋は7万9800円のカラーバリエーション豊富なもの。入学前の3月末に納期が集中している。担当の古山正幸さんは「昨年からランドセルの取り扱いも始め、各メーカーを用意している。ぜひご来店を」と呼び掛けている。

 イトーヨーカドー函館店(同市美原1)では、ランドセルコーナーに子ども用のフォーマルウェアを陳列。入学式に合わせた紺やグレーなどの落ち着いた色が人気で、中には卒業式用に買っていく人もいる。ランドセルは21色を用意し、価格は3万9800円から。女子は焦げ茶色にピンクのステッチやライン、男子には黒か紺に青や緑のステッチが入ったデザインが昨年から人気を集めている。4万円前後が多く売れ、A4ファイルに対応した大きいサイズを選ぶ人が多い。

 同店では昨年11月に1回目のピークを迎え、今月末に2回目のピークを予想している。「早目に買わないと欲しい色が選べなくなる」という口コミが広がり、年々売れる時期が早くなっているという。

 ダイエー上磯店(北斗市七重浜4)は、高機能モデルのランドセルを販売。背中に当たる部分のクッション素材を改良し、体感重量が軽減されるものを売り出し、全国無料配送を行っている。学習机と同時に3色選べる回転チェアーを取りそろえ、購入を促す。価格は3980円。そのほか、シューズケースや巾着などの袋類も。文房具関係の学習グッズは2月以降に動きがあると予想している。 (柏渕祐二)