2012年1月24日 (火) 掲載

◎ギョーザ作りで日中友好 留学生ら「春節」新年祝い交流

 函館日中友好協会(東出隆司会長)が主催する中国の正月を祝う「春節聯歓会」が23日、函館市青年センターで開かれた。同協会メンバーや学生41人と在函の中国人留学生約20人が参加した。

 この行事は、在函の中国人留学生と一緒にギョーザ作りを行い、新しい年を一緒に祝おうと旧正月に合わせて毎年開催。東出会長は「それぞれの希望や抱負、夢などをかなえられるような一年になってほしい」と話す。

 ギョーザ作りは生地をこねる作業から始まり、棒状にして包丁で小さく切り分け平たく伸ばし、具を包んでいった。参加者はギョーザ作りを行いながら、中国語や日本語を交えた会話を楽しんだ。

 その後、完成したギョーザは全員で試食。中国で放送される年末番組を見ながら、新しい一年を祝った。

 参加した呉美琴さん(ウ メイチン)さんは「出身地では旧正月にギョーザを作る週間はなかったので、みんなと作れて楽しい。こねたり練ったりする作業がとても面白い」と声を弾ませていた。

 今年度は、日中国交正常化40周年の節目に当っており、記念の行事「周恩来写真展」を3月23日から4日間、函館市地域交流まちづくりセンターで予定している。(平尾美陽子)



◎函館市、不要市有地売却に本腰 本年度は2億円超に

 函館市は自主財源の確保と財産の有効活用を図る目的で、不要になった市有地の売却に本腰を入れている。本年度はすでに12件を売却するなど好調で、最終的な売却額は2億円を上回る見通し。また本年度からは、入札が不調に終わった物件を随意契約で売却できる新たな要綱を設けて対応している。市は「利用目的がなくなった物件を積極的に売却するとともに、売却機会の拡大に努めたい」と話している。

 市財産管理課によると、例年、市有地の売却で1億円から1億5000万円の収入があり、財源調整基金と減債基金の積み立てに充てている。本年度は当初予算で3件分、1億9400万円を計上するとともに、年2回だった一般競争入札を3回に増やした。

 これまでに亀田中学校横の教員住宅跡地や湯川保育園跡地など12件を売却しており、すでに予算額を確保した。今月31日には東消防署花園出張所跡地(花園町、1177平方メートル)や海技学校跡地(広野町、999平方メートル)など4件で入札を実施する。

 売却方法は一般競争入札が基本で、随意契約は国、道や土地の隣接者などを対象に行ってきた。しかし、近年は一般競争入札が不調に終わるケースが増加、一方で申し込み期間とのタイミングが合わず、結果的に売却機会を逸する事例が生じていた。

 このため昨年4月から、売却機会拡大を目的に先着順で申し込みを受け付け、受理者と随意契約を結べる独自要綱を設けた。本年度はこれを使って7件を売りに出しているが、これまでに販売実績はない。市は7件中2件で売却価格を下げ、再度一般競争入札にかけている。

 同課は「消防施設の統廃合が予定されるほか、余った道路用地などが残っている。今後も売れる土地を出しながら、自主財源を確保していきたい」と話している。(千葉卓陽)



◎市立函館病院高等看護学院 入試範囲外から問題出題 理科17問 除外し採点へ

 市立函館病院高等看護学院(木村純学院長)は23日、21日に同校で行われた来年度入学試験で、理科(生物Ⅰ)科目の67問中17問に、範囲外の問題が出題される不手際があったと発表した。当日の受験生は276人だった。記者会見で木村学院長は「不手際を起こし、受験生にとって大変申し訳ないことをした」と陳謝した。

 発表によると、試験問題は外部の教育機関が作成。同日の1次試験は4科目が行われ、このうち理科(生物Ⅰ)の17問で、試験範囲外の生物Ⅱの問題が出された。試験終了後に受験生から「(範囲外の)生物Ⅱも問題に出ている」と指摘を受け、担当者が外注先に確認したところ、不手際が発覚した。受験者の内訳は道南が157人で、道南以外が119人だった。

 同校は「試験問題の内容については外注先を信用していたので、学校独自でのチェックはしていなかった」と説明。再試験は実施せず、出題範囲外の17問を除いた50問によって採点し、合否を判断する。1次合格者による2次の面接試験は27日に行われる。

 今回の試験問題は同校のみで使用されており、原因は調査中。同校は、受験生が在籍する学校などを通じ問題の経緯を説明するとともに、謝罪の文章をホームページに掲載する予定。同校は「今後依頼先に注意喚起するとともに、別の機関によるダブルチェック体制を検討したい」としている。(後藤 真)


◎給食に地域色 全国の郷土料理堪能 市内小中学校

 24日からの全国学校給食週間に合わせて、函館市内の小・中学校では全国各地の郷土料理を献立に加えた給食が取り入れられている。23日には、函館亀田中学校(見澤敏弘校長、生徒666人)で郷土料理週間が始まり、生徒たちは地域食豊かな味を楽しんでいる。

 同週間(1月24日〜同月30日)は1951年に始まり、学校給食の充実発展を図ることなどを目的に、全国各地で取り組まれている。

 函館市内の学校では以前は個々で取り組んでいたが、函館市栄養教育研究会にメンバーが所属する市内の小・中学校19校では、昨年から3年計画で1月に郷土料理週間を設け、統一して実施している。児童・生徒に郷土に関心を深めてもらうことなどを目的に、年度ごとに地方の郷土料理を選定。2年目となる今回は、関東・中部・近畿地方の料理を献立に盛り込んだ。

 同校ではこの日、粕汁(兵庫県)とかんぴょうの卵とじ(栃木県)のメニューが登場。2年2組の教室では同校の栄養教諭の伊藤綾子さんが、かんぴょうの栄養・効能などについて解説。生徒たちは講話を聞きながら郷土料理を堪能し、「おいしい」と食器を空にしていた。

 工藤泰斗君は「毎日違う地域の料理を食べることができうれしい。明日からも楽しみ」と笑顔で話していた。改行 今後同校では、みそ煮込みうどん(愛知県)、治部煮(石川県)などが献立となっている。(平尾美陽子)

 

◎市民歌舞伎 稽古に熱 来月12日に初春巴港賑

 2月12日午後1時から函館市民会館(湯川町1)で開かれる市民歌舞伎「初春巴港賑(はつはるともえのにぎわい)」第34回公演の稽古が本格化している。今年は市民ら約40人が出演予定で、11年ぶりに忠臣蔵の外伝「義士外伝・神崎東下り」2幕、17年ぶりに「梶原平三誉石切」をメーンに、全4演目を披露する。

 実行委(今均委員長)、市文化・スポーツ振興財団が主催(函館新聞社など後援)。道南の各界名士が歌舞伎を演じる市民参加型の事業で、新春を祝う恒例行事として長く市民に親しまれている。

 「義士外伝|」前半の「峠茶屋強請の場」は、赤穂浪士・神崎与五郎則保が馬方の丑五郎にからまれる場面から始まる。偽侍とののしられ土下座させられる屈辱に耐えながら、切りかかることのできない立場に神崎は悔し涙で詫び状を書く。

 続く「丑五郎改心の場」で丑五郎は、敵討ちを果たした赤穂浪士の活躍について語る講釈師から神崎の存在を知る。神崎に対する過去の行為を悔いて男泣き、出家を決意して亡き神崎の墓を訪ねる。演出担当の市川団四郎さんは「東京でもほとんど上演されない演目。講釈師の語りも楽しいですよ」と紹介する。

 「梶原平三—」は、娘の梢のために金が必要な六郎太夫が持ってきた名刀をめぐる物語。是が非でも刀を売ろうと試し切りの切られ役を買って出る六郎太夫と梢の親子愛や、刀の目利きである梶原が父娘を助けようと一計を案じる男気が見どころ。このほか、恒例の口上や、「白浪五人男〜稲瀬川勢揃いの場〜」も予定している。

 梶原役の今さんは「『梶原—』はシリアスな内容だけに『義士外伝—』とは違う楽しみがある。所作やリズムが非常に難しい役だが本番まできっちり仕上げたい」と意気込んでいる。

 チケットは2000円。市民会館や市芸術ホールなどで販売中。問い合わせは同会館TEL0138-57-3111。(長内 健)