2012年1月28日 (土) 掲載

◎函水高の実習船 ハワイへ出航

 函館水産高校(村松裕史校長)の実習船「北鳳丸」(ほくほうまる、664トン)が27日、ハワイに向け函館港から出航した。市内海岸町のふ頭で出航式が行われ、実習生は見送る家族や同級生らに航海での成長を誓った。

 乗船したのは海洋技術科海技コースと機関工学科機関コースの2年生合わせて42人。マグロはえ縄資源調査などの実習を行う。教員と乗組員の合わせて約30人が同行する。

 式には実習生の家族や全校生徒約500人が参加。松村校長は「辛いことや困難なことがあるかもしれないが、それを乗り越えた時は一回りも二回りも大きく成長してるはず。自己管理に気をつけて頑張ってほしい」と激励。実習生代表の矢口太基君(2年)は「頑張ってきます」と力を込めた。

 生徒らを乗せた北鳳丸は午後3時ごろ、「体に気をつけて」「頑張ってこい」と保護者らの歓声に送られながら出航した。

 実習船は、日本時間の2月19日にホノルルに入港する。帰りは静岡に立ち寄り、3月11日に帰港する予定。(平尾美陽子)



◎新函館駅デザイン案公表…北斗らしさイメージ

 【北斗】北斗市は27日、北海道新幹線新函館(仮称)駅の駅舎デザイン案を公表した。鉄道・運輸機構が示したA〜C案の3点は、市が要望したコンセプトに基づき、新駅南口の駅前広場方向から見たデザイン。各案に北斗市らしさや人々の交流やつながりを生む玄関口としてのイメージが組み込まれた。「新幹線新駅周辺空間デザイン審議会」(会長・韮沢憲吉函館高専名誉教授)などの意見を聞き、3月下旬までに高谷寿峰市長が推薦案として1案を同機構に回答。2013年夏ごろに建設工事が始まる見通し。

 デザイン案は、同日の市議会北海道新幹線建設促進・地域振興調査特別委員会(水上務委員長)で市が報告。2010年7月に同審議会が、「自然と共に呼吸(いき)する モダンで温かみのある駅」とするコンセプトを市長に答申し、市が同機構に要望していた。今月18日に同機構から各案が示され、2月7日の同審議会で審議される。

 A案は「人々を温かく迎え入れる 開かれたエントランスの駅」。前面がガラス張りで、トラピスト修道院のポプラ並木をイメージしたフレーム構成とした。B案は「積極的な交流を誘う 温かみのある大屋根の駅」。大屋根をテーマに、大屋根から木漏れ日のような光が降り注ぎ、人々を包み込む。C案は「豊潤な大地を抱擁する おおらかな丘の駅」。広大な空を眺めることができる大屋根は、周辺の丘の稜線(りょうせん)を意識し、緩やかな曲面に仕上げた。

 この日の特別委で、市は駅舎には化粧壁材としてセメント、内装に道南スギなど、地場産の材料を使用してもらう考えを示した。各委員は、3案とも特色を生かしたデザインであると評価し、「A案のポプラ並木とC案の丘陵をイメージした屋根が北斗らしさを表している」「外観にも木のぬくもりがほしい」などの参考意見が出された。(今井正一)



◎全日制普通科 上磯が最高1.7倍…公立高出願状況

 道教育委員会は27日、2012年度の公立高校入試出願状況を発表した。道南の全日制普通科の倍率は、上磯が最も高い1・7倍で、次いで函館西1・4倍、函館中部、七飯、市立函館が1・3倍と続いた。桧山管内では江差、桧山北が1・0倍で、他の2校は軒並み定員を割っている。

 募集定員に対する出願者数の合計は、渡島管内の全日制は2520人に対して2931人で、平均倍率は前年度と同じ1・2倍。全日制のみの桧山管内は320人に対し284人と下回ったが、平均倍率は前年度比0・1ポイント増の0・9倍。渡島管内の定時制は募集240人に対して72人が出願し、平均倍率は前年度を下回る0・3倍となった。改行 推薦枠が人気だったのは募集64人に対して86人が出願した市立函館、続いて同32人に対して37人が出願した函館西。全日制普通科の中で2校のみが募集定員を上回った。

 職業科では、函館工業の電子機械、情報技術、環境土木が1・8倍といずれも高く、同校全体でも1・6倍となった。電気科は1・4倍と前年度の2・0倍より下回ったが、同校は「中学校側は過去の倍率を参考にしていると思うので、昨年倍率が高かった科は翌年下がる傾向がある」と話す。

 出願変更の受け付けは、30日〜2月3日。一般入試の学力検査は3月6日、合格発表は、同16日。(平尾美陽子)


◎回遊性高いまちに…中心市街地活性化素案

 函館市は27日、中心市街地活性化法に基づき策定する「函館市中心市街地活性化基本計画」(2013年4月〜18年3月)の素案をまとめ、公表した。「市民生活と歴史・文化、観光が融合した回遊性の高いまちづくり」を基本コンセプトに、定住人口の確保や商業機能の活性化などに取り組む。具体的には旧グルメシティ五稜郭店(本町)やWAKOビル(若松町)の再開発、朝市ドーム改築など43項目の事業を掲げた。

 同計画について話し合う法定協「市中心市街地活性化協議会」(会長=永井英夫函館商工会議所副会頭)を同日函館商工会議所で開催し、明らかにした。パブリックコメント(意見募集)などを経て内容や事業費を詰めた後、13年3月に内閣府の認定を受ける。

 計画対象区域は、JR函館駅前・大門地区から本町・五稜郭・梁川地区にまたがる約200ヘクタール。旧計画区域より約150ヘクタール拡大する。

 中心市街地の課題として人口動向や商業・にぎわい、都市機能、交通などを挙げ、これらを解決すべく①居住促進のための魅力ある生活空間の創出②商業と公共の連携によるにぎわいある集客拠点の創出③回遊しやすい環境づくりで交流を生む都市空間の創出—の3点を基本方針とした。回遊性は、内閣府からの指摘を受けて特に力を置く。

 実現に向け、市主体と民間合わせて43事業を示した。うち新事業は24で、駅前・大門地区ではWAKOビルを立て替えての再開発や、駅前通り、ボランティアセンター、高齢者サロンを整備し、朝市内のドーム施設を建て替える。

 本町・五稜郭地区では、旧グルメシティを立て替えて若者の居場所や小劇場などを整備。旧グルメシティ開発について市経済部の入江洋之参事は「現在所有者と協議中だが、市がより積極的にかかわる」とした。両地区で居住や空き店舗活用を進め、市電の安全地帯上屋・スロープ、バス停上屋を整備する。

 会議では「大門も五稜郭もすでに魅力のない土地になっているが、補助制度や優遇策をつくれば事業者にとって魅力となる可能性がある」という厳しい意見や、「大型の商業施設を誘致してはどうか」という提案があった。(小泉まや)


◎函館で積雪35センチ

 冬型の気圧配置が続いたことで、道南は冷え込みが厳しくなり、断続的な雪となった。函館海洋気象台によると、函館は日中の最高気温が氷点下5・5度にとどまり、午後7時までの最低気温は同11・2度。同時刻現在の積雪は今冬最高の35センチに達した。

 同気象台によると、道南の昨年11月から1月26日までの累積降雪量は、福島町千軒407センチ(平年比101%)、厚沢部町鶉397センチ(同124%)、八雲町八雲395センチ(同118%)、函館214センチ(同102%)で平年より多く、森165㌢(同67%)、江差145センチ(同84%)は少なくなっている。ただ、27日の積雪量はすべてで多くなっており、函館は平年比146%、最も積雪が多い福島町千軒は午後7時現在118センチ、同比144%となっている。

 同気象台によると、28日以降も寒気の影響を受け、雪の日が多くなる見込み。函館市青柳町で除雪をしていた男性は「まだまだ(雪が)続くと思うので、除雪で毎朝起きるのが辛くなる」と話していた。

 札幌管区気象台が27日に発表した向こう1カ月の天候の見通しによると、平年に比べ強い冬型の気圧配置となるため、気温の低い日は2月下旬まで続く見込み。函館も3日ごろまで、最低気温が氷点下10度前後となるとしている。(山崎純一)