2012年1月29日 (日) 掲載

◎障害者も函館観光満喫

 物理的、心理的な障壁を克服して身体障害者に観光を楽しんでもらうバリアフリーツアー「函館〜札幌二都交流スタディーツアー」が28日、始まった。札幌市バリアフリー観光推進事業の実証・調査を目的としたモニターツアーで、30日まで函館と札幌の観光スポットを巡る。初日は札幌から車いす利用者や片まひの障害者ら9人が函館市内を訪れ、中島れんばいふれあいセンター(中島町)で行われた屋台イベントを楽しんだ。

 全盲の写真家、大平啓朗さん(32)が開設した観光案内所「ふらっとほ〜む」と、札幌でバリアフリー観光を行う旅行会社「HKワークス」が企画したツアーで、同ほ〜む初の受け入れ事業。

 一行は札幌からリフト付きバスに乗って函館入りし、最初に同ふれあいセンターで開催されている「中島れんばい横丁」を訪問。一行が到着すると大平さんが迎え入れ、一緒に事業を行う高島啓之さん(42)が歌を歌って歓迎した。

 参加者は飲食物を食べながら歓談したり、フラメンコのライブを観賞。大平さんも全国を一人旅した時に撮影した写真を紹介しながら参加者と交流した。参加者のリクエストで、中島廉売内の市場も見学し、大平さんが案内した。

 参加者の一人で、NPO法人札幌アシストセンターマザーの利用者、庄司充子さん(58)は「函館は2回目。今回はきめ細かなサポートがあったので移動も苦になりませんでした。れんばい横丁は温かみがあって良かった」と笑顔。大平さんは「初めてだったけど皆さんが楽しんでくれて良かった。参加者同士が友達になってくれれば」と期待を寄せた。

 HKワークスの岩崎智子さん(49)=日本UD観光協会理事=は「障害者が積極的に発信することで、健常者との間にある目に見えない壁や遠慮を取り除くきっかけになるはず。物理的なバリアフリーよりも、心のバリアフリーが大切です」と話す。

 29日は函館からの参加者も合流し、五稜郭タワーなどを見学する。 (鈴木 潤)



◎自民8区 支部長に前田氏推薦

 自民党道8区支部は28日、次期衆院選候補となる道8区(渡島・桧山管内)支部長に、松前町長の前田一男氏(45)を党道連に推薦することを決めた。道連からの上申を経て、早ければ2月中旬にも党本部が正式決定する見通し。前田氏は「道南を豊かにしていきたい。地元のために働きたい」と述べ、衆院選出馬に強い意欲を示した。

 8区支部はこの日午後、函館市内のホテルで外部関係者ら18人で構成する支部長選考委員会(委員長・佐々木俊雄道議)と支部役員会を開催。選考委員会には14人、役員会には12人が出席し、それぞれ前田氏と面接した。支部長代行の川尻秀之道議は、選考委員会、役員会とも「満場一致で決まった」と明らかにするとともに、推薦の理由として「2期8年の行政経験があり、管内の事情を十分把握されている」と述べた。今後は2月上旬にも道連で役員会を開き、党本部に上申する流れとなっている。

 前田氏は役員会終了後、党関係者から直接通知を受けた。取材に対し「支えてくれた人々の思いを受けとめ、一層頑張りたいとの思いを強くした」と話すとともに、「経済や防衛など、国の根幹を立て直す必要がある。道南で強い自立経済を打ち立てるため、保守勢力の結集を実現したい」と、長年懸案となっている保守一本化に取り組む姿勢を示した。

 前田氏は1966年松前町生まれ。北大工学部卒。2003年に無所属で衆院選道8区に出馬し落選。04年の松前町長選に出馬して初当選し、現在2期目。支部長公募をめぐっては、道南地区農協組合長会が長谷川岳参院議員の秘書で、厚沢部町出身の荒木真一氏(45)の推薦を決めたが、同氏が辞退し、応募は前田氏のみだった。 (千葉卓陽)



◎冬も快適 カーグッズ

 函館市内のカー用品店などには、冬のカーライフを快適にするためのグッズが数多く並び、ドライバーたちの人気を集めている。

 函館市美原2のネッツトヨタ函館美原店では、融雪剤などによる車の下回りのさびを防ぐ「ラストプロテクター」(1万9800円〜)を売り出している。電子の力でさびを防止するもので、手のひらほどの大きさの装置を取り付けるだけ。従来の下回りをコーティングする商品とは違い、はがれる心配もないことから、港町の函館では年齢を問わず多くのユーザーから支持を得ているという。担当の米満行寿さんは「コーティング済みの車にも効果を発揮するのでお薦めです」と話す。

 そのほか、洗車後にスプレーして拭くだけで、ボディーにガラス成分を定着させ、艶を深めて汚れを付きにくくさせる「ゼロウォーター」(1575円〜)や、救急セットや止血パッドなどのもしもの時に役立つグッズコーナーを設置して購入を促している。

 函館市本通3のジェームス本通店も新商品を多数並べている。同店2階に冬期限定の特設コーナーを設置。スノーブラシや冬ワイパーなどの必需品が売れる中、従来のものより短時間で充電ができ、省燃費にもつながるバッテリーが人気を集めている(8980円〜)。

 そのほか、冬の定番エンジンスターターでは、車内の温度が一定になると、エンジンをストップさせる新機能が追加されたものに注目が集まっている(2万3800円〜)。売り場担当の山田誠さんは「冬に役立つ商品を品数豊富に取りそろえているので、ぜひご来店を」と呼び掛けている。(柏渕祐二)


◎スリップ続出で冬道の怖さ実感

 冬道運転のコツを学ぶ講習会が28日、函館市西桔梗町の函館中央自動車学校(小山芳照校長)で開かれた。雪道の運転に不慣れな初心者ドライバーら55人が参加し、急ブレーキや急ハンドルでスリップする冬道の怖さを体感した。

 同校が修了して間もない学生や市民らを対象に毎年この時期に無料で開いている。実技に先立ち、指導員が危険な場所や非常時の対処法を解説したり、シートベルトの衝撃体験や発煙筒のたき方などを実演したりする講習も行われた。

 校内の教習コースを使った実車講習では、想定外の障害物を避ける走行や急ブレーキを体験したが、止まり切れずにダミー人形に衝突する受講生が続出。ハンドルを切り過ぎて縁石に乗り上げる女性ドライバーもいて、雪道路面の危険を目の当たりにしていた。

 昨年8月に免許を取得した函館高専3年の福田愛友(あゆ)さんは(18)は「初めての冬道運転で、遅いスピードでも結構滑った。早めにブレーキをかけ、焦らないで運転したい」と気を引き締めていた。(森健太郎)