2012年1月31日 (火) 掲載

◎ガゴメ使い親子で料理

 函館特産のガゴメコンブを子どもたちに知ってもらおうと、函館市人見町の人見保育所(佐々木淑子所長)で30日、4、5歳児15人と保護者を対象にした「親子クッキング」が開かれ、ガゴメ入りのパンケーキ作りに挑戦した。

 同保育所の食育の一環で、ガゴメの普及を進める函館地域産業振興財団が協力した。調理に先立ち、財団の職員がガゴメコンブの特徴や食べ方を紹介する手作りの紙芝居を披露し、水に浸したガゴメ特有の強い粘り成分も実際に触って体感した。

 この日は水で戻したガゴメの細切りを市販のホットケーキミックスの生地に練り込み、ホットプレートで焼き上げた。色とりどりのエプロン姿の子どもたちは上手にケーキを裏返したり、味付けの生クリームを顔に付けたりしながらはしゃいでいた。

 工藤夏穂ちゃん(5)は「おいしくできた。おうちでママと作りたい」とにっこり。母弥生さん(38)は「味にくせがなく、食感ももちもちして面白い。おやつ感覚で栄養が取れるのがいい」と話していた。同保育所では年度内に年長児の卒業記念にガゴメ入りののり巻き作りを行う予定。(森健太郎)



◎授産製品の認知6割、めぐる市アンケート結果

 授産製品を約6割の人が知っていて、購入理由として最も多いのは手作り—。渡島総合振興局が行ったアンケート調査でこんな結果が明らかになった。年齢別にみると、10代の認知度が低いことから、若年層への周知が課題として浮かび上がった。

 同振興局は昨年9〜12月、函館市内の5会場で開いた授産製品をPRする「めぐる市〜おしま授産製品2011」と、北斗市内で同9、11月に行われた福祉イベントで、授産製品に対する認識やニーズを把握するため、来場者アンケートを実施。来場者に記入してもらう方式で、612人が回答した。

 アンケート結果によると、約6割が授産製品を知っていると答え、50代、60代の認知度が他の年代より高いことが分かった。また、授産製品という言葉は知らなかったが、障害者が作った製品は知っていると回答した人も多く「今後、授産製品を広めていく上で、広報方法について検討する必要がある」(社会福祉課)とした。

 購入理由を聞いたところ、手作りが20%と最も多く、価格が17%、品質が15%、デザインが15%の順。同課は「社会貢献ではなく、市販品と同様に『いいものが欲しい』という視点で購入している」と分析。購入しなかった理由では「欲しいものがない」が最も多く、購入意欲のわく商品開発も重要となっている。

 回答者の8割が授産製品を購入していて、10代で購入割合が低かった。購入製品は、工芸品など雑貨が323件で最も多く、クッキーなど菓子類が147件、パン・ラスク類が98件と続き、手軽に購入し消費できるものが多く売れた。

 授産製品の言葉のイメージでは「障害者が作っている製品」「手作り」「心がこもっている、暖かい」「丁寧」と答えた人が多かった一方、クッキーやパンなど製品名を具体的に挙げる人もいた。

 アンケートは、同振興局が本年度から3カ年で取り組む「おしま授産製品パワーアップサポート事業」の一環。授産製品のアピールを通じ、製品の販路拡大と障害者の賃金向上を目指す「めぐる市」には5回で計2900人が来場、約148万円の売り上げがあった。同課は「専門家の意見を取り入れ、アンケート結果を年度内に各事業所へ報告する。これを基に、売れる商品作りにつなげてほしい」としている。(山崎大和)



◎函館市議会、新年度から政調費10%削減へ

 函館市議会は新年度から、議員一人あたり1カ月5万円が交付されている政務調査費を10%削減し、月4万5000円とする方針だ。市の厳しい財政状況に伴う行財政改革の一環で、2月下旬開会予定の第1回定例市議会で、関係条例の改正が議員提案される見通し。

 この日行われた市議会の議会運営委員会(金沢浩幸委員長)で、事務局が新年度予算案での要求額を提示し、明らかになった。政務調査費は本年度予算で1860万円を計上しているが、実現すれば240万円の削減となる。

 市議会事務局によると、削減は議会各会派の幹事長レベルで話し合われ、市の財政状況を考慮して行革に協力する方向で一致。同委員会は次回の会合で取り扱いについて協議することを決めた。

 政務調査費は議員の調査研究に必要な経費の一部として市が各会派に交付する。議員一人当たりの交付額は06年度から2万円引き下げており、現在は月5万円。使用した調査費は1円から領収書を貼付し、各会派が市に報告している。

 同委員会ではこのほか、昨年市と姉妹都市提携した高陽市(韓国)との議員交流に向けて訪問団を編成する方針が示された。新年度予算には124万円を要求しており、議員7人を派遣して経済、文化、スポーツ交流の調査に当たる考え。(千葉卓陽)


◎五稜郭協議会プロジェクト、マネジメント会社設立など提案

 函館市五稜郭地区のまちづくり団体、新都心五稜郭協議会の「やっぱり五稜郭プロジェクト」(小笠原勇人リーダー)は30日、同地区の活性化に向けた提言書を工藤寿樹市長に提出した。地域のまちづくりを担うマネジメント会社の設立や、本町交差点のスクランブル化など、各種施策を盛り込んでいる。

 同プロジェクトは2010年4月に発足。市などが中心市街地活性化基本計画の策定作業を進める中、提言書を葉昨年9、10月に計3度開催したワークショップ(座長・木村健一公立はこだて未来大教授)で出されたアイデアや活性化策をまとめた。

 活性化への基本方針として「五稜郭トランジットモール構想〜商業施設と文化施設が融合した回遊性の高いまちづくり」を掲げており、重点具体策として25項目を提案。新年度、13年度からの事業実施を目指す。

 新年度ではこのうち、同地域のまちづくりを担う会社設立をはじめ、旧グルメシティ五稜郭店の再活用、本町・五稜郭と梁川、中島の商店街や公共施設を回る循環バスの運行、空き店舗やスペースを活用した生涯学習などの複合センター「はこだて五稜郭大学」の創立などを掲げた。13年度には本町交差点のスクランブル化や市民や観光客が歩いて楽しめる「はこだて七夕祭り」の開催、駐車券付きポイントカードの発券業務などを盛り込んでいる。

 工藤市長は提出を受けて、「人が集まる仕掛けづくりが大切。中心市街地活性化策に取り込めるものを取り込んでいきたい」と応じていた。リーダーの小笠原さんは「少しでも早く会社を作り、並行してさまざまなことに取り組みたい」と話していた。(千葉卓陽)


◎藍綬褒章受章祝賀会、中島氏の功績たたえる

 2011年秋の褒章で藍綬褒章(矯正教育功績、教誨師)を受章した、函館少年刑務所教誨師会顧問で、函館八幡宮の中島敏幸宮司(81)の受章祝賀会が30日、ホテル函館ロイヤルで開かれ、関係者約350人が出席し、中島氏の長年の功績をたたえた。

 発起人代表として函館八幡宮崇敬会の村上幸輝会長が中島氏の受章に至る経歴を紹介し「今後も健康に留意し、さらなる活躍を祈念する」とあいさつ。続いて工藤寿樹函館市長が「矯正事業のみならず、地域貢献の大きさに感服する。今後もご尽力をお願いしたい」とお祝いの言葉を贈った。

 中島氏は受章を記念し、市と函館更生保護協会に寄付金を贈呈し、工藤市長らから感謝状を受けた。続いて同八幡宮敬神婦人会などから記念品が贈られた。

 中島氏は「受章は身に余る光栄で、皆さまのご指導、ご協力、矯正事業へのご支援のたまもの。栄誉に恥じることなく今後も確固たる信念、情熱を持ち、課せられた使命に取り組んでいきたい」と謝辞を述べた。

 中島氏は1931(昭和6)年佐賀県生まれ。75年から同刑務所教誨師として活躍。76年から同八幡宮宮司。これまで教誨師として神社本庁や法務大臣などから表彰、功労感謝状を受けている。(山崎純一)