2012年2月11日 (土) 掲載

◎留学生と地元学生、かまくら作り

 北海道国際交流センター(HIF)の「国際交流冬のつどい」で道南を訪れている留学生らが10日、函館市青少年研修センター(ふるる函館)でかまくら作りに挑戦した。地元の大学生と力を合わせ、かまくら4基を製作。吹雪にも負けず、冬ならではの遊びを満喫していた。

 冬のつどいは今回で9回目で、台湾や韓国など世界13カ国72人が参加している。7日から森町に入り、そりやワカサギ釣りなどを体験してきた。9日に留学生一行は、ホームステイ組とふるる合宿組に分かれ、11日はプリン作りやもち付きなどを体験し、12日に羽田空港へ向かう予定。

 この日は、合宿組の留学生27人と地元大学生13人が参加。かまくら作りでは、膨らませた風船を入れた上に雪をかけて製作した。風船を割って取りだすと内部が空洞になったかまくらができ、数人が入ることができた。

 昼食では豚汁を作り、指導を受けながら材料を切ったり、みそを溶いたりする作業も和気あいあいと進めた。完成した豚汁は、かまくらで食べたり、食堂食べたりと交流を深めていた。

 台湾から留学している李國維(リ・コクイ)さんは「みんなでわいわいできて楽しい。外は寒いけど、心はあたたかい」と話ていた。(平尾美陽子)



◎新年度から函館市、債権回収の取り組み強化

 函館市は新年度から、国民健康保険料や保育料など、税外収入の未収金対策を強化する。各部局がこれまで、債権回収対策室と共同で徴収に当たってきた国保料、保育料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の4債権を新年度から同室に移し、より積極的に徴収強化に取り組む構え。同室は「負担の公平性確保の観点から、より強い姿勢で差し押さえや催告を行っていく」と話している。

 市は未収債権に関し、納付している市民との公平性確保と取り組み強化の徹底を目的に、2008年10月に同室を設置。自力執行権を持つ国保料、介護保険料、保育料の3債権は担当課と共同で滞納整理を行ってきたほか、それ以外は各部局に対し、徴収強化に向けたノウハウ提供や指導を行っている。

 新年度からは4債権に関し▽滞納額が高額▽催告に応じない▽差し押さえが可能な収入や財産を有する—人を対象に、同室が滞納整理を担当する。市が抱える債権の数が74(一般会計・特別会計63、企業会計11)と多く、「合同で行っていると効率が悪い」(同室)ことを移管理由としている。

 昨年度決算ベースでは市全体で112億円の滞納額を抱えており、国保料41億9968万円、保育料3億660万円、介護保険料6990万円、後期高齢者医療保険料で4848万円。個人では国保料で130万円、保育料で150万円、後期高齢者医療保険料で80万円、介護保険料で13万円が最高滞納額としている。

 対象者には2月17日から対策室への移管予告書を送付し、納付しない場合や相談に応じない場合は、勤務先や銀行などに対して給与、貯金、生命保険などを調査し、財産差し押さえなどを行っていく考え。対象は国保料30件、介護保険料21件、後期高齢者医療保険料と保育料は各10件。同室は「これまでの指導、助言中心の業務から性格を変え、悪質な滞納者に対する催告や差し押さえを、さらに強く行っていきたい」と話している。(千葉卓陽)



◎4月開園「はこだて療育・自立支援センター」報道陣に公開

 4月に開園する函館市立障害児・者の3学園統合施設「はこだて療育・自立支援センター」(湯川町2)が10日、報道陣などに公開された。広々とした空間と暖色、最新のバリアフリー設備で利用者を優しく迎え入れる。3月の完成を予定しており、4月からは3学園とも同施設で事業を行う。

 昨年2月に着工し、鉄筋コンクリート造り2階建て、総工費は15億3600万円。青柳、あおば、ともえの3園の連携強化、障害児・者の福祉推進の中心施設に位置付ける。職員50人体制で運営し、利用者の定員は126人。

 施設の廊下は幅約2.5メートルと広く、床や壁は木目や明るい色で統一。1階の玄関そばには吹き抜けで約130平方メートルの「ふれあいホール」を設け、利用者や保護者の憩いの場とする。各階には利用者以外に健常者も利用できる「みんなのトイレ」を設置した。

 このほか、1階には1日約100食分を利用者に提供する調理室も設置。このほか、インターネットが利用できる情報提供スペースや各種創作活動の場となる訓練室、保育室も設けた。発達障害に関わる常勤医師も1人配置する。  2月からはセンターに隣接するあおばが建物の一部を使用して事業を始めている。10日現在で33人が登録しており、登録者はほぼ毎日通っているという。  市福祉部は「保護者からは立派な建物と好評を得ている。医療などの関係機関との連携を今まで以上に強化したい」と話している。(後藤 真)



◎「にっぽん丸」が函館寄港

 クルーズ船「にっぽん丸」(2万2472トン)が10日朝、函館港西埠頭(ふとう)に寄港した。船内では歓迎のセレモニーや交流イベントが行われ、同日夜の出港時には岸壁にキャンドルをともして見送った。函館港に冬季間、客船が入港するのは初めて。

 同船の寄港は昨年7月以来で、今回はさっぽろ雪まつりなど冬の道内を満喫する5泊6日の船旅の一環。全長166.6メートル、8階建て相当のフロアを備える同船は乗客約400人を乗せ、7日に横浜港を出港した。

 歓迎セレモニーで函館運輸支局の大関哲雄次長は「安全で思い出深い旅になるよう冬の道南を存分に楽しんで」とあいさつ。久葉誠司船長らに花束のほか、さきいかや七飯町・大沼のワカサギなどの記念品を贈った。夕方の船内ではききょう幼稚園の園児約40人がいか踊りを披露し、乗客との交流を深めた。

 乗船客の横浜在住の女性(65)は「函館は空気がきれいで、住んでいる人がうらやましい。子どもたちの歓迎も胸に響いた」と話していた。出港時には岸壁で市民ら手作りのワックスキャンドルが「HAKODATE」の文字に浮かび、幻想的な雪景色の中、午後10時に横浜に向けて出港した。(森健太郎)


◎渡辺病院で学童保育実施へ

 函館渡辺病院(函館市湯川町1、増岡昭生院長)は4月1日から、院内保育所「ふじ保育園」で学童保育を行う。子育てをしながら勤務する看護師らに安心して仕事をしてもらおうと新たに態勢を整え、小学1〜3年の児童を受け入れる。

 同保育園は職員向けに開設した病院直営の施設で、0歳から6歳までの未就学の乳幼児を対象に24時間体制での保育を行っている。だが、ここ数年、卒園後に子供の預け先がないとの理由で女性看護師ら医療従事者の離職が相次いでいたことから対策を検討していた。

 昨年10月、子育て中の職員約80人を対象にアンケートを実施したところ、6割から「学童保育があれば利用したい」との回答が得られ、昨年12月下旬に院内で協議し、学童保育の実施を決めた。すでに職員に概要を説明し、利用の受け付けをしている。

 学童保育は同保育園2階のホールで行い、学習机10台ほどを設置。教員免許を取得している専任保育者を1人配置し、保育士と連携しながら学習、遊びの指導や、季節ごとの行事を行う。

 利用時間は平日が学校終了後から午後6時まで(延長は同8時まで)。土曜、日曜、祝日は午前8時から午後6時まで。希望者には食事を用意するほか、平日は専用車で学校から保育所までの送迎も行う。

 同病院の浜田聡事務局長は「子育て中の職員が安心して働ける一助になれば。子どもの安全確保に留意しながらしっかり運営したい」と話している。(鈴木 潤)