2012年2月16日 (木) 掲載

◎ミスはこだて“ピンチ” 応募者ゼロ、22日まで募集延長へ

 函館の顔≠ニして親善大使となる「ミスはこだて」が存亡の危機に立たされている。新年度のコンテストの応募締め切りが18日に迫ったが、15日現在の応募者はゼロ。各地のミスコンが廃止、縮小の波にさらされる中、主催する函館国際観光コンベンション協会は「開催以来の危険水域」として募集期間の延長を決めたが…。第33代ミスはこだての行方は—。

 ミスコンは函館の観光、物産を全国でPRしてもらおうと、1980年から始まった。開始当初は50人以上の応募があったが、2008、10年は過去最少の13人にとどまり、その後も09年19人、11年20人と応募者が低調傾向にある。05年からは毎年のように応募期間を延長している。

 背景には女性の社会進出や景気低迷で会社務めの女性が活動しにくい側面がある。一定の拘束期間もあり「厳しい経営環境にある企業の協力が得にくくなっている」(同協会)。道内では旭川市の「ミス旭川」が08年で廃止され、札幌市の「ミスさっぽろ」も今年3月限りでの廃止を決めた。

 廃止の理由について、札幌観光協会は「応募者、派遣の依頼数とも減少し、一つの役目を終えた」と説明。旭川市も「会員企業にお願いして勤務する女性に応募してもらっていたのが実情」(旭川商工会議所)、「経費を負担するイベント主催者が減り、活動の場が限られてきた」(旭川観光協会)と打ち明ける。

 函館市は年間400万円の運営委託料を補助してきたが、厳しい財政事情を踏まえ、新年度から100万円程度を縮減。新年度からは現行の3人から2人に初めて削減する。ミスは年間で移動日も含めて延べ200日程度の活動だが、同協会は「人数が減ることで実働日数が増え、1人当たりの謝礼金は増えるはず」と話す。

 同協会は11日に現役ミスによる応募者向けの相談会も初めて企画したが、参加者は現れなかった。昨年は募集延長前まで応募者が4人だったが、延長後には20人に増えたこともあり、同協会は「延長することで応募に当たって心理的なハードルが下がる効果もあるのでは」とみる。

 ミスコンは市内・近郊在住の18歳以上の未婚女性が対象で、任期は4月〜来年3月末の1年間。審査会は25日。希望者は同協会や市役所などで配布している所定の応募用紙を、22日(必着)までに同協会に持参または郵送する。同協会は「ミスコンは美人コンテストではない。視野を広げ、人間として成長できるチャンス」と懸命のアピールだ。問い合わせは同協会TEL0138・27・3535。(森健太郎)



◎幹線道路 渋滞解消せず…函館市内 除雪の苦情殺到

 大雪がいったん収まった13日以降、函館市内の幹線道路は日中、激しい交通渋滞が生じ、市民生活への影響が続いている。道路の両側に積み上がった雪山で道幅が狭くなったほか、寒さが緩んだ影響でザクザク路面が目立つ。市などには除雪に関する苦情や要望が急増し、市民のいらだちもピークに達している。

 函館市内の男性商店主(65)は「こんな長い車の渋滞は近年珍しい」。店前の市道をノロノロと走る車を見てつぶやいた。店はバス通りに面するが、道路両脇に積もった雪山は残されたままで、渋滞の一因とみる。男性は「大きな事故は起きていないが、いつ何があるか分からない」と市に早めの対応を求める。

 スーパーマーケットの配達業務を行う女性(33)も「ここ数日、配達の時間に間に合わないなどトラブルが増えている。車を一時的に停車する場所を探すのも苦慮している」と、常に気をもみながらハンドルを握る。

 市には13日に約250件、14、15日もそれぞれ150件以上の苦情や要望が寄せられ、職員が対応に追われた。

 市の除雪体制は、主要なバス路線や幹線道路、交通量の多い幹線道路を優先的に行い、新雪除雪の場合、10センチ以上の降雪などを基準に出動する。ドカ雪の場合を除いて、通常の作業は交通の支障を避けるために深夜から通勤・通学が始まる午前7時ごろまでに終了させる。

 8日〜12日まで激しい大雪に見舞われ、幹線道路の除雪も苦戦し、生活道路にはほとんど手が回らなかったという。道幅が狭くなったうえ、13日以降は気温が暖かくなったのが影響し、ザクザク路面で状況はさらに悪化し、渋滞を助長させる一因にもなっている。

 大川町会の新谷則会長(76)宅にも「早く除排雪してほしい」との苦情が1日4、5件寄せられ、「生活道路には一度来てくれただけ。八幡通りなどの幹線道路やバス路線を優先するのも分かるが、生活道路も道幅が狭く、雪山による死角は歩行者やドライバーにとって大変危ない。早く何とかしてほしい」と力を込める。

 市維持課は「あと少し待ってほしい。今の状況を解消できるよう努めたい」と話す。(鈴木潤、長内健、柏渕祐二)



◎新幹線事業 規模拡充…北斗市新年度予算

 【北斗】北斗市は15日、2012年度の予算案を発表した。一般会計は191億2187万円で、大型事業の終了に伴い11年度当初予算と比較し、18億8324万円(9・0%)減となった。6特別会計と水道事業会計を合わせた全会計総額は同4・7%減の324億9130万円となった。高谷寿峰市長は北海道新幹線関連事業、観光対策事業、町内会活性化支援事業の推進を重点施策に掲げ、東日本大震災を教訓とした津波防災対策事業も拡充した。3月6日開会予定の第1回定例市議会に提案する。

 4年ぶりの減額編成は、浜分中学校改築や市営住宅建設、北海道新幹線新駅周辺地区整備に伴う市道整備などの事業が一段落したため。

 主な歳入は、市税が同3%増の47億4363万円で、内訳は市民税が18億5800万円、固定資産税が23億8800万円など。地方交付税は同1・4%増の60億7745万円を見込んだ。

 大型事業終了に伴い、国庫支出金は同14・5%減の33億9122万円、道支出金は同19・5%減の11億8958万円。借金にあたる市債は、主に新幹線関連事業に伴う発行で同28・4%減の11億8840万円とした。

 歳出では、民生費が全体の38・2%を占め、同1・5%減の73億625万円で、扶助費や医療費助成などが含まれる。土木費は同28・3%減の29億4613万円、市債の返還に充てる公債費は同2・1%増の24億1752万円を計上した。

 主な事業として、新幹線新駅周辺整備事業は予算規模を拡充し7億2306万円を充て、開業PR事業などの経費として445万円を計上。観光振興では、観光協会への補助金として1853万円を充てる。文教施設整備基金を財源に浜分小学校校舎の改修事業に2億499万円、茂辺地小、茂辺地中の併置校化に向けて、小学校改築の実施設計費などを盛り込んだ。

 防災対策では、津波ハザードマップの更新、避難路標識の設置、4カ所の住民センターの耐震改修工事などを実施。道路事業では函館水産高校前の道路改良事業、市役所通りを上磯中学校まで延長する市役所通線道路新設事業などに測量設計費を計上した。また、町内会活動活性化交付金事業や町内会館整備事業などで町内会活動を支援するほか、各種医療費助成や学校給食費の軽減なども引き続き継続する。

 今回の予算について高谷市長は「市長就任後3年度目の折り返しの年。引き続き市民目線に沿った思いやりのある市政を展開していきたい」と述べた。(今井正一)


◎函館市が知的障害者対象に生活実態調査開始

 1月に札幌市内のマンション一室で40代の姉と知的障害のある妹が孤立死した問題を受け、函館市は知的障害者を対象にした生活実態調査を15日から始めた。市の職員が2人1組で自宅を訪問し、初日は25軒を回って訪問対象者68人のうち13人と面談した。調査は24日までに終える予定で、今月中に生活状況をまとめる。

 市福祉部によると、市内在住の知的障害者は約2450人で、調査対象となったのは115人。生活保護などの福祉制度を利用しておらず、就業の有無が確認できなかったり、同居者が高齢である68人は訪問調査する。同居者が若く、働いていることを把握できた47人は調査票を郵送し、返答がない場合は訪問する。

 調査では居住拠点や相談先、同居者などを調べ、就業の有無、生活上の不安なども詳しく聞く。また調査と並行して対象者に、住所と電話番号を民生委員や「ぱすてる(障害者相談支援センター)」へ提供する意思確認も行っており、可能な限り地域との関わりを持たせたい考えだ。

 調査をした職員は「訪問前に働いていることが把握できなかった人も、今日の面談では全員働いていることを確認できた。また相談相手がいないという人もいなかった」と話す。しかし一方で、「働いていても収入が低く、将来的に同居する両親が高齢になった場合の生活を不安に感じるという人もいた」と話していた。(後藤 真)


◎24、25日に函館で「青森屋台横丁」

 青森市内の飲食店などが函館で2日間出店する「青森屋台横丁inはこだて」(青森市中心市街地活性化協議会主催)が24、25日に函館市松風町6の空き店舗(旧カメラのニセコ)で開催される。青森で人気上昇中の味噌カレー牛乳ラーメンをはじめ、居酒屋、バーなど4店が出店し、青森の食を函館に伝える。24日は函館ひかりの屋台「大門横丁」による大門バルも同時に行う。

 道新幹線の開業を見据え、青函の連携強化と地域経済活性化を目標に、食を活用した事業を青函合同で開催している。2011年12月には函館の大門横丁の店舗が青森に出店するイベントを実施。今回はこの逆として、青森から函館に店を出すことになった。

 「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」の会員であるラーメン店・札幌館は、同ラーメンを提供する。青森市中心市街地のパサージュ広場からは、「BAR WANDERER‘S9」が青森産リンゴジュースを使用したホットアップルレモネードなどを、「鳥や どんだBar」は、青森を代表する銘酒、田酒と亀吉、豊杯のセットなどを提供。青森商業高校の生徒は、青函連携を目的に考案したかまぼこを販売する。

 開催時間は24日は午後5〜10時、25日は午前11〜午後7時。両日とも利用者先着150人に青森のリンゴジュースをプレゼントする。開催事務局の木浦渉さんは「函館の人に青森の食を知ってほしい」と話し、多くの来場を呼び掛けている。詳細など問い合わせは青森商工会議所新幹線・まちづくり対策部TEL017・734・1311。(斎藤まや)