2012年2月2日 (木) 掲載

◎市函高が高陽市の高校と姉妹校提携

 市立函館高校(日向稔校長、生徒952人)と韓国・高陽(コヤン)市の白馬(ペンマ)高校(金鎮福校長)が1日、姉妹校提携を結んだ。市函高で行われた調印式には同高の教職員や白馬高の金校長ら約20人が出席。両校の交流活動の推進を誓った。日向校長は「生徒間交流を通じて、友好関係を深めていきたい」と語った。

 提携は昨年8月に函館市と高陽市が姉妹都市提携を結んだことがきっかけで実現。スポーツや文化交流を通じて両校の相互理解を深め、青少年教育の発展に寄与することを目的とする。市函高が姉妹校提携を結ぶのは初めて。

 白馬高は1997年に開校し、現在の生徒数は1942人。人間教育と進学に力を入れているほか、クラブ活動も盛んに行われている。昨年10月には市函高が白馬高を訪問し、提携に向けた準備を進めてきた。

 調印式では日向校長と金校長が協定書に署名。その後、市函高から白馬高へ姉妹校宣言を刻んだ水晶の盾を手渡し、白馬高からは高陽市の伝統工芸品のお面が贈呈された。

 日向校長は「短期間ながら提携を結ぶことができたのは、両市の関係者の力添えのおかげ。10月に白馬高校を訪問した際は、勉学に対する姿勢が素晴らしいと感じた。両国には政治的な問題もあるが、青少年交流を通じて克服できると信じている」と述べた。

 金校長は「この日を迎えることができて大変うれしい。日本の伝統を重んじる文化と配慮の気持ちは、本校の生徒にとって学ぶべきもの。これから具体的な計画を立てて、一日も早い交流を実現したい」と話した。

 式後は金校長らが学校を見学。市函高吹奏楽部による両国の国歌演奏も行われ、今後の交流活動に思いをはせていた。(後藤 真)



◎冬フェス「光の小径」始まる

 手づくりのワックスキャンドルの淡い明かりが街を照らす「はこだて光の小径(こみち)」が1日、函館市西部地区を皮切りに始まった。元町公園や教会、寺院など異国情緒漂う通りに、ともしびが揺らぎ、住民らを魅了。7日まで市内各地で行われる。

 2012はこだて冬フェス(実行委主催)の一環で、キャンドルは市民や観光客らが各種イベントで製作。今年も計5000個を仕上げ、初日の西部地区の500個はボランティアスタッフらが並べ、午後4時半ごろから点灯した。

 観光ボランティアが案内する「点灯ウオーク」に20人が参加し、港が丘通りや八幡坂などを散策して伝統的建造物やドラマ・CMで撮影された名所を紹介して回った。

 西部地区在住の会社員、大竹一さん(56)は「毎年、点灯ウオークに参加しているが、いつも新鮮な案内で発見の連続で楽しい」。市内の会社員、梅津ゆき子さん(41)は「念願かなって初めてキャンドルを見ることができた。寒さを忘れるほどの美しさですね」と声を弾ませていた。

 点灯ウオークは2日も実施。元町公園内の元町観光案内所で午後5時半から受け付けし、先着50人(中学生以上500円、小学生以下250円)。

 また、4〜18日の週末を中心に、道南各地の国道や道道沿線をキャンドルで彩る「シーニックdeナイト」も行われる。(田中陽介)



◎未来大と北大が協定締結

 【札幌】北海道大学(佐伯浩総長)と公立はこだて未来大学(中島秀之理事長)は1日、札幌市の北大で「北海道地域における大学等の知的財産の技術移転に関する協定」を締結した。大学の枠を超え共同研究を進めるほか、互いに蓄積した特許などの知的財産を産学官連携や産業化に結びつけ、地域貢献を果たす。

 北大はこれまでに北見工業大や酪農学園大、室蘭工業大、函館を含む道内4高専との間で協定を締結している。未来大との協定締結でネットワークの強化を図る。未来大側にとっては、北大が持つネットワークを活用し、研究成果などを広く全国に情報発信することができるようになる。また、共同研究の成果を特許として出願することも目指す。

 この日の調印式には両大学から9人が出席。佐伯総長と中島理事長がそれぞれ署名し、協定書を交わした。佐伯総長はあいさつで「研究成果を社会に還元することが大学の大きな役割。函館には水産学部があり、未来大との協定によって函館地域との連携が一層強まる。北海道、道南の地域経済の発展につなげていく」と述べた。

 一方、中島理事長は「情報技術で海、水産を援助する『マリンIT』に取り組んでおり、北大と一緒にやれることはたくさんある。この協定を機に大学の知的財産を世の中で活用していきたい」と意気込みを語った。共同研究テーマとして、磯焼け対策や藻場再生などの具体的なアイデアも挙がっているという。

 連携事業の第1弾として、両大と北見工大が2月28日に東京で、企業を対象に新技術の説明会を開く予定。(松宮一郎)


◎ラ・サール高で卒業式

 函館市内の高校のトップを切り、函館ラ・サール高校(フェルミン・マルチネス校長)で1日、第50回卒業式が行われた。保護者や教職員、在校生らが見守る中、卒業生はスーツや羽織はかま姿で入場。187人の生徒がそれぞれの思いを胸に卒業証書を手にした。

 マルチネス校長は一人一人に卒業証書を授与。「輝く黄金と同じよう輝くような人間としての価値をあなたたちは持っています。その清らかなプライドをずっと持ち続けて世界中を照らし続けてください」と式辞を述べた。

 在校生代表の上戸千尋君は「これから歩む道のりが高校で得た経験を生かした素晴らしい道であることを願っています」と激励した。

 その後は高校生活の歩みをたどったスライドが上映され、全校生徒で「聖ラ・サール讃歌」を合唱。卒業生はグリークラブによる合唱に送られながら退場し、式後は級友や教諭との別れを惜しんでいた。(平尾美陽子)


◎東京で食品展示商談会、「函館ブース」盛況

 【東京】国内最大級の食品の展示商談会「第46回スーパーマーケット・トレードショー」が1日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕した。函館からは水産加工業者を中心に過去最多の23社が出店。初日から大勢の仕入れ担当者らでにぎわい、各社が自慢の商品を売り込んでいる。

 商談会は新日本スーパーマーケット協会(東京)の主催。市や函館地域産業振興財団、函館特産食品工業協同組合などは出展事業実行委を組織し、今年で3回目の出展となる。全国のスーパーや商社、百貨店のバイヤーらが集まり、昨年は3日間で8万3000人が来場した。

 会場の一角に「函館地域ブース」が設けられ、塩辛などイカの加工品をはじめ、ガゴメコンブや大豆のタマフクラを使った商品など各社の定番商品や新製品約500品目が並ぶ。初日から人だかりができる盛況ぶりで、担当者が商品の原材料や価格、製造工程などを熱心に説明していた。

 市経済部によると、今年は原発事故などの影響で原材料の安全性を注目するバイヤーが多いほか、本州で品薄なサケ類の引き合いが好調だという。恒例の皮つきのさきいかの実演も人気を集めた。市工業振興課は「北海道・函館が食の安全・安心の一つの指標になっている。1社でも多く販路を拡大し、函館製品が全国展開されてほしい」としている。商談会は3日まで。(森健太郎)