2012年2月24日 (金) 掲載

◎戸井 焼きダコ新名物に…浜の母さんたちが創作

 函館市戸井地区の女性たちが、名産のタコをPRしようと知恵を重ねている。23日夜の会合で、創作料理を試食。3月4日午前10時から、戸井地区の汐首漁港で行われる「お魚感謝Day」(戸井漁協主催)では、焼きダコを販売する。女性たちは「おいしいから食べに来て」と意気込んでいる。  漁業従事者でつくる「戸井っ子倶楽部」(中村きせ子代表)が古里の盛り上げ役を担う。タコは旧戸井町の魚。会合では天ぷら、マリネなどを食べ比べ、イベント当日にパエリアとダイコン甘漬けを試食で振る舞う。

 焼きダコは、炭焼きコンロで調理し、100グラム200円で100個限定の販売。「海の自然な塩加減、かめばかむほどうま味が増す」(メンバー)。

 当日は、漁協のタコ漁師部会とともに売り場を設ける。中村代表は「戸井自慢のおいしいタコを大勢の来場者に食べてもらいたい」、ほかのメンバーも「対面販売でお客さんと交流を深めたい」と張り切っている。

 同倶楽部は「集まれるときに集まって楽しむ」をモットーに、家庭料理の情報交換などで親睦を深めている。昨秋に応募した全道規模の料理コンテストでは一次審査を通過、正月の本選は、ナマコやフノリ漁が忙しく、出場を断念したが「戸井の皆さんの料理はトップクラスで、古里を盛り上げたいという思いが何より」と主催者側から高い評価を得ている。(田中陽介)



◎市内図書館 延滞者への利用制限強化

 函館市内の中央図書館と各図書室、配本所は、3月1日から貸し出し物が返却期限を過ぎた場合の延滞者への利用制限を強化する。図書が返却されない場合、返却期限日の10週間後から新規貸し出しを禁止していたが、3月からは期限日翌日から貸し出さない。このほか、督促開始日を延滞1カ月から3週間に短縮する。

 図書館の貸し出し対象は本とCDで、貸し出し期間は2週間。1人10点まで借りることができる。

 3月からは新規貸し出し、延長の禁止を新たに翌日からへ変更。図書を返却すると通常通り利用ができる。新規の予約と、市内図書館、各図書室などにない資料を取り寄せるリクエストは従来通り翌日から禁止。すでに受け付けしていた予約・リクエスト分は、返却しない限り借りられない。

 督促開始日についても期限日から3週間に短縮したほか、電話以外にもメール配信で新たに伝える。予約が入っている資料については翌日から行う。

 市中央図書館によると、督促の電話は昨年度6万回。督促しても返却されず返却期限から3年経過した貸し出し物は昨年度計426点に上っている。図書の延滞により本が借りられないなどのクレームも時折あったという。こうした背景から、督促の費用削減や業務の負担軽減を目的に実施に踏み切った。

 市中央図書館は「利用者がより公平に図書館を利用できるよう配慮した。今後もより良い施設づくりを目指していきたい」としている。問い合わせは同館TEL0138-35-6801。(後藤 真)



◎小6全教科で道の平均超え…全国学力テスト函館市の結果

 函館市教育委員会は23日、小学6年生と中学3年生を対象に昨年9月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の函館市の結果概要や課題などを公表した。全体的な傾向は、小6は全ての教科で道の平均正答率を上回り、中3は道の平均正答率をやや下回った。小6が全教科で道平均を上回ったのは初めてで、改善の兆しがみられるという。

 本年度、文部科学省は東日本大震災の影響で4月実施を延期。全国集計は見送ったが、道は国が配布した調査問題を活用して集計した。試験は昨年9月27日に行われ、同市は小学校、中学校の全ての学校が参加した。

 全国学力テストは、国語と算数・数学それぞれでA(知識・技能を問う問題)、B(知識・技能を活用する問題)の2種類。また生活習慣や学習環境に関する学習状況調査も実施した。

 市教委によると、函館の子どもに共通する課題として国語の場合は「国語辞典を利用して語句を調べる方法を理解すること」、算数の場合は「はかりの目盛りを読むこと」などを挙げている。一方、成果や改善が見られる点について、国語は「必要な情報を得るために新聞記事を効果的に読むこと」、算数は「整数、小数、分数の四則計算を行うこと」などを挙げ、各科目ごとにまとめている。

 学習状況調査では、平均正答率が高い傾向を示した項目などをまとめ、「家で学校の授業の復習をよくしている」に関し、市教委教育指導課の永井貴之課長は「家庭学習が定着してきたという証拠。各校が家庭学習のてびきを家庭に配るなど、独自の取り組みがつながっている」と話す。改行 また、市の課題と思われる項目に「1日あたり2時間以上テレビゲームをしている。インターネットをしている」を挙げているが、永井課長は「以前は1日あたり3、4時間以上しているという傾向があったので、家庭での学習が増えたのでは」と分析。「子どもたちの学習を支える学校や地域、家庭の取り組みが前進している証し」と話している。(平尾美陽子)


◎江差追分 道議会に響く…定例会開会日にコンサート

 【札幌】第32回道議会議場コンサートが23日、第1回定例道議会の開会に合わせて本会議場で開かれた。9月に江差町で開かれる「第50回記念江差追分全国大会」をPRしようと、2002年の第40回全国大会優勝者の長江亜津子さん(札幌在住)が哀調を帯びた江差追分を朗々と歌い上げた。

 議場コンサートは、道議会の主催で、定例会の開会日に合わせて開催している。江差追分が披露されるのは2002年以来2度目。議席に着いた道議会議員や高橋はるみ知事ら道幹部が鑑賞した。350席ある傍聴席にも大勢の市民が詰め掛けて、立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。

 コンサートは、江差もちつきばやし保存会(西川末広会長)による「江差もちつきばやし」で開幕。ニシン漁で栄えた江差の網元や商家で行われた、年の瀬のもちつきを再現したユーモラスな踊りで沸かせた。上演中には、西川会長が縁起物の扇子を高橋知事にプレゼントする一幕も。

 続いて、江差沖揚げ音頭保存会(菊地勲会長)が「江差沖揚げ音頭」の中で歌われる勇壮な「切り声」を上演。ニシン漁にルーツを持つ祝い唄≠ニして知られ、姥神大神宮渡御祭の山車巡行でも歌われる。第25回江差追分全国大会優勝者の菊地会長を中心とする保存会メンバーの勇壮な歌声が観客をうならせた。

 江差追分の長江さんは「前唄」「本唄」「後唄」を通して披露。9月21日〜23日の日程で開かれる第50回記念大会をアピールした。会場を訪れた市内の主婦(68)は「江差追分の音色はどこか懐かしい雰囲気がある。生の歌声を聴くことができて感激した」と話していた。(松浦 純)


◎函館空港にひな飾り登場

 函館空港ビルにことし初めて、ひな飾りが展示された。国内線ターミナルビル2階の出発ロビーで、利用客の目を楽しませている。3月3日午前11時からは箏演奏と茶会を行う予定で、多くの来場を呼び掛けている。

 同ビルを管理・運営する函館空港ビルデングが設置した。「利用者以外の住民にも空港に親しんでほしい」との思いで昨年12月にコンサートを開催するなどしており、2回目のイベントとなる。

 ひな飾りは今後も展示を続けたいとの思いから、特注品を購入した。広い空間に飾ることから、一般的なものよりもひな段、人形ともに大きくし、衣装や装身具なども豪華にした。搭乗案内板の真下のため、利用客らの注目を集めている。同社は「それぞれの人形が見ごたえ十分。ぜひ見に来てほしい」と話す。

 3月3日の箏演奏・茶会は、同ビル2階の催事場で開催する。箏曲美音和会主宰の宮崎加奈古さんが、ひな祭りに関係する曲を中心に約1時間にわたり演奏。茶席は先着100人を対象に、抹茶と菓子を提供する。いずれも無料。(斎藤まや)