2012年2月26日 (日) 掲載

◎函館PRの新たな顔

 函館の観光、物産の親善大使を務める「ミスはこだて」コンテスト(函館国際観光コンベンション協会主催)が25日、ホテル函館ロイヤル(大森町)で開かれ、ともに市内在住で、道教育大函館校2年の平井利沙さん(21)と、公立はこだて未来大2年の久保川美希さん(20)の2人が、第33代の新ミスに選ばれた。

 今年は募集締め切り間際まで応募者がゼロと、ミスコンの存続も危ぶまれたが、募集期間を延長の末、最終的には20人が集まった。当日はこのうち、18〜28歳の17人が出席し、グループ審査で7人に絞り、最終審査ではステージ上で30秒の自己PRや質疑応答に臨んだ。

 審査委員長の渡辺兼一同協会会長は「全員素晴らしい逸材で、審査は難航、拮抗(きっこう)したが、激戦の末に選ばれた2人には函館の親善大使として活躍してもらいたい」と総評。審査結果が発表されると、2人は緊張から解き放たれた笑顔を見せ、第32代のミスや審査員から認定証や副賞が贈られた。

 函館出身で、市民に生涯学習の場を提供する「まなびっと体験講座」の運営委員長も務める平井さんは「大好きな函館の魅力を市内外で伝えたい」、広島県三原市出身で、大学で情報デザインを学ぶ久保川さんは「多くの人との関わりやつながりを持つことで、自分自身を成長させたい」と抱負を語った。 (森健太郎)



◎志海苔古銭 初公開

 市立函館博物館(函館市青柳町)に所蔵されている国の重要文化財(重文)「北海道志海苔中世遺構出土銭」について紹介する企画展が25日、同博物館ロビーで始まった。国内最大の出土枚数を誇る古銭の保存修理が終わり、重文指定時よりも1万枚以上多い計38万枚となってから初めての公開で、函館ゆかりの中世ロマンを伝えている。

 志海苔古銭は1968年、市内の志海苔漁港付近の国道の拡幅工事の際に見つかった。前漢から明にかけての中国銭が中心で、一部には奈良から平安時代に鋳造された和銭も含まれ、全部で37万4435枚。同時に発見された3つの大がめや敷板とともに、2003年に国の重文指定を受けた。

 これらの古銭はいつ、誰が、何のために埋めたのか。明確な根拠はないが、同館によると、古銭が入れられた大がめの特徴や、出土場所が和人豪族の館とされる「志海苔館(だて)跡」の近くにあることなどから、14世紀(1300年代)後半との見方が有力だという。

 大量の古銭について、同館の田原良信館長は「函館が特産のコンブの交易で京都などから手に入れた備蓄銭や、地鎮祭など宗教的なささげ物だったかもしれない」と指摘。本道にとっては後の北前船交易の先駆けだった可能性もあり、いまだに謎は多いが、当時への想像力もかき立てる。

 市は2004年度から文化庁の補助事業で、出土した全点を一枚一枚、表面のさびを落とすなどクリーニングを行い、その後は確認作業を進めてきた。その結果、少なくとも計93種、38万7514枚(1・6d)に上り、最終的には昨年11月に作業が完了した。

 展示会場には古銭の表面の文字まで判別できるようになった93種類の古銭をはじめ、3つの大がめや、土が残ったまま古銭の中心穴に麻ひもを通した状態でつなげたものなど貴重な史料を展示。発見当時の新聞記事や保存修理の手順などを紹介する写真パネルも並ぶ。

 同展は4月15日まで。2、3月は午前9時〜午後4時半(入館は午後4時まで)。月曜休館。入館料は一般100円、学生と65歳以上は50円。日曜は無料。問い合わせは同館TEL0138-23-5480。 (森健太郎)



◎LED街路灯 より普及へ

 水銀灯に比べ電気代が安く、耐用年数が長い発光ダイオード(LED)の設置を促そうと、函館市は新年度から、街路灯を管理する町会や商店街向けに補助金を引き上げる方針だ。予算案には水銀灯なども含めた設置補助金として前年度比約730万円増の3178万円を計上。町会などは「ありがたい。LEDのさらなる普及につながるのでは」と期待している。

 補助額引き上げは全国的なLED普及を受けて決めた。灯部のみが2万5000円から9000円、灯部と支柱では6万4000円から1万2000円をそれぞれ上乗せする。

 市市民課によると、市が電気代の8割を補助する街路灯は2万3181基あり、LEDはこのうち65基。予算案の設置補助金3178万円は823基分でそのほとんどが水銀灯などだが、新設のLEDは60基という。

 東山町会(阿部岩男会長)は初めてLEDを4基導入した2009年以降、10年に18基、11年に30基を設置。電気代は水銀灯の1カ月約300円に対し、160円とほぼ半額。価格も徐々に値下がりしていることから、新年度以降も30基を設置する。

 米田知明街灯管理部長は補助金引き上げについて「他の町会でも導入が進むのでは」とした上で「多くの町会が導入すれば、市の電気代補助金も結果的に大幅減になる。その余った額を古い街路灯の交換費用に転用できるのでは」とも指摘する。

 美原町会(若松均会長)は昨年5月、省エネ効果や電気代抑制のため、町会館付近などに試験的に4基設けた。新年度も5基を設置する予定。横滝義美街灯部長は「電気料が減って助かっている。今後も積極的に設置したい」と前向きだ。

 万代町商興会(北村千尋会長)は、新年度に市の補助を使って国道5号線沿いなどに初めてLED20基を設ける予定。担当の森野裕志さんは2年前、万代町会街灯部長として蛍光灯10基をLEDに交換した経験もあり、「商興会分だけでなく、町会の管理分もどんどん切り替えたい」と話す。

 同課は「今後はLEDへの更新が増えるだろう。市としても各町会に案内を配布するなど呼び掛けていければ」としている。  (長内 健)


◎「春」目指し最終関門 国公立大2次試験

 国公立大学の2次試験の前期日程が25日、全国一斉に始まった。函館市内では公立はこだて未来大学と道教育大学函館校で試験が行われ、受験生は合格を目指して最終関門に挑んだ。北大水産学部は、他学部とともに札幌で試験が行われた。

 道教育大函館校の前期日程の出願倍率は2・0倍、後期は8・8倍。同大学は全道に5つあるどのキャンパスでも受験でき、同校ではこの日、168人が受験した。

 午前8時半の開門と同時に、緊張した表情の高校生や予備校生らが続々と到着。午前10時から一斉に総合問題に取り組んだ。

 公立はこだて未来大では、函館と札幌、東京と大阪の4会場で試験を実施。前期日程の倍率は全体で3・8倍、508人が出願し、数学と英語の試験が行われた。 合格発表は道教育大が3月7日、公立はこだて未来大と北大は同8日を予定している。    (平尾美陽子)


◎新年度から利用料金一律30分200円 ファミリー・サポート・センター

 利用料金が、新年度から一律30分あたり200円となる。子育て家族の負担を軽減する目的で変更するもので、市子育て支援課は「これを機会により多くの人に入会してほしい」としている。

 同センター事業は1999年度から、市社会福祉協議会が市の委託を受けて実施している。育児の援助を求める「依頼会員」と実際の支援を行う「提供会員」、その両方を兼ねる「両方会員」からなり、依頼会員は同センターに連絡して支援を受ける。援助内容は保育施設や幼稚園などへの送迎や、軽度な病児の預かりなど。子どもの対象は0歳児から小学校6年生まで。

 利用料はこれまで、病児預かり以外が30分あたり300円、ひとり親家庭などの病児預かりは250円、ひとり親家庭以外の病児預かりは350円。新年度からはこれを一律200円とし、負担軽減や利用者の拡大を図る考えだ。

 会員数は設立以降、共働き世帯の増加やセンターの存在が口コミで広まったことから右肩上がりで増加。昨年度は1605人で、10年前と比べて約1100人増えている。

 同課は「提供会員の中には人生経験が豊富な年配の方もおり、全員が研修を受けている。医療アドバイザーとの連携体制も整っているので安心して利用しほしい」と呼び掛けている。

 入会などの問い合わせは同センターTEL0138-23-3920。(後藤 真)