2012年2月27日 (月) 掲載

◎本願寺函館別院の本堂をレンガ調に復活へ

 函館市東川町12の浄土真宗本願寺派(西本願寺)函館別院は、本堂を明治から昭和初期に存在したレンガ造り風の建物に再建する工事に着工した。2013年3月の竣工予定で、同別院の陰山正憲輪番(60)は「レンガ造りの建物として、金森倉庫群から当院までの景観が一体化し、門徒や市民に親しまれることを期待している」と話している。

 同別院は、青森出身で函館の水不足解消のため願乗寺川(現高砂通り)を完成させた堀川乗経が1857(安政4)年、願乗寺休泊所を建立したことが始まり。60(万延元)年に願乗寺掛所として認められ、77(明治10)年に本願寺函館別院となった。

 本堂は66(同元)年の箱館戦争で焼失し、72(同5)年に落成したが、73(同6)年、99(同32)年、1907(同40)年、34(昭和9)と4度の大火で焼し、再興を繰り返してきた。これまでの本堂は1950年に建てられた。同別院の吉村教史副輪番(40)は「類焼以外で建て替えるのは今回が初めて」と話す。

 今回の本堂再建は、2011年の親鸞聖人750回大遠忌(だいおんき)法要を機に、09年に函館別院新生事業が計画された中の一環。戦後の物資不足で建設したため老朽化が激しかったことや、明治期のレンガ調の建物を復活させたいという願いもあり、建設部会を設け熟議を重ね、平成の大改装が決定した。2月に始まった解体工事では、戦後の再興で苦労をしたことを思い出して涙を流して作業を見つめる門徒もいたという。

 新しい本堂は鉄筋コンクリート2階建て、総床面積約2545平方メートル。総工費は約7億3400万(隣接する文化会館の改築などを含む)。全館バリアフリーで、車の乗降場に屋根が設けられる。これまでより玄関部の屋根が高くなり、国道279号(市電通り)からも分かるという。外観は昭和9年の大火で焼失したレンガ造り風で復元する。

 陰山輪番は「工事開始は門徒、関係者の協力のたまもの。道南の布教活動の拠点として、また、地域コミュニティーの場として、街おこしにもつながる施設であるように目指していきたい」と話している。

 起工式は3月4日に行う。(山崎純一)で、自分自身を成長させたい」と抱負を語った。 (森健太郎)



◎【インサイド】政治パーティー券通達から1年、案内文 中には「購入依頼」?

 議員から政治パーティー券の購入依頼があった場合、慎重に対応するよう函館市が職員に通達してから1年が経過した。通達以降はパー券を直接販売する例はみられず、案内状やパンフレットなどを送付する形に切り替わっているが、中には「事実上の購入依頼では」と、依然として精神的な負担を訴える職員がいるのが実情だ。一方で議員や関係者からは「どこまでが許容範囲なのかがわからない」と、困惑の声も聞かれる。

 市は昨年2月、統一地方選を前に、市役所庁舎内で議員からのパーティー券購入依頼が相次いだことを受け、総務部長名で通達を出した。

 政治パーティーなど各種会券について、組織として購入を依頼された場合、その場での購入や参加者の取りまとめを約束して金を預かることを禁じたほか、代金については「当日、会場受け付けで支払うことを基本」と定めた。個々の職員への依頼に対しては「対応に苦慮するものは上司に相談し、上司が必要な対応を取る」とした。

 本紙の調べでは通達以降、一部の管理職の机に昨秋、市議の親族が経営する店の商談会の案内(後に中止)が置かれていたほか、今年2月には別の市議の「新春の集い」に関し、関係団体が各部の庶務担当課長を通じて案内文を送付、一部の管理職は親睦会費で券を購入するなどしていた。

 いずれも政治資金パーティーではないが、ある市職員は「結局は案内を回して、取りまとめている形ではないか」と不満を隠さない。また、別の職員からはパーティー券購入に関与することで政治資金規正法違反に抵触することを懸念する声もあった。

 これに対し、関係団体幹部は案内の送付を認めた上で「市の通達に従って行っている。圧力をかけているつもりはないが、管理職会で払う、払わないまでは関与できない」と話す。この集いを開いた市議は「できるだけ誤解を招かないようにやりたいが、指摘が多ければやり方を変えることもあると思う」。また、別の市議は「圧力と思われたら謝罪するが、議員が商売をやることもだめになってしまうのか」と戸惑いを見せる。

 市総務部は「案内を見て個人的に賛同する部分があれば、購入することは自由」としながらも「組織としてルールを作ったので、形骸化は避けたい」と話す。(千葉卓陽)



◎鹿部たらこ祭り盛況

 【鹿部】町内で加工が盛んなタラコをPRするイベント「第1回鹿部たらこ祭り」(鹿部商工会青年部主催)が26日、しかべ間歇泉公園で開かれた。「食とうまいもの館」には、タラコ製品を買い求める人の列ができ、食べ放題、ホタテ焼きの無料配布など、鹿部ならではの味覚を楽しんだ。

 昨年まで、特産品フェアとして開催していたタラコに特化したイベントにリニューアルして開催。タラコだけではなく、ごっこ汁やホタテ焼きなど、旬の味を取りそろえた。限定20人の抽選で実施した食べ放題には、12種類のタラコ製品が並んだ。めんたいこやガゴメコンブ入りの製品など、炊きたてのご飯とともに味の違いを楽しんだ。

 函館市内から友人3人で来場した会社員、伊藤圭太さん(23)は「いろいろなタラコを一度に食べ比べたことがないので、どれもおいしかった。もっと大きなイベントになってほしい」と話していた。

 青年部の道場登志男部長は「天候の割に多くの人出があり、初開催の手応えを感じているが、反省点を改善しながら事業を継続したい。各社の製品にはそれぞれの違いがあり、商品を知ってもらうことで鹿部のリピーターになってもらえれば」と話していた。(今井正一)


◎「函館焼きがご麺」大丸札幌店に出展へ

 道の本年度「地域食クラスター推進事業」で、函館市末広町の函館塩らーめん専門店・えん楽が開発を進めるガゴメコンブを使った「函館焼きがご麺」が、29日〜3月6日に札幌市の大丸札幌店で開かれる催事「開業9周年記念 9振興局のうまいもの地域食クラフェスタ」に出展することが決まった。

 今月14日に札幌グランドホテルで開かれた「2012食クラ・フェスタ」(食クラスター連携協議体主催)で発表、試食してもらったところ、同店バイヤーの目にとまり、催事に出すことが決まった。

 期間中は同麺を持ち帰りで販売、価格は1食690円、海鮮増し(ホタテ、エビ)を850円で提供予定。1日100食の販売(トータル700食)を目指す。

 同店を経営するファインリバー企画の吉川寿樹社長によると、ガゴメはソースにして具材や麺と一緒にからめたほか、細切りにして麺の上に。炒ったガゴメを上からふりかけ、香ばしさも。具材は函館産イカ、道産サケ、ニンジン、タマネギ。隠し味に函館産イカ塩辛を炒め、塩味を生かした。

 出展に先立ち、25日にえん楽で市内の一般女性8人を対象にした試食会が開かれ、評価を聞いた。函館出身で札幌市立大3年の佐々木柚香さん(21)は「ガゴメの粘りが麺とうまくからんでおいしかった。塩辛の塩味もきいている」と話していた。

 えん楽では今後、さらに意見を聞き、改良を加えた上で3月中に完成させる。(山崎大和)