2012年2月4日 (土) 掲載

◎厳寒の水ごり 無病息災祈る…節分で高穂神社

 3日は「節分」。冬から春へ季節を分ける日で、函館市内の寺院や神社では、1年の無病息災を祈る節分祭などが開かれ、厄払いの行事が行われた。

 市内上湯川町の高穂神社(沢口広宮司)では、節分祭の前に沢口宮司(62)や氏子代表ら4人が水ごりを行った。境内にあるオンコの御神木の根元から出る霊水をかぶり、氏子らの健康や社会の平穏、五穀豊穣を祈った。

 同神社では長年、節分の日に水ごりをして厄払いをしている。始まった午前9時ごろの函館の気温は氷点下6度前後。厳しい寒さの中、沢口宮司の祝詞に続き、白装束姿の4人はたるに入れられていた約30gの水を「エイ」と声を出しながらかぶった。最後は沢口宮司がクマササにつけた水を氏子らにかけてお払いした。

 沢口宮司は「1年の無事安泰のほか、全国の大雪が収まるように気持ちを込めました」、今年初めて参加した同神社の工事にかかわる原田徹さん(51)は「気持ちを集中できたおかげで、水は冷たく感じなかった」と話していた。 (山崎純一)



◎函館市の人口 昨年1年間で2727人減少

 函館市の住民基本台帳に基づく昨年1年間の人口減少数は2727人で、2010年(2498人)から229人増と、減少ペースが再び増加に転じている。転出が転入を上回る社会減、死亡数が出生数を上回る自然減とも10年を上回っており、本格的な人口減少時代の到来を迎え、雇用の場の確保や少子高齢化対策など、下がり幅を緩やかに抑えていくための施策が急務となっている。

 市総務部によると、昨年12月末現在の市の人口は27万9040人。人口減少数は06〜08年にかけて毎年3000人を上回る状況が続いていたが、09年は2549人と大幅に鈍化。10年も2498人とやや落ち着いていたが、若者を中心とした大都市への転出や、長引く不況に伴う事業所数の減少など、大まかな傾向は変わっていない。

 内訳をみると、社会減は1176人で10年比105人増。自然減も1757人と同143人増。一方で出生数は1783人で同49人減少しており、出生率低下に歯止めがかかっていない。このほかに、削除された住民票の回復などによる増加が206人あった。

 世帯数は14万3187世帯で、10年比で331世帯(2・3%)増加しており、単身世帯の増加や核家族化の進行をうかがわせている。外国人登録者を含めた人口も27万9800人と、28万人を割り込んでいる。

 また、周辺2市町との人口移動は七飯町が差し引き60人減だった一方、北斗市からは同80人増え、統計が残る1981年以降、初めて転入超過となった。ただ道内全体では同732人減と、10年から200人以上増えており、市企画部は「都市機能や雇用が集中している札幌市へ流れている」と分析する。

 全人口のうち65歳以上が占める高齢化率は昨年12月末で27・6%と、10年比0・8ポイント増加。地区別では恵山地区が37・6%と最も高かったほか、合併4地域はいずれも30%を上回った。本庁管内も30%を超えた一方、亀田支所管内は23・7%で唯一、平均を下回った。また15歳未満の年少人口は3万254人と、全体の10・8%にとどまった。  同部は「今後の大都市の景況によっては、社会減がさらに増える可能性がある。雇用環境の改善や定住対策、地場産業振興を着実に進める施策が必要」と話している。(千葉卓陽)



◎函大有斗特進9.8倍…私立7高入学願書受け付け締め切り

 函館市内の私立高校は3日、2012年度の入学願書の受け付けを締め切った。函館ラ・サールを除く7校の合計出願者数は前年度比15人減の2757人。総定員に対する平均倍率は2・0倍。学科・コース別では函館大付属有斗の普通科特別進学コースが9・8倍と最も高かった。

 本年度の定員は、前年度と同じ1345人。学校別では、有斗の普通科特別進学コースに続いて遺愛女子の普通科特別進学コースが4・0倍の高倍率。清尚学院の調理科、函館白百合学園の看護医療系進学コース、函大付属有斗の普通科普通の2・2倍が続いた。

 昨年に比べて大きな変化がみられたのは、清尚学院の製菓衛生師科で、昨年比0・6ポイント減の1・3倍だった。

 函館ラサールは郵送でも願書を受け付けており、出願状況は後日発表する。函館市内の私立高校の一般入試は14日に、合格発表は20日。(平尾美陽子)


◎渡島大野駅の解体始まる

 【北斗】北海道新幹線新函館(仮称)駅周辺の工事進ちょくに伴い、JR渡島大野駅(北斗市市渡808)駅舎の解体作業が行われている。今月1日から作業が始まり、3日は、駅名板を撤去した。作業は今月中旬まで続き、内装の解体後、7日には重機を使用して駅舎を取り壊す予定。

 渡島大野駅は1902(明治35)年、本郷駅として開業し、42(昭和17)年に現駅名に改称。古くから、函館と道央を結ぶ物流や交通の拠点としてにぎわった。利用客の減少や貨物の取り扱い廃止などから、86年には駅員無配置となった。3代目となる木造平屋の現駅舎は88年に完成。新幹線工事に伴い、今年1月13日から、駅の西側に待合室としての仮駅舎が設置されている。

 駅名板撤去の様子を写真に収めていた近くに住む沢村雅弘さん(66)は「函館の高校に通っていた昭和30年代は、多くの人が駅からぞろぞろと降りてにぎわっていた。貨物列車を押す機関車が停車していた時代も懐かしい」と話していた。

 現駅舎の場所には、新駅の新幹線ホームが建設される予定。この日撤去した駅名板の活用は未定だが、当面、JR函館支社で保管される。(今井正一)


◎五稜郭公園に温かな明かり…光の小径

 手づくりキャンドルの幻想的な明かりで住民や観光客らの心をつなぐ「光の小径(こみち)」が3日、函館市五稜郭町で行われた。五稜郭公園の外周1・8キロに900個、五稜郭タワーの周囲には100個のキャンドルが置かれ、温かな色合いの輝きが雪景色に映えた。

 市内各地で1日から始まった「2012はこだて冬フェスティバル」(実行委主催)の一環で、午後3時からスタッフがキャンドルを置いて回り、同4時半ごろに火をともした。改行 淡い色合いのキャンドルの光は、刻々と色を変える夕焼けと共演し、夜は市民らを見守るように夜道を照らした。五稜郭タワーではキャンドル製作体験会も開かれ、子どもたちを楽しませた。

 韓国からの男子留学生、北海学園大3年の朴在愚(パクゼウ)さん(21)は「美しいキャンドルで、またいつか函館に来てみたいという気持ちになった」。キャンドル作りに参加した堀田佳苗さん(9)、瑞歩ちゃん(4)姉妹は「ろうそくの明かりは優しい色で好き。キャンドルがいっぱい並んできれい」とご機嫌だった。

 4〜18日の週末を中心に、国道や道道沿線にキャンドルを置く「シーニックdeナイト」も始まり、4日は函館南茅部公民館周辺(午後4時半〜同6時半)、七飯町大沼国定公園(同5時〜同6時)の予定。(田中陽介)