2012年2月9日 (木) 掲載

◎函館駅のジャンボ絵馬 「260人の願い」函館八幡宮に奉納

 JR函館駅構内に設置されていた「ジャンボ絵馬」が大安の8日に合わせ、函館八幡宮に奉納された。書き込んだ人を代表して同駅の鈴木克彦駅長ら社員が玉ぐしをささげ、合格や家内安全などを祈願した。

 絵馬は昭和57(1982)年から毎年、年明けのこの時期に同駅に設置しており、ことしで31年目を迎えた。えとの辰と東北新幹線の新型車両E5系の「はやぶさ」を組み合わせたデザインで、1月5日から同駅に設置。縦1・2メートル、横2・4メートルの巨大な板への書き込みが一杯になると別の板に取り換え、12枚の表裏すべてを使用した。

 函館八幡宮では神職の桑原隆次さんが祝詞を奏上し、その後に約20人の社員らが玉ぐしをささげた。ことしの書き込みは前年より若干少ない約2600人。鈴木駅長は「半分は合格祈願だったが、4割は世相を反映してか家内安全、景気回復などを願っていた。皆さんの思いをしっかりと受け止めて奉納しました」と話していた。(斎藤まや)



◎駅前市有地の再開発案 「子ども向け施設」WAKOビルに集約

 函館市はJR函館駅横の市有地(若松町、6783平方メートル)の再開発に向け、早ければ5月にもプロポーザル(提案型公募)を実施する方針を決めた。工藤寿樹市長が政策に掲げている子ども向け施設は、建て替え計画があるWAKOビル(同)に集約することで、民間業者からアイデアを自由に募り、2015年度の北海道新幹線開業に向けて整備する考えだ。

 市有地は1996年に、市土地開発公社が総合情報センターや青少年科学館など文化交流施設の建設予定地として先行取得し、現在は駐車場として利用されている。

 工藤市長は同市有地の活用策として、子育て世代支援と駅前活性化を目的に、家族連れが遊びながら科学などを学べる「子どもおもしろ館」(仮称)と、幼児の遊び場と託児所を備えた「キッズセンター」(仮称)を含む複合商業施設の構想を打ち出した。

 一方で、WAKOビルには小学生以下を対象とした遊具施設「大門キッズスタジアム」が2010年7月にオープンし、今年1月には来場者10万人を突破するなど人気を集めており、「周辺店舗への経済波及効果も生み出している」(市企画部)。

 同ビルに建て替え計画が持ち上がっていることに加え、市有地が道路の反対側にあるため、同部は「子育て施設が分散すれば、交通量の多い道路を子どもたちが行き来するなどの問題が生じる。1カ所で遊ばせる方が便利」とし、同ビルに一本化する方針を示している。

 公募で子ども向け施設の制約を外すことで、民間事業者は提案の選択肢が広がるメリットがある。市にはこれまでに道内外の企業から問い合わせがあり、条件をまとめて5月以降に公募する方針。同部は「土地は売却せず、賃貸する方向で検討している」と話している。(千葉卓陽)



◎教育福祉合同作品展開催 児童生徒の手作り品に大勢の来場者

 道南の特別支援学校や障害者施設などが日ごろの活動で作った作品や製品を展示、販売する「函館・渡島・桧山教育福祉合同作品展」(函館地方精神保健協会など14団体の共催、函館新聞社など後援)が8日、函館市若松町の棒二森屋で始まった。13日まで。

 障害者福祉の啓発やノーマライゼーション思想の普及を目指し、1963年から毎年開催されている作品展で、今回で49回目。今年の開催テーマは「自立と共生〜生活の充実を求めて〜」で、道南各地から過去最高の48団体が参加し、絵画やステンドグラスなどの展示作品484点を展示したほか、施設などで生産した製品2万2097点が会場の売り場に並んだ。

 初日は午前10時から開場し、大勢の買い物客が来場。手づくりクッキーやケーキ、パン、コーヒー豆などのほか、廃油で作った石けんやポプリ、木工品、陶芸品など施設ごとに多彩な製品が並び、来場者はじっくり見ながら好みの品を買い求めた。

 期間中、事務局のスタッフとともに中学生が接客や会計業務など売り場の実習体験をし、生徒たちは初日からきびきびとした動作で仕事に取り組んでいた。

 市内湯川町から来場した女性(52)は「品質も良く安いので毎年のように来ている。どれも手の込んだ製品ばかりなので応援したい」と話していた。(鈴木 潤)



◎「子ども白書」作成へ 条例に「声」反映を 市民団体が計画

 函館市が制定準備を進めている「子ども条例(仮称)」に市民の声を反映させようと、函館の市民団体が子育てや教育などの現状、課題を明らかにした「子ども白書(仮称)」の作成を計画している。9日に関係団体を一堂に会した初の準備委員会を開き、来年度中の完成を目指す。

 計画しているのは、教員や保育士ら会員80人でつくる「子どもの権利ネットワーク南北海道」共同代表の1人、森越智子さん(54)。子ども条例の策定に役立ててもらおうと、昨年6月の総会で白書を作ることを決定。これを受け昨年末、函館・近郊の市民団体に参加を呼び掛けた。

 同団体によると、道南で子どもに関する「白書」作成に向けた動きは初めて。

 児童虐待の増加やインターネットの普及、少子高齢化、核家族化など、全国的に子どもを取り巻く環境は激変している。白書には、不登校や引きこもり、虐待防止といった問題に携わる市民団体が互いの情報を共有、認識した上で、子どものありのままの姿を多様な視点で盛り込みたい考え。

 9日の準備委員会には14団体が参加予定。白書作成に向け今後の方向性や役割分担について協議し、正式な団体の4月発足を目指す。行政と連携したアンケート調査も実施し、児童・生徒らの声も生かしたいとしている。

 森越さんは「白書は行政では賄い切れない側面を補完する役割も担うはず。『子ども条例』の土台にもなりうるのでは」と指摘し、「まずはできる限り多くの意見を集約したい。団体と横のつながりをどんどん作っていきたい」と力を込めている。(長内 健)


◎美原に大型商業施設 サツドラとラッキー入居 今夏オープンへ

 函館市美原の渡島合同庁舎近くに今夏、大型商業施設がオープンする。戸建て住宅建築などの北海道ハウス(同市美原1、小林市男社長)が手掛け、道内ドラッグストア大手の札幌ドラッグストアー(札幌)と衣料品など小売りの北雄ラッキー(同)の入居が決まっている。場所は商業施設ビッグハウスア・ドマーニ美原店に隣接する自動車販売会社あとの土地(美原3)で、7月上旬のオープンを目指す。

 北海道ハウスは1994年創業。一般戸建て住宅を中心に宅地開発やリフォームなどを手掛け、2010年1月期の売上高は約5億5000万円。今回の土地は09年に取得済みで、一部に賃貸物件として高齢者施設を設置している。

 今回開発する土地は約4000平方メートル、ここに鉄骨造り平屋の約1900平方メートルの建物を設置する。駐車場は54台を整備予定で、大店立地法にかかる大型商業施設となるため1月下旬には周辺住民への説明会を行った。

 土地を含めた投資額は約3億5000万円。3月上旬にも着工し、6月の完成、7月上旬の2店同時オープンを目指す。入居する2社とは昨年7月に合意書を取り交わしている。小林社長は「できる限り周辺の商業施設と競合しない店を選んだ」とし、立地を含めて「集客力はある」と期待する。

 同施設が成功すれば、同社は今後も同様の施設を手掛けたい方針。小林社長は「安定収入につながる。条件さえ合えば増やしていきたい」とする。(斎藤まや)