2012年3月25日 (日) 掲載

◎茂辺地ICが開通…江差自動車道

 【北斗】函館市と江差町を結ぶ高規格道路、函館・江差自動車道(総延長約70キロ)のうち、北斗富川インターチェンジ(IC、北斗市富川)—北斗茂辺地IC(同市茂辺地)間5.4キロが、24日午後3時に開通した。これにより函館茂辺地道路(函館IC—北斗茂辺地IC間18キロ)がすべてつながった。今回の南伸で約3分の短縮効果があるとしている。

 同日、開通に先立ち北斗市茂辺地住民センターで開通記念行事実行委(委員長・高谷寿峰北斗市長)主催の祝う会が開かれ、約110人が出席。高谷市長が「近隣市町間の交流を促し、函館港や函館空港への物流の効率化をはじめ、生活の利便性や地域の救急医療、防災機能の向上にもつながる。災害時の避難路としても有効活用が期待されるなど、命の架け橋がつながった」とあいさつ。祝辞で民主党の逢坂誠二衆院議員が「この先の木古内、江差、そして松前半島道路の整備に向け、しっかりと取り組んでいきたい」と強調。函館・江差自動車道早期建設促進期成会副会長の浜谷一治江差町長が「桧山と渡島をつなぐ安全・安心・命の道として、江差までの整備促進に向けた大きな一歩だ」と述べた。

 式典後、茂辺地IC本線上で函館開建の高橋敏彦部長ら10人がテープカット、67台が通り初めをして開通を祝った。

 函館開建によると、同区間は2003年度に工事着手。暫定2車線で最高制限速度は70キロ。開通区間で唯一の「矢不来(やふらい)トンネル」(519メートル)や、茂辺地高架橋(739メートル)がある。函館IC—北斗茂辺地IC間の事業費は860億円。北斗茂辺地IC—木古内IC(仮称)間16キロの開通は16年度以降の予定で、工事進捗(しんちょく)率は37%(11年度末)。(山崎大和)



◎ガソリン160円台に…08年以来の高値

 函館市内のガソリンスタンド(SS)のレギュラー1リットル価格が、フルサービスで160円台に突入した。函館市のデータによると、2008年10月以来(平均価格)の高値。今月12日時点では最高価格が158円、2月は147円だっただけに、急激に高騰している。

 「ゴールデンウイークは家族一緒に車で旅行に行きたいと思っているけど、このまま値段が上がり続けたら遠出は難しいかな」。子ども2人を持つ、市内会社員の加藤知宏さん(33)はため息をつく。

 ガソリンの高騰はイラン情勢の緊迫化に端を発しており、価格は今後も上がる恐れがあるという。フルSSの従業員は「元売りの仕切り値が上がっているから、小売りも上げざるを得ない。今はまだ常連さんに変わらず来てもらっているからそれほど深刻ではないが、今後の行方次第では不安もある」と話す。

 価格の高騰は市民生活だけでなく多方面に及んでいる。市内の引っ越し運送業者は「正直厳しい。今は繁忙期だから利益が薄くても売り上げに影響していないが、春以降、繁忙期が終わると何らかの対策を考えていきたい」と不安を隠せない。

 08年は原油高の影響を受け、8月に一時、最高価格190円台を記録。ガソリンのみならず家庭用灯油、軽油、プロパンガス、重油も高騰し、市民生活に深刻な影響を及ぼした。今月中旬に市がまとめた灯油(1gホームタンク用)の平均価格は、前月比4・73円高の97・64円を示している。

 フルサービスのSSで給油をしていた市内北美原の主婦(42)は「外国の出来事だから私たちにはどうしようもない。SSはいつも同じところを利用しているが、170円台になるとセルフ給油や通勤手段も考えたほうがいいかもしれない」と話していた。(後藤 真)



◎函商高2年・山内さん満点合格…情報処理検定1級ビジネス情報部門

 函館商業高校の会計ビジネス科2年の山内早彩さんが、1月末に行われた情報処理検定1級ビジネス情報部門(全国商業高校協会主催)に満点合格した。同部門の満点合格は山内さんを含め全国で3人のみ。山内さんは「満点と聞いた時は信じられないと思った。とてもうれしい」と喜んでいる。

 この試験はコンピューターのプログラミングの基礎や情報の活用能力を習得させる内容で1〜3級がある。最も高度な1級の同部門は筆記と実技の試験があり、筆記は情報処理やビジネス情報に関する用語の問題など、実技は表計算ソフトを使ってデータの分析などを行う。

 同校では会計ビジネス科の生徒40人が同試験に臨み、37人が合格。今回の全国の合格率は25・9%で、満点は実技と筆記の両部門が完全な正答でなければならない。授業を担当した宮古智浩教諭は「筆記問題がやや難しめだった」と分析する。

 山内さんは授業や講習、自主勉強で力をつけてきた。問題集を繰り返し解いて用語を覚えたといい、練習の時のことについて「一連の流れをしっかり読み込まなければいけないので、制限時間内に問題を解くのが難しかった」と振り返る。

 当日の試験については時間内に見直しもでき、余裕を持って臨めたという。「問題をお互いに教え合いながら、クラス全員で協力して取り組んだ。友達の支えがあったから満点賞を取ることができた」と笑顔で話していた。(平尾美陽子)


◎島民との触れ合い発表…北方四島交流意見交換会

 北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)主催の「北方領土わーく」北方四島交流意見交換会が24日、函館市国際交流プラザ(元町14)で開かれた。市民約80人が集まり、学生によるビザなし交流体験の発表会などを通じ、理解を深めた。

 開会のあいさつで、村上支部長は4日に行われたロシア大統領選でプーチン氏が当選したのを受け、「領土問題解決に強い意欲を示しているが、依然として返還への道のりは厳しい状況にある。そのため今後も粘り強く運動を続けていきたい」と話した。

 その後、ロシア極東大学函館校の学生が択捉島を訪れた体験を発表。昨年9月に訪問した1年生の平岩史子さんは「道路はほとんど舗装されていなく、信号機はない。空港は1つあり現在新しい空港を整備中だが、あまり建設は進んでいない」などとインフラの状況を報告した。

 た庄林茜さん(1年)は生活状況を紹介。「島の人口は約6200人で、小学校では定期的に日本語の授業をしていると聞いた。温泉が開発されて外国からの観光客が来ているなど、近い将来住みやすい土地になると思う」と話していた。

 会ではこのほか、小学校児童でつくる「函館豆記者交歓会」の根室取材の報告や、外務省ロシア課外務事務官の斎藤啓輔さんによる講話が行われた。(後藤 真)


◎被災地に向けた歌など力強く…う〜みさんライブ

 函館出身の歌手う〜みさんのライブ・トークパフォーマンスが24日、中島れんばいふれあいセンターで開かれた。中島廉売(函館市中島町)で毎月第4金・土曜日、空き店舗に屋台が出店する「中島れんばい横丁」のイベントの一つとして開かれ、大勢の来場者でにぎわった。

 この日は、東日本大震災の被災地で歌ったという童話などを披露。被災地の子どもたちの作文を歌にした「現在〜いま」では、「あなたに心からありがとう。悲しみは消えないけれど、きっと乗り越えて笑ってみせる」と子どもたちのメッセージを力強く歌った。

 このほか、宮城県南三陸町で町民に防災無線で避難を呼び掛け続け、津波の犠牲になった町職員の女性に宛てた曲「あなたへ」など、ピアノにのせてしっとり歌った。

 また、ライブの中では、う〜みさんが中心となって、南三陸町の人たちの手記を集めた「南三陸町からの手紙 東日本大震災、それぞれのあの日」を紹介。「メディアからわからないことがたくさんある。津波にあった人たちの体験したことやいろいろな思いが詰まっている。手にとってみてほしい」と呼び掛けていた。(平尾美陽子)