2012年3月26日 (月) 掲載

◎秋本さん、そば打ち試験に親子で合格

 函館近郊のそば打ち愛好家でつくる「手打ちそばぐるーぷ函館白花」(斉藤誠会長)副会長で、函館市吉川町の「秋本建設」社長、秋本真二さん(52)と、次男で函館工業高校建築科1年生の祐輔君(16)がこのほど、「素人そば打ち段位認定試験」にそろって合格した。真二さんは難関の3段、祐輔君は道南の高校生では初めてとなる初段に合格し、審査員特別賞も受賞。親子での快挙を喜んでいる。

 段位は、そば文化の普及を目指す組織「全国麺類文化地域間交流推進協議会」が認定。初、2段位の試験は10、11両日に長万部町で、3段位は18日に十勝管内新得町で行われた。40分の制限時間に初段は、そば粉とつなぎを700グラム(約7人前)、3段は1・5キロ(約15人前)を使用して打ち、水回しやこね、切るなどの動作をはじめ、姿勢、衛生面なども評価される。

 真二さんは、斉藤会長にそば打ち用の道具の制作を頼まれたのをきっかけに7年ほど前に始め、2010年に初段、昨年は2段を獲得。祐輔君が小学生のころには、一緒にそばを打つこともあった。今回、祐輔君は真二さんの勧めや「変わった資格を取りたい」との思いもあり、1月から本格的に練習を始めた。

 ただ、高校では硬式野球部に所属し、昨年秋の全道大会にはレギュラーとして出場するなど、春季大会に向け大切な時期。週1回だけ部活を休み、試験に備えた。祐輔君は「最初はうまくできず、合格できるか分からなかった。部活を休んだ日に打ったそばは監督や部員に配り『おいしかった』と言ってもらえた」と話す。

 3段位は道内を中心に実力者56人が出場したが、合格率は60%ほどの難関だった。真二さんは「3段は量も多く制限時間に終わらせるのが大変。息子が合格したので自分が落ちるわけにはいかないと思っていた」と話し、一緒に参加した「白花」の仲間も6人全員が合格を果たした。

 祐輔君は「今年は野球に専念するが、部活を引退した後に2段の取得を目指したい」と話し、真二さんは「3段はひとつの目標でしたが、これからもボランティアなどで、そば打ちの活動を続けます」と話していた。(今井正一)



◎春休み元気に遊ぶぞ! 福島っ子大沼到着

 【七飯】福島第一原発事故の影響が続く福島県内の子どもたちに春休みを過ごしてもらう事業「ふくしまキッズ春のプログラム」が25日、「大沼ふるさとの森自然学校」(町東大沼294、流山温泉)で始まった。大きな荷物を抱えた子どもたちをボランティアスタッフの学生らが笑顔で出迎え、早速、元気な声が響いた。道南を中心とした小旅行「フィールドトリップ」を事業の核に、31日まで滞在する。

 道内外のNPO法人などで構成する「福島の子どもを守ろうプログラム実行委員会」(進士徹委員長)の主催。神奈川、長野、岐阜県でも開催し、大沼には、福島県内から8〜14歳の28人が到着、別事業として参加している東京や横浜からの子どもたち7人も合流した。

 28日から2泊3日で行われるフィールドトリップは、JR北海道から提供を受けた道南や道央を周遊できる切符を使用し、子どもたちが旅行の計画を立て、江差や奥尻、ニセコなどに向かう。夏休みの事業では、舞台を全道各地に拡大して展開する予定で、春は試験的な意味合いを持つ。

 この日は、午後5時すぎに函館駅に到着。同自然学校に移動後、地域の人から提供を受けた野菜や牛乳で学生らが調理したカレーライスが振る舞われた。二本松市の5年生、安田悠真君(11)は夏、冬に続いての参加で、「電車での旅が楽しみ。北海道は何回来ても楽しい」と話していた。

 総括責任者の上田融さん(NPO法人ねおす理事)は「震災から1年がたち、原発事故は身体への影響だけではなく、生きる意欲など、教育的な意味合いや課題が深刻になっている。子どもたちにリフレッシュしてもらい、現実を率直にとらえる力をつける事業として、意義は高まっている」と話している。(今井正一)



◎西部地区で新婚世帯、着実に増加 市の補助金成果

 函館市の西部地区に住む新婚世帯に賃貸住宅の家賃を一部補助する市の「ヤングカップル住まいりんぐ支援事業」が、着実に成果を挙げている。近年は毎年30世帯前後が新たに利用し、補助期間終了後も約4割が定住。市住宅課は「定住化の目的は果たされている」とし、今後は子育て世代や西部地区以外への対象拡大も検討している。

 市は、高齢化や人口流出が目立つ西部地区に若い世代を呼び込もうと、1998年に事業を開始。函館山周辺の元町、末広町などや、JR函館駅前の若松町、松風町などの20町が対象区域で、婚姻届を出してから1年以内の夫婦が、この地区の民間賃貸住宅に入居した場合に家賃の一部が補助される。

 補助期間は最長5年で、補助額は1〜3年目が最高で月1万5000円、4年目は1万円、5年目は5000円。04年度からは補助後の負担を軽減するため、補助期間を従来の3年から延長し、補助額も段階的に引き下げる一方、晩婚傾向に伴い年齢制限も36歳以下から40歳以下に引き上げた。

 同課によると、事業初年度は15世帯の利用だったが、制度改正後は新たな利用世帯が年間20〜40件と好調。本年度も29件の申し込みがあった。昨年度まで13年間の累計では420世帯が利用。ただ、このうち5年間の期間を満了した利用者は105世帯と全体の4分の1にとどまった。

 一方、105世帯のうち補助終了後も西部地区に住み続けているのは44世帯。定住率では41・9%に上る。転勤や離婚でやむを得ず地区外に転居するケースも多く、同課は「新婚世代だけに、補助期間中に子どもが生まれたことも考えれば、人口の減少や流出に一定の歯止めが掛かったはず」と分析する。

 市は新年度も新規36件を含む142件の利用を見込み、予算1780万円を計上している。今後は西部地区在住で未就学の児童を持つ子育て世帯のほか、市が進める中心市街地活性化策と連動し、対象エリアを本町・五稜郭地区などに拡大することも検討している。(森健太郎)


◎函館市役所、臨時窓口に多くの市民 来週も開設

 3月下旬から4月上旬にかけて集中する転入、転出手続きなどの混雑を緩和しようと、函館市役所は25日、本庁舎(東雲町)と亀田支所(美原)で臨時窓口を開設し、多くの市民が利用に訪れた。

 臨時窓口はこれまで毎年、4月の第一日曜日のみ開設していたが、市民サービス向上の一環として今年は3月の最終日曜も追加し、2回体制で行う。

 開設窓口は戸籍住民課をはじめ国保年金課、医療助成課、財務部管理課、介護高齢福祉課、障害福祉課、子育て支援課で、取り扱い業務は転入、転出届けや住民票・戸籍・印鑑登録などの各種証明書の発行、国保や年金加入・喪失手続きなど。

 この日は本庁舎、亀田支所とも午前8時45分に開庁。本庁舎の戸籍住民課の窓口には、開庁と同時にひっきりなしに市民が訪れ、転入などの手続きを済ませた。同課が取り扱った転入・転出などの各種手続きの総件数は約560件に上った。

 仕事の転勤で市内に引っ越してきたばかりの男性会社員(45)は「平日は仕事でなかなか来庁できないので日曜日の窓口は助かります」と話していた。

 臨時窓口は来月1日の日曜日も本庁舎、亀田支所で午前8時45分から午後5時半まで開設する。2、3の両日は本庁舎の窓口を午後7時まで延長する。同課は「今の時期は届け出が集中するので、臨時窓口も利用していただければ」としている。(鈴木 潤)


◎歌や演奏700人満喫 美原商店街、交付金でまつり

 美原商店街振興組合(平沢鉄美理事長)の「新春ふる里まつり」が25日、函館市亀田福祉センターで開催された。周辺住民ら約700人が来場。“津軽漫芸”の第一人者として活躍する黒石八郎さんのライブをメーンに、市内在住の演歌歌手近江亜矢さん、函館商業高校の生徒らが出演し、にぎやかなステージを繰り広げた。

 本年度初めて、市から商店街の活動を支援する「元気いっぱい商店街等支援交付金」が交付されたことから実現した。大勢の観客が集まった客席では、1プログラムごとに大きな拍手が起こっていた。

 このうち函館商業高校吹奏楽団は、34人が得意の演奏を披露。アンコール曲「じょいふる」(いきものがかり)では、舞台上を所狭しと飛び回りながらの演奏に、観客も大喜び。同楽団の代表は「このような発表の場を与えてくれてありがとうございます。素直にうれしい」とあいさつしていた。(斎藤まや)